工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ある椅子のこと(引越破損の修理)

アームチェア銀杏1
過去、様々な家具を制作してきている。
画像の椅子もその1つ。
現在ではこの椅子は廃番にしている。
これは東京新宿・OZONEに常設展示販売していた頃にダイニングテーブルセットとしてお買い上げいただいたものの1つ。
引越の際に破損してしまったということで修理依頼があり、その修理も終え、再塗装の途中で撮影。
引越業者による不手際のようで、修理費用は当然のこと保障範囲内だそうだ。
破損箇所は肘の付け根。
こうした椅子の構造の中では脆弱なところかもしれない。
脆弱というのは構造的制約、ということもあるが、恐らくはそれ以上に外部に晒された部位であり、想定外の力が加わりやすい箇所だからだ。
これまで過去1度、同じように運送業者によりやられたことがあった。
保険に入っているので保障されるものとはいえ、お互いに気まずい感が残り、繰り返したくはないものだ。
冒頭触れたように、この椅子は現在は廃番にしてしまっている。
現在は自分の中ではデザイン的にあまり積極的にやりたくないと言うことや、作業工程数が多い、制作合理性に改善が必要、などといったことがその理由。

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あじさい

ガクアジサイ1

ガクアジサイ3

庭の額紫陽花(ガクアジサイ)。
10年ほど前に買い求めた小さな鉢植えだったが、その後直植えしたもの。
毎年咲き終わった後には大胆に剪定してきた積もりだが、今や大きな灌木の如くに。
ガクアジサイの品種など詳しくないが、これは栽培種としても原種の生命力を失うことなく宿しているのかも知れないと思うほどに精力が強い。
まだまだ蕾の状態だが、少しだけ咲いてきた最初のものをパチリ。
翠、碧、青、紫、赤紫、微妙な色合いが良い。
下は工房裏手に咲くアジサイ。
こちらは既に10日ほど前に咲き揃っている。
この色はあまり好まないが、でもこうして花瓶に飾れば季節の色として目を楽しませてくれる。日本の四季に感謝しよう。
花器はありふれた砥部。
アジサイの撮影だが、やはり梅雨入り後の湿った空の下で撮りたいと思った。
恐らくは7〜10日後には梅雨入りするだろう。


今日の26時にWWDC10(Apple Worldwide Developers Conference)が開幕。
CEO Steve Jobs氏の基調講演から始まる。
Appleのことでもあり、どんな内容になるかは蓋を開けてみないと分からない。
新しいiPhoneが発表されることだけは間違いないようだが。
アジサイ2

アジサイ4

コーヒーミル

コーヒーミル

ふるさとの訛りなくせし友といてモカ珈琲はかくまで苦し

寺山修司

この寺山修司の歌は、次の啄木のものを本歌取りしたのだろう。

ふるさとの訛なつかし停車場の人混みのなかにそを聞きにゆく

石川啄木

訪ね来たノルウェーレディーは嗜好せず珈琲に代えて紅茶を呈す

ナンチャッテ‥‥artisan

過日Ikuruさんと訪ねてきたエミリーは珈琲はダメだとのことで、あまり上質でもない紅茶を出したのだが、女性ではそうした嗜好の人が少なくないようだ。
しかしボクにとって珈琲は単なる嗜好品に非ず、日々の活動の抑揚、センテンスの結節点として欠かせない飲料品。
酒と珈琲、どっちが欠かせないかって?
較べる対象じゃないよな。人生にはどちらも必要 !!
長年使ってきたコーヒーミルがいよいよ破損が進行し、使いづらくなってきていた。
蓋の留め金様の部分が破断し、機能が維持できない。
そこで同製品の後継機種を探したのだが、廃盤となり、類似品もないようで、仕方がないのでメリタの「Melitta 【電動コーヒーミル】 パーフェクトタッチII CG-5B」を購入(画像左)。
まだ慣らし運転と言おうか、数日しか使用していないのだが、なかなか気に入っている。
こちらは他の2つの機種がプロペラ式であるのに対し、臼歯式。
うちではペーパーフィルターで煎れるので細挽きが良いのだが、この臼歯式は実に細かに挽ける。
ダイヤルの半ばほどに抑えないと、具合が悪いほど。
細かすぎると、かえってフィルターで目詰まりがして、美味しいコーヒーは抽出できない。
香り豊かに珈琲のエッセンスを醸し出すには、ある程度粗く挽いて、ざっくりと抽出したほうが良いようだ。

コーヒー豆

画像右、白のボデーのマシンが長年使い続けてきたパナソニックのものだが、まずまず良い調子の均一な粉が作れた。内部の配線が切断したりして数回の修理を強いられはしたものの、このメーカーには長年の利用に感謝しておこう。
ただ留め金部分がプラスチックで破損しやすく、ついには使用継続断念に追いやられてしまったのははなはだ残念なことだ。
後継機種を作らない理由は不明だが、そうしたところに開発投資するだけの余裕など無いといったところか。日本国内の珈琲文化などその程度ってこと ?
さて今週のYouTubeはシャキーラの「ワカ・ワカ」
これも FIFA W杯 2010 南アフリカ大会の公式ソングだ。
W杯 南アフリカ大会開幕まで1週間を切った。今からワク・ワク、そわそわ。

こちらはリミックス版。字幕で歌詞が入る。
スペイン語、英語、ポルトガル語、イタリア語、アラビア語を流暢に操るシャキーラ

アフリカ大陸をライオンの顔に見立てたイラストが良い。Tシャツ手に入るかな。
コーヒー豆

ところで、下の画像だが、これはスターバックスコーヒーが新たに発売したインスタントコーヒー。(「スターバックス ヴィア」
試供品をもらった。
確かにフレンチタイプのスタバ風の味ではあるが、やはり粉臭い感じが舌に残る。
ここ数十年もうちではインスタントコーヒーを飲んでいないので、比較できるものではないが、かなり開発には力が入っていたという。
Top画像のまんなかの物もメリタだが、これははっきり申し上げて薦められない。
効率が悪すぎる。均一に挽けない。
スタバのインスタント

