工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

今日の工房から

嵌め合わせ
昨日から製作開始した【花台】の加工をしてる。
夏の個展での受注品。
■材種:ブラックウォールナット
■寸法:500w 400d 870h
デザインは、発注者が展示会場に展示されていた「フロアスタンド」の脚部を気に入って頂いての注文なので、これをベースに少しアレンジしただけのもの。
写真は加工途上のもの(こんなん、ごく当たり前のありふれた仕口だが、関係者以外から見ればオモシロイかなと思い、撮影)。
【パーツの説明】
3が柱(2本)、2が横の畳摺り、1は2に交差する畳摺り
【仕口の説明】
・1+2+3と、同一個所に3つの部品がそれぞれ重ね合わされるところなので、なかなか要(かなめ)の部分だね。
・まず1と2を「相欠き(あいかき)」と言われる直交するところに用いられるごく一般的な仕口で嵌め合わせる。
・次にこの交差された二つの部品の垂直上から3の柱が嵌め合わさる。
ただこれだけ。おわり。
と説明すれば、身も蓋もないですな。

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Apple社アフリエイトと iPod nano

ipodnano_600-120.jpgこれまでも「amazon」のアフリエイトプログラムを使用していたが、今日はちょっとLinkShareと契約してApple社のアフリエイトを取り込む作業をした。
商品、バナーなどに気にかかるものがあれば、クリックしてください。
商品の詳細紹介、購入のページへとジャンプします。
ついでにGoogleの検索バナーも置いた。活用ください。
(今ではIEもSafariもFirefoxもツールバーにデフォルトでGoogle検索ボックスがあるようですので、あまり意味無いかな?)
なお、Blogサイト内検索は「Search this site」ボックスから行ってください。
昨日は病床の兄を見舞ったところ、Apple iPod nanoを早くも楽しんでいた。
いや〜、小さいね。Webサイト、新聞広告などで何度も見せつけられていたものの、実際に手に取ってみてはじめてそのサイズの小型化に驚いた。「信じられないほど小さい」というフレーズは決して大げさではなかった。
息子が買い与えたものなのだが、音楽データの取り込みはクラッシクファンの弟がやったようだ。
「モーツアルトは癒される…」などと普段演歌ぐらいしか聴かない兄が云うものだから卒倒するところだった(大病すると好みも変わるのか?)。

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雨の十三夜

月今日は「十三夜」の月見なのですが、残念ながら当地は夕刻前から雨が降り出しちゃった。
本来「十五夜」の頃に較べれば、この時期ですので「十三夜に曇り無し」という謂われもあるのだけど、今年はハズレだ。
今日は朝から個人客への納品。
従兄弟の新築にともない、座卓の受注を受けていたのだ。
数年に1度ぐらい、こうした親戚筋からの受注があるが、概して価格設定では悩ましいことが多い。
発注する側からすれば「従兄弟だから(兄弟だから)、安くやってもらえるだろう」といったニュアンスで迫ってくることが多いものだ。
しかしボクはこれは間違った考えだろうと思うから、彼らの意に添うことを前提とはしない。
逆だよ ! 、一品生産のもの作りで、如何に生産性が悪いか分かっているだろうに、親戚であればこそ支援の意味を込めて奮発してくれなきゃ困る(笑)

実りの季節と若者考

実り
秋も深まり、裏庭の柿も色づいてきている。
昨年は裏年でほとんど収穫できなかったが、今年は鈴なりだ。
一見甘柿のような形状の実だが、実はなりそこないの甘柿、つまり渋が強く残ってしまう品種なので、つるし柿で楽しむことになる。
一方のカラスウリは灌木に寄生するように巻き付いていて、薄い橙色から真紅に近い色まで目を楽しませてくれる。中にはまだ全く色づかないものもあったりで、にぎやかだ。
今朝はある木工専門学校の生徒から電話が入る。たどたどしい話しぶりで工房訪問したいという。
ハイ、良いですよ、とは簡単に返答できない。
いきなりスケジュールして欲しいと云われても困る。
まず訪問の目的、何故に拙房を訪問したいのか、自身の紹介などといった基本的要件を伝えていた頂けなければ応えようがない。
昔であれば手紙の1通も寄こすところだろうが、最近はメール1本、電話1本で依頼が飛び込んでくる時代だ。
形式張ったことは嫌いだが、人との関係を取り結ぶためには、まずはお互いに敬意を示した上での依頼ごとであろう。
中には近くまで来ていて、そこから携帯電話でいきなりこれからお邪魔させていただきます、なんて云うのもあるから困惑するばかりだ。
いずれも何らの紹介も、アポイントも無い人からなのだが。
今という時代、あらゆるものが簡便になり、人と人の関係さえも簡便に、浮薄に、浅く、なりつつあるのだろうか。
しかし残念ながらそうした世相に身を任せるような人には職人などという絶滅危惧種のような職能を身につけることは困難かも知れない。
まぁ、良いんだけどね。今という時代、職人なんてあまり求められてはいないのだろうしね…
木工界は熱意のある、才能豊かな若者をいつも求めている。
もの作りという生業が困難な時代、あえて信念を持って立ち向かい、切り開いていこうとする若者はまばゆいばかりに美しいとさえ思う。
ボクなどは30も半ばからのスタートだったということもあり、若くして挑んでくる人には叶う限り1人前の木工職人への道筋を与えてあげたいと思う。

