工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

“手作り家具”と機械設備(その13)

機械設備と電動工具の差異および選択基準(その2)

前回に続いて〈木取り〉の続き

帯ノコ(バンドソー)は丸鋸昇降盤では過負荷な厚板、あるいは曲面成形を目的とした木取りにその能力を発揮するので、そうした家具を制作する工房では整備されているものと思われる。
ここでは帯ノコの解説はしないが、基本は適切な刃の選択と、セリーの調整に全てが凝縮されるということだけ触れておこう。

一方これに対し、電動工具ではジグソーというものがある。
これも手軽に荒木取りに使える工具だ。
切削能力は厚みで50mmほどが限界か。
BOSCHの専用刃はなかなか切れ味も良いのでそれなりに木取りにも使えると思われるが、ただやはり機構上の制約から切削スピードはとても遅く、また直線性においてこのジグソーに求めるのは精度の点において無理があるだろう。
やはり曲面切削に特化させた使い方になる。
なお、この種の切削ではバリが大きく出てしまうので、機種によってはバリ押さえのアタッチメントがあると思うので、これを取り付けての作業を心掛けるべきだろう。

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人間ドック

白梅
今日は予約を入れておいた市民総合病院での検査日。
人生はじめて「人間ドック」なるものを受診。
既往症として「呼吸器疾患」(喘息だね)があり、定期的に受診しているので、いわゆる一病息災という奴で、他の疾患の早期発見へのアンテナは張っているつもりだったが、父の若くしての死去、昨年の兄の病死などを目の当たりにしてやや警戒心がもたげたという訳だ。
しかし何だね、この「人間ドック」受診経験のある方も多いと思うけれど、できればもう2度としたくないと思わされたね。
過酷なのは胃カメラ。ボクは初めてだったがあんな異物を天からの預かり物、この神聖なる身体の中に入れるだなんて、神をも冒涜するような所業ではないのか。
もう2度と嫌だね。 うっ‥ (/_;)
オヤジが死んだときにしか落涙しなかった男が、不覚にも泣けてきたね。
ところが休憩室で次の検査の順番待ちをしている10人ほどの受診者に尋ねてみれば、毎年受けていると言う人も少なくないと言うからこれには本当に驚く。

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“手作り家具”と機械設備(その12)

機械設備と電動工具の差異および選択基準

木材加工では一般に機械と電動工具、それぞれその特性において使い分けられているだろう。
また丸鋸昇降盤、あるいは横切りなどと、丸鋸という電動工具は材木のリッピング(幅割き)クロスカット(切断)において一部同じような能力を持つということで、その選択を迫られるということもある。

ヘビーデューティーのルーターマシーンとハンドルーターも同様のことが言える。
ここではそうした機械と電動工具の使い分け、選択基準について考えてみたい。
まずあらかじめ確認しておきたいことがある。
ここでは職業木工家を対象とし、工房スタイルの家具制作を行うことを前提としたものであり、やや限定的なものとならざるを得ないが、他の環境での木工にも援用することで同様に考えていただけるものと考える。

さて、木工加工のプロセスに準じて取り上げていこうか。

〈木取り〉から。
木取りという工程にはどのような機械が用いられるだろうか。
木取りでの鋸での切断にもクロスカット(繊維を直交する切断)、リッピング(繊維方向での切断)の2つがある。

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立春

東京都内も含め昨日は大雪で交通網を含め大きな影響があったようだが、今日は立春、春がやってきたというわけだ。
東京郊外在住の方からは今日はとても日射しが強く、みるみる積もった雪が溶け出しているとのメールを頂く。
当地も日中はこれまで感じられなかったほどの強い日射し。立春にふさわしい太陽のありがたさを感じる。
数日後(7日)は旧暦の1月1日。つまり新年となる。
しかしまだまだ寒いのに立春とはこれ如何に。
ご存じの方も多いと思うが、立春とは冬至と春分の真ん中(ほぼ)に当たる日を当てる。
これは中国暦の考え方からのもので、また立春のこの時期の新月の日(今年は7日)を年を改め新年として祝ったものだ。(本Blog右メニューの最下部、Moon Fasesを見れば分かるように、あと三日で真っ暗になる)
7日にはもう一度あらためて新年の祝いの杯でも上げてみようか。
今日は『カッコーの巣の上で 』(NHK BS)を観ているので、この辺りで。

本は書店から

オンラインショッピングがごく一般の買い物スタイルになってきているとはいえ、このところ本については極力書店で求めるようにしている。
amazonでも、他のショッピングサイトでも「あなたのお望みの新刊がありますよ」とメール案内してくれるのはありがたいと思う反面、余計なお世話(フン)と感じるだけではなく、それを越えてちょっと怖ろしくさえある。
なかなかリアルな書店では置ききれないレアな本、弱小出版社によるものなどについては仕方なく複数のネット書店で求めるが、一般の書物は地元の書店で買うようにしている。
年々経営困難になっているであろう地域の書店を少しでも継続経営できるように応援したいからね。(そんな些少の購入金額でどれだけ影響力行使できるの?という冷めた見方をする方には理解できないことだろうけど)

