工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

iPhoneがやってきて2週間

2週間経たとはいえ、実質電源を入れた状態は30時間ほどか。
iPhoneのデータ通信上のの契約条件は使い放題なのでもっと使ってやりたい。
のであるが、生活のスタイルからその必要性は無く、外出する時だけで十分。
そんなわけで以下に記す使用感は短時日に感じた極私的なものでしかないことをあらかじめお断りしておく。
まず冒頭に言っておいた方がよいと思うのは、手に入れてしまったけれど間違いだった、ということは全くなく、正しい選択であったということ。
確かにキャリア・SoftBankからの請求はこれからであり負担感に囚われるのは先のこと、少々割り引いての感想として受け止めた方が良いかも知れない。
さて、どうして正しい選択であったかということであるが、実はこれまでのケータイ、auのインフォバー(深澤直人氏のデザインによる)は、決して積極的に使おうというものではなく、外出時の緊急連絡用のようなものでしかなかったことに比し、この iPhoneは、持っていればいつも何かしら操作していたくなるような魔力を秘めていることに気付いたと言えば理解していただけるだろうか。
いくつか列記してみよう。

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顧客から教えられること

ソファ&センターテーブル
家具つくりの仕事というものは制作依頼があってから、制作し終わり、納品するまでの一連の工程を指すものと考えられるし、確かに消費財として位置づけられるものであればそのような捉え方も決して間違いではないかも知れない。
今日は以前より新居の調度品を作らせていただいているI邸への第2期の納品。
リビングのソファ、およびセンターテーブル、そして日本間の座卓など。
I邸主婦からは過分な評価を受け大層喜んでいただけたが、制作者への信頼を元に様々な調度品をこのように使っていただくと言うことは、当然にも制作者の責任というものがそこに発生する。
家具調度品というものは耐久消費財としてカテゴライズされるものだが、いわばこれが置かれた住宅とともに、ご家族の皆の住まう生活の中に入り込み、何某かの波紋をもたらし、あるいは異化し、生き方におけるクォリティーにも関わる影響を与えるものとなることもあるだろう。
そうであればやはりこのカスタマー(顧客)と制作者の関係というものもそこで使われ続ける家具の生命とともに継続するということにもなるだろう。
これが単一の家具に留まらず、主たる部分を専有することにもなればなおさらのこと。
搬入設置し、梱包材などの片付けを終え、自家栽培のスイカとトマトジュースでもてなしを受けながら、流した汗を納めつつの歓談の中での家具への慈しみを語るI邸主婦の言葉を受けている時、ふと上のような思いが脳裏をよぎり、身体を硬くしてしまうのだった。
ソファ

楢座卓

楢座卓
先にDomino活用・ホゾ埋め込みでの送り寄せ蟻の記事を上げたが、その座卓も仕上がり、本日発送した。
あまり時間的余裕もないために撮影も工房内での簡易なものとなってしまった。
雑然とした工房内、作業台上での撮影。
この座卓のデザインはボクが古くからやっているものだが、自身ではいまだにやっているところからすれば気に入ってるからか。
今回は3種のデザインスケッチをした中で、顧客が選んだのがこれだった。
古くから、ということで例証をあげれば、
例えばこちらの「拭漆楢食卓」
あるいは「楢拭漆小卓」
端正で外連味のないものだし、やぼったくなく、美しいと思っている(こういうのを自画自賛と言うのだろうか)
やや難易度の高い技法も取り入れてはいるが、シンプルで平明なところが良いと思うが如何だろうか。
明日は西へと走り、これとは別のいくつかの家具を納品。
それが終われば、また大きな仕事へと取りかかる。
真夏の工房作業は肉体的にはハードなものとなるが、何故かボクはあまり夏やせすることもなく、活力充実して送ることが出来るのでありがたい。
今日もTシャツを4度着替えるほどのものだったが、熱いお茶に、スイカ、そして食卓には冷えたビールと良質なタンパク質を摂取し、秋に備えようと思う。

