工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

Macでラジオ

土曜の朝はピーター・バラカンの「ウィークエンドサンシャイン」というFMラジオの番組を聴くことからスタートするのが日課。
普段忙しくしているので洋楽のソースはほとんどこの番組に依拠しちゃっている。
ところでラジオ放送というものが現在のIT全盛の情報化社会においてどれだけ有用なメディアであるのかは議論の分かれるところかもしれないが、ボクにとってはこの旧いメディアもありがたい社会への窓口だ。
ひょっとするとTVより活用しているかも知れない。
このところ局によっては腐朽の度合いを強めるTV番組編成と較べればラジオの方がよほどマシとも言える。
ということでMacでラジオを ! という環境を整えたくなっていた。
ところで何故しかしMacでラジオを ? と訝る向きもあろうが、これにはいくつかの理由がある。
Mac的生活を基本としている日常にあって、このMacで全ての操作ができる環境を望みたいとうこともあるが、それとともに考えたいのが、デジタル音源として録音保存することで、再活用、編集が可能となる環境を得たいから。
忙しい日常でのエアチェックをMacで予約録音し、これを任意に編集保存、そして最終的にiTunesに格納するという考え方だね。
なお再生にはMacにUSB接続したデジタルアンプ+SPを備えているので、USB接続できるラジオチューナーさえあればよいということになる。
しかし決定版というのがなかなか見あたらない。
考えられるのは現在使用しているONKYOのデジタルアンプのシリーズ(WAVIO)でAM/FMチューナーを搭載したものがあったのだが現在は製造中止。(さらには、ソフトはWinのみ)
他にもいくつかの聞いたことのないメーカーから数機種が探し出せたが、これらは外国語習得のために開発されたようなもので、USB接続の環境がなかったり、モノラル限定であったり、また音質においては期待できるものではなかった。
最近のオーディオコンポではUSB出力を持ったものもかなり普及してきていることも知ってはいたが、しかしMacでの操作性(ソフトが未対応)、予約録音機能は無いだろうと思われる。
さてそこで最後に残ったのが米国Griffin Technology社が製造している「radio SHARK」というもの。


要するにUSBラジオだね。
この存在は発売当時から知っていたのだが、FM周波数帯が日本対応となっておらず、その時点では購買意欲は湧かなかった。しかし一昨年、日本の放送帯域に対応させた「radio SHARK 2」がリリースされたことを知り昨年春頃に購入したのだった。
しかし残念ながら、その品質は期待を大きく裏切るものだった。
受信感度があまりにも悪い。AM/FMいずれもだ。
それでもなんとかこれを改善させようと、いろいろと試みた。
FMについては既設置の5素子の外部アンテナを分技させ、同軸ケーブルを引っ張り接続させるも、残念ながらあまり良い品質改善には繋がらなかった。
その後は埃を被るままになっていた。
過去、このような使い物にならないガジェットを購入したことがなかったのでひどく自己嫌悪に陥ってしまう。
amazon(米国)のレビューを見ても、関係者のものかと思われるようなヨイショの投稿もあるが、酷評に近いものも少なくない。
買う前にもっとリサーチすべきだったね。ったく。
その後この「radioSHARK 2」のドライバーが昨年4月に更新されていたことが昨年末頃に判明。(半年以上も知らなかった‥笑)
さっそくダウンロード、インストールすれば、ありがたいことにその受信感度は何と劇的に改善したのだ。
この「劇的に改善」という表現は決してオーバーなものではないのだが、しかしまだ完全に満足しているわけではない。
ノイズがまだまだ多い。また音質はお世辞にも良いとは言えない、つまり再生音の周波数帯域が狭い。(メーカーからは詳細な仕様は公表されていない)
受信感度が悪いと言う原因にはいくつかの要因が考えられる。
チューナー性能の問題ももちろんだが、今回ソフトゥエアのバージョンアップで少し改善されたものの、ハードウェアは替えることはできない。
さらに最大の問題と考えられるのが、外部アンテナの接続問題。
AMはループアンテナの自作か購入も検討すべきかとも思うが、外部アンテナ端子が無いのでどれほどの効果が望めるのか。
一方FMの方はミニプラグ仕様(3.5φのイヤフォン)端子があるだけ。付属品としてわずかに60cmのケーブルが付いてくる。しかしこれは全く実用に耐えない。そこで上述したように5素子外部アンテナからの受信波をこれに供給してもあまり改善できず、ちょっと理解できない状況がある。(ケーブル仕様の問題、接続端子での減衰など多々の要因があるのだろうが)
ノイズを減らすためにUSB延長コードを使いMac本体から少し離してやるのは効果が認められた。(USB仕様は現在USB2.0が一般的であるのにUSB1.1である。これも音質に影響しているのかな)
いずれにしてもラジオの電波状態は設置箇所の状態に大きく左右されるので、様々な条件でトライするのは意味のあることだが、しかしどうもこのUSBラジオについてはハード、ソフト両面での抜本的な改善がない限り、求める品質には近づいてはくれないのだろうという思いは強い。
ま、何とか聞くに堪えられる品質と言うところか。
しかし恐らくは、今後は iTunes 以外からの音源として活用していけるだろう。
その理由として、簡単にその特徴を記してみよう。
・USB接続でMacと繋げるという簡便さが良い
・受信した番組は、AAC、または、AIFF形式でハードディスクに圧縮録音保存できる
・自動的にiTunesのプレイリストに追加可能。
・当然番組はiPodなどへ転送、モバイルでも楽しむことが出来る
・予約録音の設定がMac上で簡便にできる
 と、実にMacとの親和性が高いのだ。
この至れり尽くせりの設計思想がうれしく購入したのだったが、受信感度が実用に耐えないのであれば意味がなかったものが、今回かなり改善できてうれしいねぇ。
このように積極的に推奨できるものではないが、ラジオをMacで楽しみたいという要望には応えてくれるものではあるので、試みるのは悪くないと思う。価格はamazonで6,200円(ボクが購入した頃よりも2,000円も安くなっているじゃん)
フォーカルポイントコンピュータ RadioShark 2 GRI-US-000003
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  • 私は昔懐かしいスカイセンサー5800が現役で
    頑張っています。小学校6年生?のときかな
    買ってもらったラジオ。今人気があるそうです。
    感度はもちらん、十分使用可。
    実はナショナルのクーガーというラジオも
    友人からいただきました(箱付きで)
    レトロなものに囲まれてます。

  • kentさん、いずれも70年代の名機ですか。
    ICではなく、バリコン方式でしょう。
    こういうものは壊れにくいのでしょうね。
    ケータイ、ネット社会の今日、ラジ少年(ハム)は果たして健在なのでしょうか?
    ボクは小学生で鉱石ラジオ作り、中学で真空管ラジオを作っていましたね。
    ゲームなどするより、よほど科学に触れられる時間だったはず。

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