小型のインパクトドライバー TD020DSW
プロの現場では様々な作業に様々な工具が必要となる。
ドライバーというものも金具の取り付けには必須の工具。
ボクがこの世界に入った頃は、まだ電動のドライバードリルというもの一般的ではなかった。
ヤンキーと称される半自動の手押しのドライバーが活躍する時代だった。
これが数年も経たないうちに充電電動ドライバードリルが入ってきて、さらにその数年後には充電インパクトドライバードリルというものが普及に拍車が掛かるというめまぐるしい変貌ぶりだった。
これには言うまでもなく電池のセルの品質が著しく改善されてきたという要因が大きいと考えられるが、現在ではリチウムイオン二次電池というセルが高電圧、高容量、管理がしやすい、などの特徴をもつために急速に普及しつつあるようだ。(ケイタイ、ノート型コンピューターなどへの搭載はよく知られたところ)
それまではニカド電池、ニッケル水素電池などが用いられてきたが、充電タイプ電動工具の世界でも主流はこのリチウムイオン二次電池が占めるようになってきている。
さて、うちでも数種類の充電電動ドライバードリルを使っているが、先頃その中の小型のインパクトドライバーが故障してしまった。
松下電工の「マイハンド 4.8V EZT640」という機種。
これは写真のような小型のものであるが、家具制作では比較的小さな扉を釣り込むという作業が欠かせないが、こうした時にはこの小型のインパクトドライバーというものが良い働きをしてくれる。
扉を片手で支え、もう一方の手で丁番を所定の位置に止めるべく木ねじを慎重にねじ込まなければならないので、軽くて、かつ小さな木ねじの頭の切れ込みをなめることなく、確実にねじ込む必要がある。
したがってこうした作業を支援してくれる小型のインパクトドライバーは必需品ということになる。
この「EZT640」はこうした要求に応えてくれこれまでよく働いてくれた。
しかし突然壊れてしまった。SWが入らなくなってしまった。
電機は少し判るので、内部にアクセスしたが、どうもこのSWそのものが劣化故障しているようで手に負えなかった。
メーカーへと修理へ出したのだが、結果、その見積額を聞いて修理を断念することになった。確か1万円を切るほどの価格で入手したものであったが、6,500円掛かるとのこと。
結局修理はあきらめた。注1
新たに求めたのがマキタの「ペンインパクトドライバ」というもの。
店舗で実機を手に取り試してみたところ、
- パワーはこれまでのものと、ほぼ同じ。注2
- 使い勝手はむしろこれまでのものよりやや使いづらい。
- バッテリーはリチームイオンなので、信頼は高い。
- 価格はやや高い。
といったところで、かなり悩んだが結局マキタにしてしまった(少し後悔しているかな)。
ポイントはやはり使い勝手である。同じピストル型であるが、マキタはモーター内蔵部筒胴が長すぎ、SWもコントロールしにくい。(人間工学的に洗練されていない)
あえてマキタ決断のインセンティヴを挙げればやはりバッテリーだろうか。
稼働率など非常に少ないものだし、その意味ではバッテリーなどさほどのもんだいではないはずで、使い勝手の方を選択の基準にすべきだったかも。
いまさら後悔しても仕方がない。使い勝手も“慣れ”で補おう。
もう1つ。
この機種は立派なアルミケースも付いてくるのだが、屋内作業をもっぱらとするボク達には不要だ。かなりのコストが掛かっているだろうから、これは添付させない販売方式、価格帯も考慮されたいところだ。
筺なんてダンボールで十分。
■ 注1
この決断は今もって良かったかどうか判断できないでいる。
可能な限り修理しつつとことん使うというのが望ましいと考えたいが、既に購入してから7年経過するし、遅くない時期にまた別の箇所の不具合が出てもおかしくないものであもあったので更新することにしたのだが、こうした思考パターンそのものにも自己嫌悪する。
■ 注2
・最大締付けトルク TD020DSW:20N・m
・最大締付けトルク EZT640:19.6N・m
Top画像の右はマキタのインパクトドライバーTD131DRFX
Tags:マイハンド 4.8V EZT640 | ペンインパクトドライバTD020DS | リチウムイオン
acanthogobius
2007-6-14(木) 12:40
私の場合は無段変速機能が付いていないと、どうも
使いにくいです。
このくらいの重量の機種でそれが付いているものは
見当たらないです。
スイッチなどの形状による機構的な問題なのか、価格上の
問題なのか分かりません。
調べた限りではボッシュのインパクトドライバーGDR10.8V-LIが無段変速付きでは最軽量ですが、それでも1KGあります。
先日、日立のペン型ドライバードリル(インパクト機能は
付いていない)を購入しました。軽いのは良いのですが
無段変速ではないので今一使いにくいです。
artisan
2007-6-14(木) 21:44
acanthogobiusさん、やはり機種選択ではご苦労されているようですね。
>このくらいの重量の機種でそれが付いているものは見当たらないです。
これはこのカテゴリーのものは簡易なものでしかないという位置づけになってしまうからなのでしょうね。
確かに無段変速機能があるというのは木ねじのサイズ、対象とする材種の堅さ、などにおいて有効ですからね。
ボクの場合は、小なれども、やはりインパクト機構というのが必須の条件になります。
なお余談ですが、ご紹介の日立工機のものをWebで確認させていただきましたが、例のガンダムシリーズ、グッドデザイン賞を受賞しているのでビックリ。
審査員がガンダム世代、ということ?
s
2021-4-14(水) 17:21
これはもう電気工事に特化していると言っても良い定番の製品ですから、ストレートにした時に手回しドライバーを回す感覚でスイッチが設計されています。
逆にこれでなければダメという電気工事士は多いですが、私は木工関係から電気もやるようになった人間なのでペンドライバーは旧日立のトリガータイプを愛用しています。
artisan
2021-4-15(木) 00:00
Sさん、コメント感謝であります。
…なるほど、ですね。
実は、このMakita製の充電インパクトドライバー、出入りの電気業者の方に無償で差し上げました。(現在、ミニのインパクトドライバーはBOSCHのピストル型で、普通型?はMakita)
私の判断は間違っていなかったかな?
電気工事の場合、ドライバー同様に手締めでの確認は重要ですからね。(強すぎると、樹脂部分を破綻させちゃう)