CD3枚
猛暑を凌ぐ音になるかな、と思い、購入した3枚のCD
左から‥‥
▼猫の歌
▼ Standards Live: Touchstones Series(キース・ジャレット)
〈猫の歌〉
Linkしている、kokoniさんのBlogから教えていただき、ぽちっ。
この波多野睦美さんと高橋悠治さんの共演は、以前紹介したこともあった、〈ゆめのよる〉に続く企画。
高橋悠治さんの「水牛の歌」などの他、クルト・ヴァイル、ジョン・ケージ、モートン・フェルドマンらの曲が入っていた。
30-40年代のドイツの文化全般、興味を持って接してきたので、クルト・ヴァイルはなじみ深い。(「 殉難塔-墓碑銘1919年」、「溺れた少女のバラード」、「ユーカリ」などが所収)
デカダンス、と言ってしまえば分かりやすいのかも知れないが、今もなお、多くの音楽家を魅了して止まない、音楽世界の1つの普遍だろう。
個人的な話になるけれど、80年代、〈ニュージャーマンシネマ〉と呼ばれる多くの魅惑的なドイツ映画が作られ、これを好んでよく観た。
これらの映画には欠かせなかったハンナ・シグラの妖艶な演技は青年期のボクを魅了したのだったが、そのバックに流れる退廃的な音楽もまた、その時代をイメージさせるには欠かせぬツールだったかもしれない。
ナチス支配下のドイツで闘っていたクルト・ヴァイルの音楽は、その時代を象徴させるものだろう。
高橋悠治さんの「パレスチナの子どもの神さまへのてがみ」は難民キャンプのこどもたちの絵本のことばからイメージされたと言う。
考えて見れば、高橋悠治さんは大曲も作るが、歌曲、言わば唄を好んで作ってきたが、その点ではクルト・ヴァイルも同じだ。オペレッタ『三文オペラ』などの代表曲を含め、多くの歌曲を残した音楽家だった。
いくつかの時代と、複数の文化圏を横断的に取り上げ、企画したこのCDは、混迷する現代世界に軽やかなステップで向かう高橋悠治さんと、その意志を、鍛え上げられ、良くコントロールされた歌声で表現する才能、波多野さんの今を指し示すものなのではないか。
こちらからダウンロードできるようだね。
あぁ、ジャケットの猫ちゃん、何となく高橋悠治に似ているって?
失礼ながら、確かに似ているかも。高橋悠治さんを良く描いているイラストレーターに依るものなんだね。
ちょっとシニカルで、いたずらっぽくて、おもしろい。
波多野さんのメッセージを引用させていただく。
“歌は問いかけ歌は記憶”とは「水牛の歌」にある言葉だが
いまでも姿勢はおなじ2008年の夏に悠治さんはそうつぶやいた
それから数ヶ月たって「高橋悠治ソングブック」の楽譜が届いた
止まらずに動き続けること耳を傾けること忘れないこと
そんな歌がおさめられた一冊
その歌の周りにケージ、フェルドマン、ワイル、アユオの曲が集まってきてこのアルバムになった
20世紀のかなたの曲も 2010年に書かれた「猫の歌」も永遠の“いま”を語る
このアルバムの録音から発売までの間に世の中は大きく変わった
“うたいながら あゆみゆく”
この歌のようにゆるやかに進んでいけますように2011年春 波多野睦美
〈Chiaroscuro〉
ECMレーベルのもの。
先にYouTubeで紹介したものだったが、他の曲も聴きたくて買った。
バリトンギターのRalph Towner、そしてトランペット、フリューゲルフォーンのPaolo Fresu。
バリトンギターはトランペット、フリューゲルフォーンの演奏を支えるリズム楽器に留まらず、時に艶やかな響きでメロディーを朗々と奏でる。すばらしいセッション。
いかにもECMらしい知的でリリカルな演奏。
購入後、何度も何度もリフレーンさせ鳴らしている。

kokoniikimasita
2012-8-30(木) 23:08
猫の、ちろん、とみてる目がいいですね。
と、ジャケットばなり褒めてもおこられるか。。。
ユーカリ、もいいです。
民衆に訴えるもいいです。
artisan
2012-8-31(金) 12:29
>ちろん
ですね。kokoniさんの“やぶにらみ”と共通する眼差しかも(笑)
ユーカリ、とても良いです。
国内でも多くの歌手が取り上げていますが、波多野睦美 + 高橋悠治 は格別かも。
民衆に訴える、は、オーストリア帝国・19世紀初頭の歴史、
国内情勢がよく分からないので困ります。
ベルリン時代の悠治さんは音楽だけでは無く、
欧州にまるごと洗礼を受ける感じだったでしょうから、
文献から学ぶボクなどとはまるでベースが違う感じ。
kokoniikimasita
2012-8-30(木) 23:11
猫の、ちろん、と見ている目がいいですね。
と、ジャケットばかり褒めても。おこられるか。。。
ユーカリもいいです。
民衆に訴える、もいいです。