「Watch your music」ビデオ iPod 登場

Wyton Marsalis 3
噂は本当だった。
Apple Computerは昨日、カリフォルニア、サンノゼでの報道陣向け特別イベントで、ビデオiPod の発表を行った。
30GBと60GBの2種。2.5″の液晶カラースクリーンを搭載してきたが、外形サイズには変更がない。ただ厚みの方はより薄くなっている。
60GBでは150時間ものビデオを保存できるという。
価格はそれぞれ同容量を持つ現行機種と同じ。
Mac本体ではiMac G5の新型が発表された。
iSight(ビデオカメラ)内蔵になっているのが大きな特徴か。これを使ってiChatでのTV会議をどうぞ、ということだそうだ。
他多くのスペックが更新。またワイヤレスで、iTunes、DVD再生などをコントロールできるリモコン(新発売)にも対応。大きく進化したようだ。
ボクは旧〜い、iPodで楽しんでいるが(もっぱら車載ミュージックセンターとして、ですがね。参照)果たして更新へ向け、イケナイ、テクノロジー物欲を刺激するだろうか。
こんな2.5″などというモニターでビデオ再生などする時空環境などボクには無いしねぇ。
ただ、デジカメのデータ保存としてはこの上なく有効だろうし、また「青空文庫」などの電子本のデバイズとしてはかなり使い勝手も良いと思われ、こちらでの用途は大いに可能性を感じる。
さてところでこの革新的デバイスの登場は社会的にどのような意味を持つのか。

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ネストテーブル

ネストテーブルパース昨夜から小雨の当地。富士山では初冠雪の報。
今年からは山頂測候所が無人になっているが初冠雪の定義は下界からの視観測によるものだという。
例年より10日ほど遅いそうだ。
工場では「ネストテーブル」が完成。
いくつか写真を含めご紹介。
この「ネストテーブル」の”ネスト”という語彙は元々「入れ子状のもの」という意味があるが、一般に大小3台の同型のテーブルを入れ子上に組み合わせたものを指す。効率的な収納が可能だ。
【構 成】
無垢の天板の両脇に吸い付き桟を咬ませ、ここにH型の貫で接合された脚部をホゾ差し。それぞれ畳摺りをホゾ差しする、という簡明なものだ。(Top写真 参照)

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今日は日記風に

世間は連休ということなので、起床をやや遅らせるつもりが、秋祭りのお囃子で起こされる。
食後、工場に入り午前中だけ仕事。
一昨日までに塗装を終え、今週末に納める「座卓」の梱包と搬送の準備。
オイルフィニッシュの場合乾燥に時間が掛かるので、塗装後かなりの時間を置かねば梱包が出来ない。
並行して進めてきた「ネストテーブル」製作も、塗装と組み立てを残すだけ。
通常は全て組上ってからの塗装になるが、今回は9割方塗装も終えてからの組み立てだ。
今回は5セット、計15台の小テーブルというボリュームがあり、組み上げてしまうと塗装工程が難しくなるため、あらかじめ最終の組み立て工程を残しての塗装というイレギュラーな手法だ。
組み立てとは言っても残る工程はほぞ2個所を指して、プレスに掛けるだけ(キズが付かない工程)。
全て組み上げてから、最終チェックを行い、問題が無ければテーブルトップのみを最終的に塗装を加える。

