工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

あれまぁ、NHKラジオから‥‥

このところ物価は急峻な勢い↑↑で高くなりつつあるようだ。
まず家計を直撃しているのが小麦、原油などの自給率が限りなくゼロに近いものからだが、この物価高もまだ始まりにしか過ぎないのかも知れない。
グローバリズム経済による競争激化の中でまだまだ小売価格に転嫁できずに、労働者賃金の低減などでかろうじて押さえられているだけだからね。
と、今日のNHKラジオ「いきいきホットライン」は「物価高 あなたの買い方は?」とタイトルした放送だった。
機械を回しているとラジオなど聞けないが、今日は午後から手鉋での仕上げ削り作業で、ちょっと耳を傾けていた。
そしたら「静岡のアルチザンさんからのメールでこんなのが来ています‥」といってボクの原稿が読まれちゃった。


この「物価高 あなたの買い方は?」というタイトルは一週間を通したテーマだが、2日目の今日は「値上げは仕方ないですか?」として、ものづくりをしている皆さんからの投稿を待っているということであったので、あわててMacの前に座り簡単に文章を作り、番組にぎりぎり間に合うように投稿した。
番組進行役の有江アナウンサーは、読みにくそうに、つっかえながら(ボクの原稿の生堅さのため)最初からほぼ2/3ほどの分量を読んでくれたが、肝心なところを飛ばされちゃったので、以下に再掲しよう。

私は木工家具をデザイン、制作している職人です。
家具制作に必須の多くの素材が値上がりしています。
主要な素材の材木ですが、かつて私がこの仕事を始めた頃には国産の良木が適正な価格帯で手に入れることが出来ました。
しかし今ではそのような国産材は入手がとても困難になっています。
一時は代替材が中国から廉価に入ってきましたが、改革開放路線の中で、それもストップ。現在はロシア沿海州あたりからのものとなり、質も悪く価格も高値安定です。
私は北米材を多く使いますが、これも今では業者は何と米国へではなく上海に買い付けにいく時代です(中国が圧倒的な消費国のため)
ことほど左様に材木の手当が困難になり、家具制作の今後が危ぶまれる時代になっているのは間違いないところです。
これは決して一過性のことなどではなく、BRICs諸国の歴史的台頭という潮流とともに、CO2による気候変動という地球大での問題が大きく関わることですので、今真剣に家具制作にとって持続可能な制作スタイルとは何かということを自問しているところです。
こうした問題は家具制作などのもの作りに携わる人だけのことではなく、21世紀に生きる私たち全てが、どのような生活スタイルを選択するかということに関わってくることですので、家具を買われる方にも、ぜひ単なる消費物資としてのものとしてではなく、世代を超えて使ってもらえるような、少々高価でも良い品質のものを選んでいただけるように働きかけ、私たちもこれに責任持って応えるようにしていきたいと考えています。
がんばりま〜す。

ま、読まれなかったところはややメッセージ的な内容であったためだろうが、有江アナウンサー、ゲストコメンテーターの経済ジャーナリスト/門倉貴史さんに「中国にアメリカ材を買いに行くって言うのは本当なのでしょうか?」と尋ねたが、BRICs諸国経済の専門家でもあるらしい、このゲストさん、こうした事情にも良く通じているようで、理解できる話しだとばかりに応えてくれていた。
ボクは決して投稿マニアではない。ここ10年ほどで投稿したのはせいぜい5〜6回ほど。そのうち読まれたのは3回かな。
以前は原稿を送り、採用となれば電話が掛かってきて、ディレクターと簡単な打ち合わせの後、放送時間にあらためて呼び出され、インタビューに応えながら話す、というスタイルであったが、いつの頃からか、Fax、メールで送って、採用分を一方的に取り上げるというスタイルになっている。
有江アナウンサーの隠れファンの一人としては、インタビューしてもらいたかったのに (>_<) 〕 さて、NHKサイトにもあるように、今週の物価問題、興味深い内容となっているので、残り2日間、業務内容によって、また聴くことが出来ればよいと思う。 明日は「ムダな買い方をしていませんか」という内容だが、明日のこのBlogのエントリ内容はそうでないと信じているものを取り上げたいと思う。

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