大暑の中での機械探し

今日は朝からピーカンの空。早朝から車を走らせたが、7時の時点で外気温は27度を示し、所用を済ませた9時過ぎの帰路では早くも32度を超えていた。
今日22日は二十四節気の大暑だそうだ。
つまりしたがって次の二十四節気は立秋ということだね。
またそれまでの間を大暑と言っても良いのだろう。(立秋は8月7日だ)
あらためて、皆さま
   暑中お見舞い申し上げます !
    兎も 片耳垂るる 大暑かな    芥川龍之介

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夏は外での作業もいいかも

今朝は幾分凌ぎやすい曇天で始まったので助かった。
土場で桟積みをバラしての材料出しの作業だからね。
倉庫に収めたものでは飽きたらず、3年前に桟積みしたブラックウォールナットを引きずり出す。
含水率計を当てると、まずまずの数値を示してくれる。
候補の1.3、1.5、1.8分をそれぞれ数枚づつ。
60cm、3mを越える大きな原木からのもの。
2枚剥ぎで3尺〜幅の甲板が取れる勘定だ。
過去様々な材種の原木を製材し、天然乾燥させて使ってきたが、ウォールナットほどお守りの楽な材種はない。
暴れず、反らず、静かに第2の人生(家具材として使われる)へのスタートを準備してくれている。
もちろん若い小径木であれば、ウォールナットとは言え暴れもするだろうが、老齢で枯れた木味のものは落ち着いている。

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家具職人・藤井了という生き方(TV放送)

先にお知らせしてあった、元親方へのTV番組取材がいよいよ放送されることになったのでご案内しよう。
「発見 ! 人間力」
このサイトは「テレビ朝日」であるが、番組企画は「 (財)民間放送教育協会」というところのもので、文科省の肝いりで、社会教育・教養番組を、加盟社の共同企画・制作によって全国放送するものとなっている。
今回は地元「静岡放送」のクルーによる取材だったようだ。
全国放送も系列関係なく、各地域1局が放送することになっている。
放送スケジュールもしたがってまちまちなので、サイトを確認していただこう(こちら
さて、元親方・藤井了さんへの取材は「俺は不屈の家具職人」とタイトルされているように、如何にも家具職人らしい一面を切り取った内容となっているようだ。
ボクが世話になったのは1年足らずであったので必ずしも彼の全貌を知るものではないが、その後も何かと交流もありその飾らないキャラクター、多様な作風、優れた技量などは敬服している。
ボクの今があるのも、藤井さんからの鍛錬があったればこそである。
確かに今のボクの木工の在り方と、師匠藤井さんの生き方はかなり位相において異なるかも知れないが、ボクが備える木工加工技法の体系、あるいは職人的生き方への羨望に近い“思い”というものは、藤井さんの背中を見続けてきたことからのものであることは隠す必要もないだろう。
恐らくはボクは弟子としては出来の悪い者だったろう。
しかし彼が横浜クラシック家具制作の系譜を身をもって伝えてくれたことは、またボクの中で咀嚼され、別の形ではあれ再現していくことになる。
そして、今の彼の年齢まで元気に意志を貫き通すことで、恩義に報いることができるかもしれない。
取材には弟子のボクも呼んでくれるのかと待っていたら、男はいいから、若い女性職人を呼んだよ、だって‥‥。
ボクはこの辺りのことについては、残念ながら学ぶ機会がなかった。
梅雨が開けた昨19日は当地も猛烈な暑さに見舞われた。
それまでもどちらかと言えば空梅雨ぎみで、真夏のような暑さとぼやいていたが、さすがにと言うべきか、梅雨明け後の暑さはひとしお。
取材中は、大物制作でかなりお疲れの様子であったが、食事と睡眠、そして田舎の温泉で体力回復されて、また元気に励んでくれることだろう。
職人 万歳 !

