工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

時には板差しも

チェスト

ここしばらく突然雷雨に見舞われたりと、不安定な天気が続いていたが、今日は気温は高いものの、湿度は低くなかなか快適だった。
というわけで、雨で待たされていたチェストの駆体の組みあげをすることが出来た。
今回は「板差し」でいこうと決め、まずポイントとなる帆立(側板)をミズナラの2枚矧ぎで構成。
ただそのまま矧ぐのではなく、今回はちょっと装飾性をねらった。
剥ぎ口のところに造形したスリット様のもので開口し、そこに異種材を埋め込む、というユニークな方法。
とは言ってみたが、実はテーブルの板脚などでは過去何度か試みた手法。
これが果たしてチェストにおいて全体的なプロポーションに有効に作用するかは、抽斗前板を含む今後のデザイン、設計に依るだろうな。
構想はあるものの、ディテールにおいて決定されているわけでもなく、進捗状況を見ながら考えていくという普段のプロセスとは少し異なる手法
ボクの設計のほとんどは1/10の図面でプランニング、詳細決定していく。
ディテールなどは加工途上、木取りの結果などで変更されることも無いわけではないが、あらかじめ完成形を頭に描いてから着手する。
しかしJ・クレノフなどのテキスト、写真などを見ればブロックごとにイメージを定着させ、微調整しつつ全体的なプロポーションを決定していくというような手法を取っている。
内実はともかくも手法において師の考え方に準じることは悪いものではない。
小さなキャビネット1つが $20,000 という評価をされるその作品の秀逸さに及ぶものではないとしても、だ。(苦笑)
首尾良く完成すれば、ボケを無くし鮮明な画像で見ていただくことができるかもしれない

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