工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

デスクをデザインする


デスクとは言っても様々なスタイルがあるだろうが、ボクもこれまで数多くのデザインで制作してきた。

今回はマホガニーを用いてのものということもあり、様式的なスタイルをベースとしたが、しかしそのままじゃつまらないから、これを換骨奪胎し、モダンなスタイルを試みた(つもり、たぶん)。

デザインの新奇性だけではなく、構造的、仕口的にも新たな試みをしたが、想像以上に困難を強いられることになってしまった。

苦労をこんなところで晒してみても詮ないことだろうから、その部分は自分のノートに書き残すことにしよう。

抽斗はまだこれからなので、全体が仕上がってからしっかりと撮影し、また紹介できれば良いだろう。

マホガニー 三題

矧ぎ口

TOP画像はマホガニーで甲板を作る工程、矧ぎのための準備だ。
デスクの甲板なので700mmほどの幅を穫るが、今回はぜいたくに2枚矧ぎでの構成。

この矧ぎ口の精度を確認しているところだ。
矧ぎは、その接合部の密着度がとても大切であることは言うまでも無いが、この加工プロセスには大きく2つの方法がある。

ジョインター(手押し鉋盤)で作る(削る)方法、そして手鉋(長台鉋)で作る方法。
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BESSEY〈Auto-Adjust Toggle clamp〉

BESSEY®の新しいトグルクランプについては昨年11月の名古屋国際機械展で現物を確認し、ぜひ導入したいと考えていた。

それらの仕様については、この前回の紹介記事(こちら)に譲るが、現場で使ってみての感想を記しておこう。
一言で言えば、機構的にとても良く考えられ、またクランプにおいてはTopメーカーだけのことはあり、信頼性の高いものと見た。

先に紹介した通り、これまでは咥える被加工物の高さへの対応は、トグルヘッド部分の高さをいちいち適切な位置に調整しなくてはならなかったわけだが、これがかなりの範囲において調整不用となっている。
これが最大のウリであり、事実、その利便性はとても高いものがある。
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7.29 脱原発国会大包囲 – 空撮

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=Qd3HZHXDx3A&feature=player_embedded[/youtube]
【7.29 脱原発キャンドルチェーン国会大包囲 – 空撮】
・ビデオ撮影 綿井健陽(ビデオジャーナリスト/JVJA)
・写真撮影  広河隆一(フォトジャーナリスト/DAYS JAPAN 編集長)
・リポート  白石草(OurPlanetTV

実に美しい映像だ。
人々の怒りと麗しい心の集積が作り上げている奇跡の空間。

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五輪の暑い夏


昨深夜の日本列島、歓喜の声がとどろき渡ったはず。

英国グラスゴー、ハムデン・パークでの男子サッカー1次リーグの試合。
W杯チャンピオンスペインを相手に互角に渡り合い(ボール支配率は35%だったが)、最小得点差ながらも若き日本の雄士たちは勝利を収めてしまった。(AFP BB News

下馬評をことごとくけちらし、サッカー史に新たな1ページを書き加えたというべきか。
ロンドン五輪、開会式前の序盤戦で女子サッカーの対カナダ戦勝利に次ぐ快挙だ。

明日未明の開会式からいよいよ各会場で熱戦が繰り広げられる。
この炎暑が続く日本列島、加えて間もなく始まる甲子園での高校野球、そしてこの五輪祝祭空間でいよいよヒートアップしていく。

スポーツ祭典のみどころ・英国開催の意味

ロンドン五輪大会の見どころは個々様々だろうと思うが、ボクが注目したいのは、個別競技への関心はともかくも、何よりも近代スポーツの発祥の地がこの英国にあるということにある。
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アリでホゾ

日本における木工技法の体系でホゾにアリを用いるというのは、かなりレアなケースだろう。
日本ではアリは〈寄せる〉という仕口で効用を発揮することに絶大な評価がある。
ホゾにこれを用いるというのはあまり一般的ではなく、用いるとすれば特段の目的、意味がある。

欧米のテキストによれば、キャビネットの棚口の上端にこの手を使うことがよく見られる。

しかし日本では、そうした個所にも、私が信州で教えられ、また他でも同様であることで確信を持っている手法では、他と同様一般的なホゾを施す。
ただし端から緩まないよう、釘(スクリュー釘でればなお良い)や木ねじを揉み込むという方法になるが、こうした手法に較べ、アリのホゾははるかに堅牢で合理的だろうことは疑いない。
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窓用ツインファン

