工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

今日も雨

今日もまた雨。
スケジュール調整がままならないまま遅れに遅れていた原木の製材に出掛けたが、ピーカンの天気よりは、製材直後の板にとってはこの方が都合が良いだろう。
しばらく雨ざらしにしておいたせいか、いつも難渋を強いられる皮むきは意外と簡単に終えることができた。ベロッ、ベロッと。
そこにあらわれる真っ白い甘皮からは、やっぱり鼻腔をくすずる甘い香りが立ってくる。甘皮の所以だ。
あちこちから大小のムカデが這い出し、あわてふためく姿は少し気味が悪い。
元が二股になっている形状のブラックウォールナットなど、あまり期待したものでもなかったことが遅れてしまったもう1つの理由。
ポン割りする位置を慎重に見極めたことで、二股の影響を最小に止めることができた。
挽き割ったウォールナットの独特の紫色に製材所の女将は「このまま色が残れば良いのにね」と製材機の轟音に遮られながら大きな声を掛けてくる。
挽き割ることで中の色が顕れるが、みるみるうちに空気に触れ酸化していくことで色は淡くなっていく。
とりあえず桟を入れておいたが、数日後、あらためて木口割れ止めを塗ったり、屋根を掛けたりとやるべきことは多い。
作業を終えて帰る頃には雨も上がり、帰路郵便局に立ち寄って年賀状を買う。
明日は晴れるようだ。

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