数日前、乗用車の燃料を入れた。
いつも利用しているガソリンスタンドでのこと。ここは地域ではもっとも安価な部類に入る店舗だと感じていて、ここ10年ほど利用している。
画像ではハイオク131円と表記されているが、これは10,000円のプリペイドカードの場合の価格で、20,000円のカードの場合、さらに１円安く130円で入れることができた。
（ケータイでの撮影なので画質が悪いのはカンベンね）
前回入れたときは155円だったので、「道路特定財源の暫定税率分」25円がまるまる安くなったという勘定だ。
ボクは普段は空っぽ近くなってから入れるので満タン近くで仮に50Lとして、1,250円安いということになる。この1,250円という価格はさらに10L近くも増量できるという勘定だ。
う〜ん、安いね。
いやいや、消費税分を抜いても、まだ揮発油税24.3円、地方道路税4.4円の計28.7円の税金が含まれているんだよね。
ガソリン購入時に発行される領収書にはこれまで「ガソリン税@53.8円」という表記がされていたはず。
今回はこの中の暫定税率分の25円が低減されただけ。

昨日の国会における福田首相と、民主党小沢一郎代表との党首討論はいつになく緊張をはらんだやり取りで、双方口角泡を飛ばす激論になり、なかなか外野席からは見応えがあった。
福田首相は自民党総裁として、この25円分の税収分の不足は地方自治への混乱をもたらすものとして、税率維持の強行を阻んだ民主党、小沢代表を口を極めてなじるのだが、安倍晋三前総理との違いを際だたせてきたこれまでのソフト路線をかなぐり捨てて、道路族議員、官僚を擁する保守政治家としての本音を隠す事なくイチジクの葉っぱを取り去り、自らに与えられた使命に従っただけであったのだろう。
首相は今だに4月末の衆議院での再議決強行方針のようで、いよいよ混乱をもたらしてしまうのは必至の情勢。
しかし市民の多くは丸抱えの職員旅行、マッサージチェアやカラオケ機器の購入に消えていく道路特定財源の暫定税率復活を喜びはしないだろう。
それでなくともこのところ、小麦、パン、バター、ビール、しょうゆ、牛乳、電気代、ガス代と軒並み生活必需品の大幅値上げが相次いでいる中に、せっかくの25円安の朗報、再値上げなど納得できるはずがない。
再議決強行となれば下手をすれば政権がひっくり返る可能性だって無くはない。
福田首相はもうすでに死に体のようなもので、昨日の論戦もそれを自認しての変節であったのでは。
民主を始め、野党は再議決強行の脅しには多数を占める参院で首相問責決議を提出すると言っているが、小沢-鳩山は本当にやるだろう。
一気に解散・総選挙へと雪崩を打っていくことになる。
しかし、小沢民主もこの道路特定財源問題を完全に政局の焦点にすることが目的であるかのような戦略を取っているが、これを単に「一般財源化」することで解決されるというものでもないだろう。
ガソリン税とともに、これに消費税分が上乗せされるという二重課税問題も解決されねばならないしね。
今では物流の骨格である道路という公共財を、どのように構築、維持管理していくのか、まさにグラウンドデザインを１から描き直すぐらいの戦略が求められているのではないのだろうか。
一方でのCO₂削減必至の状況下、エネルギー問題と環境問題をどう解決し未来を展望するのかという困難、かつ大変重要な問題とも深く関わることであり、これらをどのような内容で市民的合意を図るのか、ということが問われている。
政権与党の「ガソリンが安くなればガソリン消費量が増加し、地球温暖化の元凶CO₂が増加するので、絶対良くない」などといったタメにする全くの詭弁はひどすぎ。
当面は政局的な側面で動かざるを得ないとしても、これを機に車を運転する人も、公共交通機関で移動することを旨とする人も、25円の意味するところを考えていきたいものだ。

《関連すると思われる記事》

• ガザを想え
• Festool Domino、円高差益還元価格販売、だそうです
• ガジェットへの欲望と、ＩＴ社会の困惑
• プリンターがぶっ壊れた
• ネットプリントサービス、長足の進歩