子供
ここ数年毎年のように親族の近しい人が亡くなるということが続いている。
決して大きな家族というわけでもないが、世代的にそうしたことを迎える時期ということなのだろう。
今日も法事で神戸の郊外へと出向き、姻族の一員として参列し務めを果たしてきたのだが、こうした席でいつも感じることとして参列者の中に小さな子供がいることの大切さということがある。
今日は来年にも就学しようという年齢の一人の女児がいただけであったが、その無垢の魂が抹香臭い場というものを十分に浄化してくれたようだ。
式次第の過程では事情も理解できるのか、騒ぐこともなく静かにしていてくれたし、それらが終わると普段の生活では会えない多くの親族を前に興奮気味にはしゃぎ回る。
一方で亡くなる生命があれば、また一方では新たな無垢の生命が活気を与える。
そして卑俗なオトナどももこの無垢の生命から、もう少し生きてみようかという未来への啓示に近いものを感じ取り、明日からの日常へと戻っていく。
画像はJR新幹線新神戸駅の上り線ホーム、約30m直下を見下ろすアングル。
子供たちの歓声がバーベキューの臭いとともに漂ってきたので窓越しに覗いたもの。
この駅は神戸郊外の渓流の上に建造されたもののようだ。利用するときはその清流が気になりいつも覗き見るのだが、翌日に大暑を控えた夏休み最初の日曜とあって近くの親子が水遊びへと繰り出したのだろう。
可能であれば数枚のカットをこの子たちに届けてあげたいが残念だがこれは叶わない。
髭彦
2007-7-27(金) 09:59
おはようございます。
写真も文章もとてもいいですね。
常日頃、ぼくも同じことを感じています。
ところで、オススメの欄の、特に下の三つが目に止まりました。
ナッシングス・イン・ヴェイン
ユッスー・ンドゥール
アーツ・アンド・クラフツと日本
デザイン史フォーラム
イサム・ノグチ―宿命の越境者〈上〉
ドウス 昌代
ンドゥールは、20年ほど前にカクラバ・ロビのコンサートを聴いてからアフリカ音楽が気になり始めて知った、ひとりです。
このアルバムは持っていないので、図書館で借りてみます。
『アーツ・アンド・クラフツと日本』
たしかこれは、数年前に関東学院大楽で行われたシンポジウムの記録ですよね。
娘がちょうどアーツ・アンド・クラフツ運動について修論を書いたばかりで、ぼくもジェーン・アダムズについてちょっとした文章を書いたばかりだったので、シンポに二人で参加しました。
イサム・ノグチは大好きなので、この評伝は興奮して読みました。
3年前に、NYロングアイランドの庭園美術館を訪ねる前だったと思います。
図書館でチラシ見つけて胸躍るイサム・ノグチ展木場で開かると
昨夏にロングアイランド訪ねしの高ぶり瞬時甦りたり
改装を終へたるノグチ・ミュージアム三角に建つ町工場跡
刻み彫り磨ける石の空間のノグチの宇宙にわれら漂ふ
(050825日々歌う)
池澤夏樹の二つはまだ読んでいませんが、池澤も好きです。
ゴールドベルクは大好きですが、グールドは苦手で、高橋もまだ聴いていません。
一度聴いてみましょう。
と、ついつい長くなりました。
東京はどうやら梅雨明けの感じで、今日も朝から青空です。
artisan
2007-7-27(金) 22:26
髭彦さん、どのような経路を辿って来られたかは不明ながらもありがたい訪問者で感謝します。
冒頭から赤面するような過分な評価で恐れ入ります。
ほんのさわりだけですが貴Blog拝見させていただきました。
やや年長の方とお見受けしますが、学究の方、あるいは教職の方なのでしょうか。
歌と陰影豊かな写真という印象ですが、少し踏み込むとここで詳述するのは控えますがいくつかのカテゴリーで、共感できるところが多いです。RSSブックマークさせていただきます。いずれまた投稿させていただくことになるでしょう。
『アーツ・アンド・クラフツと日本』については本Blogでも少し触れています。
たまたま書店で見つけた本ですが、意外と国内におけるアーツ・アンド・クラフツ運動に係わる書は少ないですから。〈民藝運動〉については豊富なのですが‥、