木工職人にとり、日本の夏は過酷だ。
有機物としての木材を扱うことでのややこしさがまずあるよね。
湿潤の大気の中では、木材は膨らみ、やがて反り、まるで人間には服従などすまい、といった風な頑なさだ。

この意地悪を諫めるには、ただ忍耐と、テキトーさが、求められる。

次に、職人の体調の方が問題だ。うちでは2機の大型扇風機を稼働させているが(機械場と手作業場、それぞれ1機)熱風を掻き回しているに過ぎぬ感が強い。
そこで扇風機の設置位置が肝要となる。外気を導入できるよう、開口部を背に向けて設置しよう。

ボクは日本の夏というものは、学校などと同じように社会人も休むに限る、と考える立場だ。
確かに日本よりも暑い国はいくつもあるだろう。しかし、不快指数などとして表される人間へのダメージと言うことからすれば、恐らく日本は最高度にランキングされる国なのではないだろうか。

しかも、加えてポスト3.11下という事情からの省電力対策が求められる。

でも思うのだけど、省電力、真夏のピーク消費電力を抑制させる最大の施策としては、真夏の休業、バカンス休暇の全社会的取得にあるのではと‥‥、ちょっと大胆過ぎる提言かも知れないが、時代はそうした方向へとシフトさせることを求めているようにも思う。
(せめて、うちだけでも試験施行してみようか 笑)
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Twitter

右ウィジェットにTwitterを貼り付けた。

始めて間もない全くのビギナーながら、時折気が向いた時につぶやく。

大流行のSNSのようだが、実はほとんど関心も無くここまできた。
しかしポスト3.11下における情報ツールとして欠かせないということが、最近になって切迫的に感じていた。

いや関心が無かったというのは正しくないかも知れない。
例え関心があったとしても、WebサイトおよびBlog運営にあっぷあっぷの現状からすれば、これ以上Webに関わる情報発信はやるべきでないだろうし、その能力にも欠ける、と考えていたというべきだろう。

だが、既製メディアから伝わってくる情報があまりにも真実からは遠く、耐えられない程までに衰退していることを見せつけられれば、インターネット上で交わされる情報ツールから取得するしかないだろうと思った。
あまりにも悠長で、あまりにも遅い判断のおばかさんだったが、アカウントを取得することにした。

以前、ボクにはTwitterは不向き、とするコメントをくださった方がいたが、本人以上に良く分かっていらっしゃる進言だと思ったし、同意するしか無かった。
しかし、10年前にWebサイトを設置し、7年前にBlogを設置し、多くの方々とのネットワークが作られ、そこに励まされ、厳しい時代をあえぎながらも生きてくることができたように、またTwitterの大海に新たな繋がりを求め、不器用な犬かきのような泳ぎでしか無いけれど、果てしない海に泳ぎだしていこうと思う。

ただまだまだ要領も掴めておらず、システムへの理解も不十分。さらにはTwitterでの文体も模索中。試行錯誤しつつ、皆さんの後をついていきますので、どうぞよろしく !

読者の方々の中にも既にTwitter IDを持っていらっしゃる方も多いと思うので、ぜひフォローさせてください。
@Yuh_artisan

「私らは侮辱の中に生きている」17万人の怒り

(cc) NODA Masaya / JVJA

〈さようなら原発10万人集会〉と銘打った「さようなら原発1,000万人アクション」の一環の集会とデモ。代々木公園には主催者側の当初の想定を大きく上回る17万人が集結し、怒りの声が都心をこだました。

梅雨明けを思わせる炎熱の太陽の下、広大な都心の公園は老若男女、巨万の人々で埋め尽くされた。

昨年9.19明治公園に集結したのが6万人だったが、ほぼ3倍の大増員を数えた(警察発表はそれぞれ、25,000人 → 75,000人と、同様に3倍と相応しているのがおもしろい)。

ボクは友人ら数名と、個人が中心のブロックに参加し、気炎を上げ、再稼働への抗議をたたきつけた。
デモは整然と執り行われ、ショッピングで賑わう原宿の若い人々にも歓迎の声で返されるなど、大いに盛り上がり、明治公園までの約3kmを歩き抜いた。
手に手に手作りのプラカードを空高く掲げ、あらんかぎりの声で「再稼働反対 ! 」「原発いらない ! 」と唱和された。
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