これは何? (Domino活用)

?
Dominoは半ば死蔵状態に置かれてしまっている。
丸鋸昇降盤+角ノミ盤で高精度、スピーディーに枘を作る態勢にあれば、通常ではあえてDominoの登場を待たなくとも良いからね。
しかし何とか活用の場面を作らねばということで、Top画像のようなもので使うことにした。
何だろうね、これは。

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クマゼミ脱皮の季節

クマゼミ脱皮

うっかり見落としていたようだが、うちの庭では今年もクマゼミが脱皮を始めている。
今朝、ゴミ出しに出ようと何気なしに庭に目をやると、百合の茎に異物がくっついている。3つも。セミの抜け殻だった。
そのうちの1つには今朝羽化したばかりと思われるクマゼミの姿があった。
静かに取って返し、押っ取り刀でカメラを担いで撮影。
ちょっと位置関係が悪く、撮影は昨年のようには決まらなかった(昨年07/19)。
この脱皮したばかりの蝉くん。1時間後に確認に出ると既にその姿はなかった、無事に大空へと飛翔していったのだろう。良い相手が見つかれば良いのだが。
ところでこのクマゼミ、昨年のエントリでは環境変化という側面から考えてみたが、昨今問題になっているのが街中での光ケーブルの障害というものがあるそうだ。NTT西日本では年間1,000件も報告されているというから深刻な話しではある。
光ケーブルを枯れ枝と間違えて産卵してしまい、絶縁不良になったり、断線したりするのだという。
鋭利な産卵管が塩化ビニールの被覆を深々と破るのだというから、その生殖へのエネルギーたるやすごいものだ。
*過去記事
今朝のセミの脱皮/a>
セミの脱皮と環境変化

炎天下のハードな作業はほどほどに

マホガニー
うちの業務は基本的には個人のお客さまからの注文を主体として展開してるので、比較的スケジュールの組み方はタイトなものではない。
良質なものを制作するにはスケジュールに追われていたのでは満足できる品質ではかなえられないこともある。
起業したばかりのバブルの頃は若かったこともあるが連日半徹夜での作業に追われたもの。
ただ仲介者もボクの仕事の本質を理解してくれていたので、あまり付加価値の低いものは紹介するでもなく、比較的めぐまれた環境ではあったのでなかなか充実した仕事をさせていただいたと思う。
おかげで毎月のように原木を競り落とすことも出来たし、機械設備の整備も進んだ。
時は移って、現在は景気は思わしくないとはいえ、全てが自身のオリジナルなもので勝負できるので、その点においてはたいへんありがたい。
そうであれば少しはタイトなスケジュールでも応えてやらねばならないかな。
そんなわけで今日はあわただしく倉庫の1番奥に仕舞い込んであったお宝のマホガニーを取り出す作業からスタートしたが、狭い倉庫にぎしぎしに詰め込んであるのでフォークリフトでえっちらおっちら、2/3ほどもの在庫を整理しながらの作業。
こんなに材木持ってどうするのですか、とは若いスタッフのぼやき。
空にはぎらつく太陽。炎天下の力作業はあかん。
ばてばてやわ。
でもやっと久しぶりのマホガニーとの再会。
9.5フィート、3〜4インチ板
サンプルの手板を作るために削ってみたが、例の如くゴマが導管から出てくるのを確かめ、ふむ、なかなか良い木味だとばかり一人ほくそ笑む。

夏の京都

東寺
京都の7月は祇園祭
しかも今日15日は宵宮祭
祇園祭りは八坂神社
八坂神社には鍵善良房
鍵善良房では葛切り
葛切りは黒田辰秋御大による螺鈿の器
そして帳場の大きな飾棚
と、やってきたのは良いのだが、今日はせっかくの祇園の宵山にも立ち会うことなくとって返さねばならないあわただしさ。
往復700Km近い日帰り行。
とはいうものの、古刹の伽藍をただ走り抜けるだけではあまりにも殺生。
東寺の講堂、五重塔を間近から仰ぎ見るのは久方ぶりのこと。
そこからさらに河原町から祇園へ。
車を八坂神社脇の市営駐車場に留め置き、鍵善良房へ。

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