>数年前に関東学院大楽で行われたシンポジウムの記録
ちょっとこの書からは不明ですが2001年に横浜と大阪を会場に「アーツ・アンド・クラフツ・セツルメント国際会議」という名称で開催された会議への報告に由来するようです。
お嬢様が関連する修論を書いたと言うことですが、デザイン学科、あるいは社会学学科でしょうか。興味深いですね。
ボクは恥ずかしながらジェーン・アダムズ氏については門外漢ですが、「ハル・ハウス」繋がりのようですね。
なお他のRecommendはこのBlog設置の頃のもので、私的な領域についての記事は他のBlogへと移行させてしまいましたが、忘れ物のようなものです。
高橋悠治のゴルトベルクはぜひ1度。
あ、そういえば今日池澤夏樹氏からのメルマガが届いています「異国の客」ですね。
ここではBlogの性格上業務に関わることが中心になりますが、髭彦さんのような方にも目を留めていただくような陰影豊かな内容の記事を残したいものです。
あらためて訪問とコメントに感謝します。
〈この国が向かう道の1つの選択の日を控えて‥〉
artisan
2007-7-27(金) 22:39
(続き)髭彦さん、イサム・ノグチに関しましてはこのBlogでもモエレ沼公園について2回ほど簡単な紹介をしてきたところで、彼の業績全般に興味があります。中でも石が好きです。
家具職人という生業の身のボクは彼の業績にははるかに及ぶものではありませんが、いくつものインスピレーションと勇気を与えてくれる大きな人物として感謝しているところです。
なお六義園はボクも好きなところで、上京の折に立ち寄ることも多いです。
残念ながら枝垂れ桜の頃ではありませんので、次は是非。
髭彦
2007-7-28(土) 11:22
文字通りのartisanさん、こんにちは。
松本家具で腕を磨かれたそうですね。
ところで、こちらを訪ね当てた経路は、角偉三郎の記事のつながりです。
実は、7月8日にすでにお邪魔しています。
ははは。
今日は拙ブログにもお越しいただき、ありがとうございました。
<2001年に横浜と大阪を会場に「アーツ・アンド・クラフツ・セツルメント国際会議」という名称で開催された会議>の、横浜会場が関東学院大学でした。
娘は、卒論で柳宗悦、修論でCharles Robert Ashbeeを書きました。デザイン史ですね。
今は小さな博物館で学芸員をやっています。
ぼくは学生時代から日本民藝館が好きで、柳宗悦や浅川巧兄弟のことを尊敬しています。
ジェーン・アダムズを国際女性平和運動の創始者として調べていくうちに、ハル・ハウスに行き当たり、アーツ・アンド・クラフツ・セツルメントと交錯したわけです。
アート&クラフトの記事も拝見しました。
ルーシー・リーや光琳、ノグチ、ぼくも大好きなアーティストが次々に。
ルーシー・リーは2度大谷美術館で観ましたが、最初のをご覧になったのですね。
紀尾井にてルーシー・リー(Lucie Rie)の器観ぬ精妙たをやか類見ざりき
素焼きせで釉薬塗りて掻き落とすルーシー・リーのマンガン鉢よ
前回もルーシー・リーをともに観し娘の焼ける掻き落とし見ゆ
(051009日々歌う)
六義園にもいらっしゃるとのこと。
お出かけの際には、ぜひご連絡ください。
お会いできればうれしいですね。
artisan
2007-7-28(土) 23:17
髭彦さん、そうでした「角偉三郎」記事つながりでした。
わずかに数週間前のことを失念する。これは健忘症かあるいはまた痴呆の初期症状か。(?_?) 大変失礼しました。
「アーツ・アンド・クラフツ・セツルメント国際会議」の経緯、お嬢様のことなど、良く分かりました。
アートもミュージックも業務に忙殺され、新たな情報にアクセスするのが困難であることも多いというのが実態ですが、そうした時間を割いても観賞するという立場を取ることが実は本業にも見えざる良い影響を与えるものと自己正当化しつつ出掛けるというのが良いようで‥‥。
髭彦さんと比較的好みの対象も似通っているとすれば、いずこかの会場で偶然同席するかもしれませんね。
コメントありがとうございました。