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餃子中毒問題という憂鬱

餃子中毒問題はとても悩ましい。
中毒被害の実態は深刻であり、早急な原因究明が求められるが、01/30にアナウンスされて以来被害の方は拡大する一方、原因究明の方はと言えば日を追うごとに難渋を強めているような展開だ。
解明されている事象、専門家の見立てによれば、焦点はどうも事件性になびきつつあるかのようだ。
もちろん、現段階では殺虫剤が混入した原因を想定させるような“証拠”が上がっているわけではないので、安易な決めつけなどできようもなく、食品への毒物混入という緊急事態ではあれ、極力慎重な検証、解明、捜査に注力してもらいたいし、メディアにも節度を守った報道を望みたいと思う。
今日、全国展開しているあるラーメン屋で食事をした。
注文したのは担々麺と餃子。
食べながら思ったね。
このラーメン、餃子に使われている素材にはどれだけ中国からの輸入物が入っているのだろう?と。
現在日本の食料はカロリーベースで60%を輸入に頼っていると言われる。
中国からはその大部を占めているのだろう。
今日のラーメンも麺の原材料の小麦、かん水、ネギなどの野菜、肉エキス、ごま油、ゴマだれ、etc
恐らくはこれらのほとんどが中国由来ではないだろうか。

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“手作り家具”と機械設備(その11)

〈倣い成形加工および面取り成形加工に使われる機械について〉

倣い成形加工および面取り成形加工に使われる機械とは、例えばヘビーデューティーのルーターマシーン、そして縦軸面取り盤などだ。

卑近な事例でうちのケースを俎上に少し考えてみたい。

ルーター&面取り盤ヘビーデューティーの「ルーターマシーン(ピンルーター)」は起業当初より導入していたものだが、これは修行当時に世話になった親方のところでの使用体験から、その木工加工工程においての能力と、利便性というものに大いに触発されたからに他ならない。

信州での修行当時の木工所には確かに設置されていたし、訓練校の機械室にも隅っこの方に置かれてはいた。
しかし残念ながらその活用範囲は狭く、せいぜい面取りであるとか、丁番彫りといった領域に留まるものであった。

しかしルーターマシーンの活用範囲を考えれば、もっと他の領域においてその能力は評価されるべきであることが親方の下で知らしめられるということになった。

その代表的な事例が倣い成形という作業工程だろう。
これは何も家具を量産するためのシステムというのではない。
最小単位である1つの家具部品を作るにしても、ある程度のボリュームを持った部材であれば、その成形加工というものは決して簡単な作業ではない。

一般には被加工材に墨付けし、これをバンドソーなどで挽き抜き、反り台鉋、南京鉋などで成形していくということになるだろうか。

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“手作り家具”と機械設備(その10)

家具工房における機械導入と制作スタイルの問題

機械の導入というものが木工房におよぼす影響について、その本質的なところについてこれまで語ってきたが、これは各々の機械についてはどのようであるか、少し見ていきたい。
木取りに使われる基本的な機械についてはこれまでに幾分掘り下げて言及してきたので、ご理解いただけただろうと思う。
ここでは主要に木材加工に於いてもっとも高頻度に使われる丸鋸昇降盤について少し考え、次に倣い成形加工、および面取り成形加工に使われる幾つかの機械について見ていこうと思う。

〈丸鋸昇降盤〉

何度かこれまでも述べてきたところだが、木材加工工程においてこの丸鋸昇降盤ほど活躍する機械は他に知らない。

量産家具産地である当地・静岡では、工房にこの機械をたった1台設置するだけで仕事に励む職人も少なくない。仕事の内容は家具、木工小物などの加工から組み立てまで、様々。
それだけ汎用性が高く、使い勝手の良い機械と言えるだろう。
幅割き(リッピング)、横挽き(クロスカット)、カッターでの段欠き、小穴突き、成型作業(様々な形状のカッターで)、面取り作業、
制作する対象にもより活用状況は大きく異なるのは言うまでもないが、加工工程の7〜8割をこの機械がこなしてくれる。

*いずれ本稿において「加工工程における機械の選択について」という項を設け、加工工程での機械選択の考え方についても詳しく見ていくつもりだ。

これらの工程は、機械導入以前であれば手鋸、手鑿、作里、際鉋、面取り鉋、などの手道具で行われていたものだ。
動力を用い、どのような細胞組織であれ強力に切削してしまう機械は、当然にも作業者と被加工材との関係性を分離し、親和性において遠ざけてしまうというリスクは避けがたい。
しかし現代の木工加工においてはもはやこの環境を前提とし、如何に有機素材としての木材に向き合うのかという思考において解決されねばならないだろう。

例えば‥‥、
カッターでの切削工程などは負荷が大きくなり、その運行方向によっては細胞組織の配列(木目と言われる部分)の読みを無視すれば、目的とする切削量を超えて局所的に破断してしまうことは誰しも経験するところだ。

