工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

春まぢか 丸子の里

丸子梅園
昨日は〝二十四節気〟の〝大寒〟。例年であれば暦通り一年で寒さがもっとも厳しい時期ということになるが、あに図らんや気が抜けるというか、車のメーターパネルに表示される気温計は19℃を示し、春到来のような陽気に包まれた。
所用で静岡市内へと出かけたついでに立ち寄ったのが、このあたりではよく知られた「丸子梅園」(まりこばいえん)。
ここは東海道(国道一号線)沿いに立地するところで、まさにふらっと立ち寄って観梅できるというアクセスの良さ。
国道沿いに小さな受付詰め所の小屋があり、そこから小高い山へと急勾配の遊歩道が整備され、周囲一帯に数百本の梅が植栽されている。
春風に運ばれるように梅の香が鼻腔をくすぐり、春の到来をたゆたうように楽しむ。
この梅園は品種の数では国内有数の規模を誇るとのことで、長年にわたるオーナーの梅に掛ける熱意が伝わってくる梅園だ。

icon.ume

ところがこの日は残念ながらまだ開園されていなかった。この週末23日からだそうで、ガクッ‥‥ 。
ま、しかし入り口では既に三分咲きの白梅を愛でることができたし、駐車場脇には紅梅も見事に咲き揃いつつあった(下の画像)。
梅若菜 鞠子の宿の とろろ汁

と詠んだのは芭蕉だが、この句の通り、すぐ近くにはとろろ汁を商って400年と言われる老舗の「丁子屋」という店もある。
安藤広重の東海道五十三次・「鞠子」の宿にも梅があしらわれているように、この〈丸子〉と〈梅〉、〈とろろ〉は切っても切れない関係にある。
梅を愛で、地酒を酌み交わし、麦シャリにとろろをぶっかけて食らえば、何も言うことはなし。
恐らくはこの週末からは観光バスなども押し寄せ、賑やかになるのだろう。
目ざめゆく梅、はじめての純白の花咲かせたり驚きのごとく

佐々木幸綱

この大寒を過ぎれば、次の二十四節気はもう立春だ。

紅梅

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