工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

三題噺

江藤俊哉さんの訃報が飛び込んできた。
日本を代表するバイオリニスト、ということになるのだろうか。
「違いのわかる男」でTVCMに出てダンディーなところを見せていたのは、いつだったか。
1927年生、ということは80歳。
22日、“亡くなっていたことが分かった”という報道なので、死因などその経緯は詳らかにしない。
若ぶるわけではないけれど、江藤さんと言えば桐朋学園の学長であるとか、後進の育成に尽力された、というイメージが強いが、演奏者としての評価はどうだったのだろう。
演奏を2度ほど聴かせていただいたことがある。
ブラームスのバイオリンコンチェルトなどだった。
やはりロマン派の作品が好きだったのかな。
ボクはチャイコフスキー国際コンクールで第1位を勝ちとった諏訪内晶子の演奏が好きだが、彼女も江藤さんに薫陶を受けたのだったね。
ご冥福をお祈りします。


アカデミー賞授賞式の開催が危ぶまれるという報道もあるようだが、うれしい関連ニュースがあった。
ロシア、セルゲイ・ボドロフ監督による「モンゴル(Mongol)」がアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたという。
主人公テムジンを演じているのは、浅野忠信だ。
モンゴル帝国の創始者チンギス=ハーン(本名テムジン)の若き日を描いたものだという。
残念なことに日本語の公式サイトは無い。
浅野忠信も全編モンゴル語で通したと言うから立派だ。
このところ日本映画はオダギリジョーと、この浅野忠信で席巻している感があるが、TVなどに色気を見せずに、ひたすら映画に専心している姿はとても好感がもてるし、このように海外から招聘されての映画出演はすばらしいことだと思う。しかもハリウッドでないところが良い。(オダギリジョーも近く中国映画に出演するらしい)
YouTubeでメイキングフィルムを

今年08年のアカデミー賞外国語映画賞には「ヒトラーの贋札」他、ジュゼッペ・トルナトーレ監督(「ニュー・シネマ・パラダイス」はすばらしかった)、アンジェイ・ワイダ監督、ニキータ・ミハルコフ監督など、巨匠の映画がノミネートされているので、「モンゴル(Mongol)」が栄冠を勝ちとるのは簡単ではない。
3つめの話題はジャニス・イアン
「17才の頃」などで60〜70年代、日本のフォークソングファンを熱くさせたシンガーソングライターだね。グラミー賞も獲得している。
知人からMP3の「Will You Dance?」がメールに添付されて来て、久々に聴いた序でに、公式サイトへとジャンプしたのだったが。
天才少女と騒がれてから早30数年。
あのユニークな髪型は全く同じ。髪は真っ白だけれど‥。
でも公式サイトからダウンロードさせてもらった最近のアルバムに収められた歌声は、実はあまり声質の変化を感じさせないほどの懐かしいものだった。
その旋律の独自性と、ピアニシモの声の強さは相変わらず。
うれしいね。こちらはいきなり20代に戻らせてもらった。
(椎名林檎の「17」はジャニス・イアン、「17才の頃」へのオマージュ?)
彼女もいろいろと波乱万丈の人生で大変だったようだけれど、今は落ち着いてじっくりとアルバム制作をしているようだ。
がんばれ !
江藤さんは若くして渡米、カーティス音楽院に留学。数年後にはカーネギーホールでデビュー、と海外での活動からスタートした戦後日本を代表する音楽家だった。
浅野忠信もアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされるほどの映画に出演、評価されている。
一方ジャニス・イアンは天才少女と騒がれ、日本、欧州からの熱い支持を受けながらも、その歌の世界の社会性からメインストリームからの撤退を余儀なくされてきた。
しかししぶとく独自の世界を切り拓いていることをあらためて知り何故か嬉しい。
こじつけの三題噺ではあったか。

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