やはり如何に強力な機械であっても、いや強力な機械であればこそ、その木目を良く読み、あくまでも倣い目(順目)方向で切削させるように心掛けねばならないだろうし、いずれ記述しなければならないが、面取り切削工程でも周速度の遅いトリマーやルーターなどを選択するのではなく、丸鋸昇降盤にカッターを取り付け、順目切削で行うことで、切削精度の高い、良い切削肌を得られるということになる。

つまり機械とは手道具の延長として位置づけるという、少し使い古された言葉ではあるが、あらためて警句としての有効性は認めねばならないだろう。

確かに強力な機械であれば木目がどうであれ強引に切削してくれるが、しかしそれだけに加工される対象が木材繊維であることを忘れがちで、そのことで良好な切削肌が逃げていくということにもなるのだということを良く自覚し、正しく快適に使いたい。

* 昨日の記事についての補記
定盤の平滑性の修理についてだが、機械屋にあらためて確認したところ、わずかに0.5mm以下の精度調整であれば、フライスで切削し直すのではなく、グラインダーでの研磨作業で行えば十分とのこと。
昔は、さらに熟練職人の手によって、ノミ様のもので削り合わせることも行われていたのだという(鉄工については詳らかにしないので詳述しません)。
いずれにしても1Weekほどの日程が必要ということなので、機械使用のスケジュール調整を行った後の話しになるね。

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手押し鉋盤、ねじれ調整での難渋

手押し鉋盤調整

皆さんの手押し鉋盤の調子は如何であろうか。
うちのはちょっと調子が悪くなっていた。
太洋製作所、というメーカーの300mmのもの。

この前後の定盤がどうもねじれてきたようで、良い削りができなくなってきていた。
手押し鉋盤は木取りにおいて基準を決める最も重要な機械になるので、これが調子を落としていたのでは良い仕事はできない。
加工工程全般においてストレスから自由になれない。

手押し鉋盤という機械の機構にはいくつかのタイプがある。
この太洋製作所の手押し鉋盤は、いわゆるリンク式というタイプの機構だが、ユーザー自身での微調整が可能。
対して、例えば桑原製作所に代表されるような、いわゆるカミソリ型のものは調整が困難。
したがって不具合があるようであれば、このタイプのものはフライスで定盤を削り直すしかないだろう。
リンク式のものは基本的は前後のテーブル(定盤)の端に左右それぞれに調整個所がある。

ここで調整すればよいわけだが‥‥、これがなかなか大変。
昨日の機械屋の社長によれば、プロの機械屋でも半日は覚悟せねばならないとのことだった。

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雨を突いて。

結局今日も終日しょぼしょぼと、しょぼい雨が降り続いた。
んな事情もあって、半日工房を閉め業者周りに走り回る。
1月も終わろうとしているにもかかわらず、年始回りもしていないところばかり。
〈金具屋〉
スガツネもいろいろと新しい機能金具を開発しているようで、たまにはこうして訪ねてみないと開発メーカーへの敬意を示すチャンスさえも遠ざけられてしまう。
日本の金具メーカーの開発戦略も、大凡ドイツの後追い的な姿勢が見え隠れするとは言うものの、そこは日本の技術陣の優秀さで独自に換骨奪胎したようなハイセンスで良質なものを作ってくれれば良いというものだ。
〈機械屋〉
国内家具産業の低迷は木工関連の機械屋を窮地に陥れているかと言えば必ずしもそうではないのかもしれない。
偏に中国因子だ。
家具工場から撤収された機械はお色直しされ、中国大陸へと向かう船に積み込まれる。
そうした販路をいち早く開発した業者は潤っている。
商人(あきんど)はどんなご時世になっても、しぶとく、力強く生き抜いていこうとするものだ。
〈職人さん〉
問屋がとても採算が取れないような話ばかりもってきていやんなっちゃうと訴える。
─ そりゃ、●▼さんも悪い。安くやってくれると思われちゃってるんだもん。
自分の首を絞めることになるような安請け合いは絶対しないと、自分に言い聞かせなきゃ。
─ そんな事言うけどスギヤマ君。背に腹は代えられない時だってあるからね。
しかし今回は◆■家具(市内の量産フラッシュメーカー)と同じ3mもののボードを1本だけで良いから総無垢でやってくれって言うんだ。それが◆■家具の出し値と同じ価格でって言うんだぜ。
─ もう、開いた口が開かない、とはこのことだ。
そんな道理が判らん問屋などケリいれてやんなよ。
産地の職人の嘆きは深い。価格の叩き合いで自分たちを追い立てる。
〈突板業者〉
ここは米材など外国産材を得意とするところ。
今日はライティングビューローの机面に用いる杢の相談。
多くの挽き板業者が米材を中国大陸での調達を当たり前のようにしている現在、なお米本国との直接取引で良材を仕入れている。
こうした業者は家具産地、静岡だからたくさんある。
しかし家具業界を相手にしているようでは発展性は見込める訳もなく、建築産業へと大きくシフトチェンジしていることは云うまでもないことだが、ここでは高級車のダッシュボードなどへの供給も含め多様な展開を得意とし、そうした企業努力で景気は良いように伺える。
予定通りウォールナットバール杢を使うことにする。
仕上がりの結果が楽しみだ。