工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

アーツアンドクラフツはいまだ人気が高い?

昨日同様FWW誌の同じアーツアンドクラフツ関連情報ページに家具様式の人気投票の結果が出ていた。
図はそのままいただくのは著作権問題もありそうなので、つたない自作による。
好みの家具スタイル投票結果
確認していなかったが、FWW誌によるアンケート調査のようだ。
投票総数もわずか794という数であり、編集でも「The poll is an unscientific」とその不十分さを自認しつつ「but, we hope, entertaining」と茶化してもいる。
投票された方々は恐らくはFWWサイトの読者、つまり木工に関わる人々とみなして良いだろうから、当然市場における人気とは異なるものとみなければならない。
ま、しかし一定の指標にはなるのだろうと考えたい。
*米語、不如意のため、間違った解釈があったらゴメンナサイ。


Arts &Craftsが1番というのは個人的には嬉しいし、面はゆい感じすらするのだが、Modernを圧倒する人気があるというのは、やはりHandmadeを旨とする木工家からの投票が多いということを示すものなのか。
次いでShakerがくるのも良く理解できるところだ。
これは単にShakerが米国の家具デザイン史上における定番だからということにとどまらず、明らかにキリスト教文化を背景にした評価と思い入れというものの根強さを見ることが出来るだろう。
新世界、米国の移民と開拓の建国の歴史に育まれた独自の家具様式の歩みが示されていると言っても良いだろう。
43票という少なく無い人気を集めているAsian-Inspiredというものが具体的にどのようなものを指すのかは不明だが、恐らくは日本のTansu、Mizuyaといった伝統的様式であり、また清朝、李朝の伝統的家具などを指すものと考えられる。これは彼らにとっては異文明(≒オリエンタリズムとしての)への“屈折した”憧憬を示すものなのかな。
また「Other」という項目に投票した人では
「Contemporary studio furniture」
「Campaign or military style furniture with solid brass inlay, etc」
「Nouveau retro, a mix between art nouveau, arts and crafts, and a bit of 70s.」
「For sheer efficiency, economy, and ease of transportation, it is hard to beat the furniture at Ikea.」
などと言ったような興味深いコメントもあり、さらにまた
「I for one have no problem with any style of furniture.」
とオリジナルなものを対置させる人も当然のようにいたようだ。
ちょっと分からないのは、
「Campaign or military style」家具様式で「ミリタリースタイル」というのは何なんだ。
米国において「70s」70年代の様式とはどのようなものだったのか。
またイケアは米国においての展開も華々しいことを伺わせるコメントもある。
ところで、What’s your favorite furniture style?

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