ガザを想え
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パレスチナのガザとはどういうところか。
東地中海に面し、東西10キロ、南北40キロの細長い東京23区の6割くらいの広さの海岸地域だが、ここに140万人ほどのパレスチナ難民が居住する。(Googleローカルの破線の部分)
1948年のシオニズムを背景としたイスラエル建国は第一次中東戦争を引き起こしたが、その後ユダヤ人入植者たちに土地・家屋・財産を没収され、追われたパレスチナ難民によりガザ地域は膨れあがった。
その後の恒常的なイスラエルによる抑圧はガザ地域全域を収容所の如くに封じ込めるものとなっていった。
(詳細はパレスチナ情報センター、資料集へ)
(英BBCによるガザ地域の解説 )
(同じくAFP BB Newsからの解説図解)
この貼り付けたGoogleマップを拡大して行っても残念ながらパレスチナ住民達の暮らしの臭い、生命の息吹が伝わってくるものではないが、想像力を働かせることで、彼らの悲劇的な状況、怒りと苦しみに少しでも接近できればと願う。
しかしどうしてこうも世界とは非対称なものなのだろうか。
夕刊一面トップに「安保理、ガザ停戦決議」と来ていて、やや胸を撫で降ろそうとしたボクは全く甘かった。
オルメルトは安保理決議に拘束されることなく戦闘継続の方針とニュースは続くのだった。
この詳細なニュースを追って海外のメディアをウォッチしていくと、どこも凄惨な画像が飛び込んできていたたまれなくなる。
(こちらはREUTERSのガザ空爆・地上戦の特集スライドコーナー 01/08)
いたいけな子らが次々と血まみれになって死んでいく状況をよく見るがいい。
封鎖の中で全く食い物も事欠き、水さえ滞り、窮乏生活を送る無防備な住民らに降り注ぐ砲弾は、わずかこの2週間の空爆、地上戦で既に800人近い犠牲者を産んでしまっている。
まだ世界が何なのかも判らないあどけない少年少女が次々とイスラエルの包囲網の下で傷つき倒れていく様を見るほど辛いものはない。
YouTubeには多くの動画が投稿されているが、とてもここで晒せるほど甘っちょろいものではない.
URLだけでご容赦を
オルメルト、ブッシュは「テロは許せない、停戦には相手のロケット砲が止まなければ断じて応じられない、ハマスは交渉相手とは思わない‥‥」と声を合わせるし、日本政府当局者は「イスラム原理主義組織・ハマス」を一方的な悪者扱いをして憚らない。
このイスラエルの軍事侵攻の問題を問いかける記者へ向ける米国大統領ブッシュのせせら笑いの方が紳士で、砲弾の下で泣き叫ぶパレスチナ住民がテロリスト?
これほどの非対称はあるだろうか。
言葉の意味を噛みしめたい。テロリズムという社会科学における用語の巧妙な使い分けにボクは無関心でいて良いものとは思えない。
忘れる無かれ、ハマスはパレスチナの公正な選挙で穏健派のファタハ(PLO主流派)を破り政権統治者となって久しい。住民の圧倒的な支持を受けている正当な党派。
イスラエル、オルメルトの最新鋭で圧倒的な軍事力と、ひょろひょろロケット弾。
最新鋭戦闘機F-16が上空から掩護する中、我が物顔にパレスチナの地を蹂躙するイスラエル軍の分厚い装甲車両に、石を投げて抵抗する若者たち。
これが果たしてまともな戦争だろうか。
石を投げて抵抗するインティファーダ(抵抗運動)などは戦争の概念からはほど遠いほとんど非武装の者らのデモンストレーションでしかない。
イスラエル軍スポークスマン女史が言うところの防衛戦争などという強弁は笑止。
関連BBC 動画
しかしこのガザ地域での戦争が、中東全域に拡大するというようなことになるともはや絶望的だ。原油高騰、インフレ再燃、ドル崩壊のスパイラル現象から、いっきに世界は流動的になっていく。
この20日のオバマ就任が果たして好転の契機になるのだろうか。
新国務長官ヒラリー・クリントンは、歴代政権の中にあっても最も親イスラエルと考えられる人物のようだからね。
*参照
■ AFP BB News最新ニュース
■ ガザからアズハル大学芸術人文学部英語学科教授アブデルワーヘド教授からのメール(日刊ベリタ)
■ 「国境なき医師団」のニュースから