Macの省電力はスリープでの運用を
電力供給の危うさとMac運用
フクシマ状況下、今季夏場の電力供給の危うさが取りざたされている。
実はそんなにも心配することなく、大丈夫なんだよ、との専門家の見立てもあったりと、様々な見解がある。
個人的な関心としては、この際、省電力について考えてみることは、これまでの放漫な電力消費のあり方を見据え、今後のライフスタイルを構想するという意味において有用だろうと思っている。
今日、NHKラジオの夕方のニュース枠で、同問題が取り上げられていた。
〈私も一言!夕方ニュース〉という番組。
以前も紹介したところだが、うちでは日中は iPhone 3Gをオーディオに繋ぎ、AccuRadioを流していることが多いが、夕刻はこの〈私も一言!夕方ニュース〉に切り替えることが多い。
その日のニュースを報じるのはもちろんだが、1時間50分枠の2/3ほどを使い、1日、1テーマで専門家をゲストに招き、視聴者からの「みんなの一言」、「夕方アンケート」など、参加型、双方向という新しいコンセプトでのニュース番組だ。
1つのテーマをかなり深く掘り下げて興味深く議論されるので、木工の手も止まってしまうのがたまにきず。
以前、何度かこの番組に電話、およびメール読み上げで参加したこともあった。
今日は「どう防ぐ 夏の大停電」というテーマ。
ゲストに岩船由美子さん(東大生産技術研究所エネルギー工学連携研究センター准教授)を迎え、政府側から事業所への15%節電の義務づけ、一般家庭へも同等の節電の呼びかけについての解説。さらに具体的な節電のキモについて考えるもの。
ここではコンピューター運用におけるキモについて少し考えて見る。
番組でもこの課題を取り上げていた。
〈スリープ〉がキモ
Mac使いの人は以前から広く行っていると考えられるが、1度起動したならば、作業がいったん終了した場合には「スリープ」にしておくのが基本。
つまり作業ごとにいちいちシステム終了(=シャットダウン)は行わない。
Mac OS 9 の頃はいちいちシステム終了していたけれどね。
例えばボクのiMacのマニュアルには以下のような説明が付されている。
【iMac をスリープ状態にする】
iMac を使った作業を中断する期間が 2 ~ 3 日以内のときは、スリープ状態にします。iMac がスリー プ状態のときは、画面が暗くなります。iMac はすぐに元の状態に戻すことができます(起動の過程は 省略されます)
つまり24時間を超えてもなお、スリープで良いとされている。
こうしたインフォメーションがされはじめたのはいつの頃からかは定かではない。
恐らくはここ数年のことか。
人によっては1週間起動しっぱなし、という人もいると聞く。
ボクの運用方法は起床後に起動し、就寝前にシステム終了(=シャットダウン)ということが一般的。
眠い眼でのシステム終了操作は、起動しているアプリによっては煩雑な作業が伴うので、ミスして終了されずに朝を迎えることもたま〜にあったりする。
そんな場合は、朝、冷や汗搔きながら、あらためて再起動と相成る。
そのまま作業に取り掛かっても構わないのだろうが、メモリを解放してやったり、とにかくクリーンな状態でスタートしたいから「再起動」を選ぶ。
そこで、このApple社の〈作業を中断する期間が 2 ~ 3 日以内のときは、スリープ状態に〉という方法は、果たして節電が叫ばれている中でどうなのかという問いは不当なものではないかな。
ボクの個人的見解としては、正しくもあり、やや問題もあるか、というところか。
どういうことなのか説明しよう。
作業していない時間帯をどのように運用するか、という問題だ。
まず明確なことは、頻繁に起動、システム終了をするよりも、スリープにしておいた方がはるかに省電力であるということ。
スリープ時に消費される電力だが、ボクのiMacではわずかに1.44Wという実測データが公開されている(右画像)
一般にコンピューターでは起動時、システム終了時には大きな電力を喰うものだ。
したがって〈 2 ~ 3 日以内のときは〉システム終了手続きをすることもない、というメッセージもあながち無茶ということにはならない。
ただ他のMac、例えばMacBook Pro、MacBook Airなどのマニュアルでは、〈作業をしばらく中断するときは、スリープ状態にします〉とある。
明らかにiMacとは異なる表現だ。
これをどう解釈するかはボクの知見を超えるのでやめておくが、同じIntelチップでもiMacの構成と、ラップトップのものとは異なってくる、ということであろうか。
しかし基本的な考え方は同じだろう。いちいち起動、システム終了ではなく、スリープが良い、ということ。
様々な省電力運用
他にどのようなことが省電力に繋がるか。
- 不要なソフトウェアは終了し、メモリーを解放してやること。
- モニターの輝度を下げること。因みにボクのiMacの場合ではわずかに40%以下に抑えている。(下画像)
- 自動スリープまでの時間設定を短めに(デフォルトでは10分ほどのはず:上画像)
- スクリーンセーバーは無駄なもの。電力を喰うのでOFFにしよう
- ラップトップ(ノート型)は消費電力の余裕のある夜間に充電を行い、日中はできるだけACアダプタは外し、バッテリーで運用
バッテリーの運用に関してはこちら[1]) を参照して欲しい
他にもあると思うが、これぞと思うものがあればぜひご披露いただきたい。
Microsoft社の提言
ところで最近報じられたことで注目させられたのが、3.11を機にMicrosoft社が電力中央研究所の協力を得てWindows PC運用の消費電力検証を行なった結果、運用次第で大きな省電力(30%削減)になるということが立証されたというもの。
内容的には上述したようなこととほぼ同様なものになるが、詳しくはこちらで。
(Winについては解説能力が全く無いので、これ以上は立ち入らない)

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❖ 脚注
通りすがり
2012-9-14(金) 10:14
1.4Wってのは、究極に電気を使わない状態のようで、実際にほとんどのiMacのスリープでは、BlueToothがオンの状態でスリープするようですので、その状態だと40W位使うそうです。
私もスリープは電気使わないという情報をみてそう実践していたのですが、
bluetoothは、キーボードもマウスも含めて必須なので、使わないときは電源切るしかなさそうです。
artisan
2012-9-14(金) 13:01
通りすがり さん、コメントありがとうございます。
お話し、良く分かります。
ネット上にはいくつかの同様の情報がありますね。
省電力を目指すとき、Bluetoothをどう扱うかは、
かなり大きな問題なのかも知れないです。
なお、Bluetoothの新規格(Bluetooth4.0〜)では、消費電力が大幅に低減している、
というアナウンスもあります。(そうした指摘じたい、これまでは電気喰い歯だった、
ということの裏返しでもありますが)
因みに、iPhoneなどでも、バッテリーの持ちを改善するには、
Bluetoothを切るのが、もっとも大きな効果があるとされています。
なお、MacにおいてはメニューバーにBluetoothの入り、切りの操作ボタンがあります。
必要な場合のみ、onすれば良いのでしょうが、
キーボード、あるいはマウスもBluetoothでのワイヤレスが一般的になっている現在では、
残念ながら、スリープの際、Bluetoothを切る、という選択はできません。
(スリープからアクティヴに戻すには、いずれかが on 状態で無いとできません)
ここが悩みどころ。
マウスもキーボードも、それ自体は、操作しない環境では、省エネ設計になっている、
とのアナウンスがありますが、Bluetoothそのものの電力消費がどうであるかの
アナウンスは見あたりません。
私は電力消費を計測する機器は持ち合わせませんが、今後、その導入も含め、
さらにApple社への問い合わせをするなど、省電力に務めていきたいと考えています。
貴重なコメント、ありがとうございました。