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五十肩

木工業の労災はといえば、1に怪我、2に呼吸器疾患、3に貧乏、4に筋肉疲労、と言ったところ(?)。ボクは全てに罹患。(3を除けば既に克服)
さて、昨日整形外科で診療していただいた。
このところ右肩に痛みがある。朝の起きぬきに症状が出る程度で軽傷なのだが、一度原因を突き止めておきたかっただけなのだ。(家人に言わせれば「どうせ五十肩でしょう」とまともに取り合ってくれないのだが)
数年前に近隣で開業したばかりの整形外科の医院に初めて訪ねたのだったが、ここのドクター、ほぼボクと同年代。すこぶる付きの、良いドクターだったのだ。
適切な問診、所謂インフォームド・コンセントに基づいた説明と同意。
診断の結果としては、レントゲンからの所見、触診などから、肩の関節を取り巻く腱、筋などが裂傷を起こしているのだろう(いわゆる五十肩)、とのこと。
要するに、仕事柄肩に過剰な負担がる掛かってくることからの症状だ。
ドクター曰く「あなたのような仕事を長年続ければ40代で発症するのが多い(ムム…、あんたは若い、と言いたいの? (^_^)v )」
騒がねばならないほどの症状ではなかったわけだが、しかし一連の解説と診断は実に的確で、これまで多くのドクターと対面し診察してもらってきたが、最良のドクターと思えるような出会いだった。
ちょっと困るのは、軽度な症状で通院してしまう誘惑と戦わねばならないことだろうか。……もう、悪化しない限り来なくても良いという。
あまりの丁寧な診察で、会計が不安だったが、1,800円也。
(初診料+レントゲン撮影2枚+α=1,800円)?(ボクは国保で3割負担)
今回は生き死に関わるような患部ではなかったのだが、
少子高齢化の今後の医療態勢を考えたとき、如何に身近に適切な医療を施してくれる町医者を確保し、このドクターとの良質な関係を結び合うことが予防医療を考えるに当たっても重要なこと。

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蕎麦はまだ 花でもてなす 山路哉

蕎麦の花
タイトルは芭蕉の句。
蕎麦の産地は信州、北関東、と相場は決まっていると思っていたら、山路ならぬ自宅から数百mのところで栽培していた。
1月ほど前に気づいていたのだが、花のきれいな時期は既に終わり、ところどころあの特有の三角錐の形状をした実を結びつつあった。写真もしたがって白さが薄い。
蕎麦の花2この畑は蕎麦体験教室という蕎麦打ち愛好家のためのもののようだ。
知人の数人が蕎麦打ちをかなり本格的に学び、また楽しんでいるようで、ちょっとした大人の趣味として人気があるようだ。
だが、ボクはしない。したいとは思うけど時間的余裕、他、事情が許さない。(Pizzaは打ちますが…)
近隣に2軒、贔屓にしている蕎麦屋があり、時間と懐の余裕がある時に食べに出るが、ボクが貧乏していることを知ってか知らずか、いつも盛りを多めにしてくれたり、デザート(蕎麦饅頭)を出してくれたりするので、控えめに出掛けることとしている。

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20世紀陶芸界の鬼才 加守田章二展

加守田章二展
陶芸家、加守田章二が49才で亡くなって22年。白血病での夭逝だ。生きていれば72か。
現代陶芸を代表する作家の一人だが、ボクは晩年の華やかな加飾の器を思い浮かべてしまうが、今回180点もの展示作品の中にあって、前半の益子時代、「高村光太郎賞受賞」以前の須恵器風、あるいは灰釉のものに目を奪われてしまった。
中には釉薬を掛け本焼きしたものを、あえて剥ぎ落とし、素焼き部分を露わにしたもの(壺1967)などに魅せる風情にも見入ってしまった。
もとより個展ごとに様々な華やかな作風を見せる独創性豊かな世界にはただただ圧倒されるばかりだが、これもしかし前述の益子時代の須恵器の研究、灰釉などに見せる基礎的な技法をしっかりと確立していた人ゆえのものであったことを感じさせられた。
加守田章二全仕事
加守田章二全仕事
表層の装飾の華やかさというものが、ディテールの精緻な技法と釉薬の重層的なアンサンブルの結果であると同時に、実は全体のフォルムの造形美と一体的に構想されていることではじめて成立しているのだと言うことに気づかされた。
全体のフォルム+精緻なディテール。これが有機的に結合している。
晩年の作風に至る1970年頃の「曲線彫文壺」シリーズにはこれを意識的に表現したものだろうと思うが、晩年のいわゆる彩陶といわれる作風にはそうした意識をむしろ後景に退け、より洗練された芸術として花開かせたものと思わされた。
あまりにも早すぎる病死であったが、もしその後に陶芸活動をしていたとするならば、どのような作風を確立したか見てみたいと、ファンならず慨嘆してしまう。

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