工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

今日は電気屋さん

フロアスタンド配線
フロアスタンドだが、先に触れたように照度コントロールスイッチの固定金具の特注制作の納品を待っているところだが、数週間にもわたりそれを待つわけにもいかず組み立てることにする。
その前に配線作業をしておかねばならない。
1,600mmの長さを持つ柱、左右の柱を繋ぐ貫などに電源コードを埋め込まねばならないからね。
それぞれの部品に配線を施し、このそれぞれの端子を接続しながら木部全体を組み上げていく。
メッセンジャーケーブルをあらかじめ貫通させておき、木部完成後に本来の配線作業を行うという手法もあるが、これは木部の接合部の加工が複雑になるのでしない。
電気配線に必要な様々な圧着端子、接続端子なども最近では比較的簡単に入手できるようになっているので、何らプロと変わりのない完全な作業環境で臨めるだろう。
なおボクは若い頃は電力会社に勤務していたことがあるが、こうした電気配線に関わるノウハウは少し理解しているしね。
フロアスタンドこのフロアスタンドは「工芸都市 高岡クラフトコンペ」の入選作。
自分が言うのでは説得性に欠けるが、仕事の品質はレベル以上のものがあるはずだし、デザイン的にも、ちょっと自信作。
ブラックウォールナットの高さのある2本の柱と、下半分のの格子、その上の棚。
そして和紙のシェードという取り合わせ、バランス、端正さ。
ちょっと余談だが、柱の面は1分の切り面を取ってある。格子は5厘の切り面。
こういうところは坊主面ではなく切り面というのが古来から日本の住環境における伝統的な約束事だが、その大きさなどはいつも考え抜く。小さすぎても大きくてもいけない。柱の断面の大きさから必然的に導き出される面の大きさというものがある。
これを無視すると、途端に端正さが失われる。

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  • 照明器具というのは家具のひとつのアイテムとして
    魅力を感じているのですが、このような電気器具を個人が作ることに
    対する法律的な規制が気になることがあります。
    さらに、発熱などによる不具合や火災など、個人では十分な検証は
    難しい面もありますし、製造者としてはPL法などの責任の対象となると
    思うことがあります。
    自分で特に勉強した訳ではないのですがartisanさんはその辺をどのように
    クリアされていますか?

  • acanthogobiusさん、
    これは一昨年、中古の電気製品でずいぶんと話題になったPSE(電気用品安全法)の対象になるかどうかという問題ですね。
    あのPSEをめぐる一件の後、経産省もその説明にしどろもどろの状態からとりあえず2年間の経過措置を取ったのでしたが‥‥、
    今回はある大手のカタログ販売会社での限定的取り扱いということもありますが、サンプルを送り対策を取ってもらっています。
    個人作家の一品ものというのは、例えば展示販売をする百貨店でもその解釈は多様なようで、グレーゾーンの領域でもあるようです。
    (照明器具の電気的適合検査というのは絶縁耐性のことですね)
    しかも家具内部、仏壇内部の照明は対象外であるとか、判りにくいところもあるようです。

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