Excel不調とGoogle社内でのWindows排除とiPad

Microsoft Office2008 forMacのExcelが絶不調。
セルへの入力がめちゃくちゃ重い。
セルのテキスト、数値を選択しようとカーソルを合わせ クリックするも、いちいちレインボーマークがぐるぐると回り出ししばし安定せず。
耐えがたい重さだ。
ネットを見れば、Mac OS X 10.6(最新のOS)上で同様の症状が報告されている。
必ずしもその対処法は確定的では無いのだが、まずはOfficeをアンインストールして、再度インストールすることで症状の改善を試みる。
少し改善したようだが、まだまだレインボーマークは元気に回り続ける。
どうも旧いデータの不具合は免れないようで、一端Appleのスプレッドシートである「Numbers」に書き出し、それを新たにExcelで読み込むというややこしい手法でファイルを再作成したが、少し改善したようだった。
ところで、アンインストール、再インストールの手順は簡単明瞭なもので問題ないのだが、その後のアップデートの手順には大きな問題がある。
Office2008 forMacはリリース後、これまで3度のアップデートが提供されている。
再インストール後のアップデートは、最新のパッチをダウンロードすれば良いだけのはずだが、これが何と1つ1つ順を追ってインストールするというシステムになっていて、膨大な時間を取られてしまう。
つまり都合3度のアップデートのインストールを余儀なくされちゃった。アホクサ !!
1つ1つが、Office2008 forMacのインストールよりも時間が掛かる。無論ネットワークのパフォーマンスに規定されるので、ユーザー個々の環境にもよることは理解しても、それにしてもなおである。
(-_-メ) 怒りフツフツはここまでとして、最近気になるニュースがあった。

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ウォールナットのラウンドテーブル

ラウンドテーブル

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松坂屋個展出品家具の解説第二弾、「ウォールナットのラウンドテーブル」
隣の画廊から流れてきたご婦人がこのテーブルの前で足を止め、つぶやいた。
「‥‥ これ、120ぐらいでしょ」
どうして分かったのだろう。甲板の直径をほぼずばり当てた。
実際は1,250mmであるが、誤差の範囲。
先を急いでいる風でもあったので、立ったままで少しだけ話を続ける。
「うちにも同じ寸法のものがあって、6人が食事を取っているのよ。
カリモクだったと思うわ。昔のことではっきりしないけど。
丸は良いのよ。主婦としても皆の顔が見えて体調なんかも分かるしね‥‥」
道理でずばりとサイズを当ててくれたわけだ。
毎日そのテーブルで食事を摂り、お茶して、新聞を読み、アイロンがけをする。‥‥ その住まいの中核的な調度品との濃密な関係性が身体にしみこんでいるのだろう。
住まいにおける家具とはそも、そういうものだ。
とりわけ食卓となると家族が日常的に集う“場”というものを与えてくれる。
家族の日常とともにあり、その家族の歴史を見守り、家族の肖像を作り上げる介添役となる。
今ではその実態も消えつつあるようだが「家族の団らん」の場である。
宮脇 檀(みやわき まゆみ 1936年 – 1998年)という著名な建築家が昔「大テーブルのすすめ」という文章を『暮らしの手帖』という雑誌に寄せていた。

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FIFA W杯まで12日に迫り

このBlogの右メニューにカウントダウンのウィジェットを置いた (^^ゞ
2010 FIFA W杯 南アフリカ大会開幕まで、ついに2週間を切ったというわけだね。
来月11日〜7月11日に掛けて南アフリカ各地で催される。
日本代表の対韓国戦前後あたりから、各種メディアでもやっとFIFA W杯の話題で盛り上がってきているようだ。
岡ちゃんのイレギュラー発言が妙な方向へと盛り上がりを引っ張っていっていることについては、今日は問わないでおこうと思う。
本大会においてボクの最大の関心は、マラドーナ率いるアルゼンチンがいかにメッシを自由奔放に使うことができるか、ということにもあるが、ちょっとアウトフォーカス気味に、南アフリカという開催国について強い関心を持つ。
インビクタス / 負けざる者たち Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)そんなボクの思いに1つの示唆を与えてくれたのが、2月ほど前に観た『インビクタス/負けざる者たち』というアメリカ映画。
言うまでもない、クリント・イーストウッドの最新作。

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「コレクションテーブル」

コレクションテーブル1

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今回から名古屋松坂屋での個展に出展したいくつかの家具を対象として解説を試みたいと思う。
最初は「コレクションテーブル」
ところでこの「コレクションテーブル」という名称は何とかならないものか、あまりしっくりこない。もっと良い名称があるはず。
要するに「ぐい飲み」、「蕎麦猪口」、「コーヒーカップ」、などの器、あるいはジュエリー、時計、何でも良いだろうが、ガラス甲板の下にオーナーのコレクションを収納ディスプレーする機能を持たせたローテーブルというわけだ。
これは以前、顧客宅でオーストリアから買い求めてきたと言う同種の機能を持つテーブルを見せていただいたことが契機となって、開発設計したもの。
ボクの顧客には陶器などのコレクションをしている人も多いので、そうした人に使っていただければ、という発想でもある。
元のものは脚部がろくろ成形のデコラティヴなものだったが、画像のようにシンプルでモダンなフォルムを持つデザインとした。
脚部はなだらかなテリ脚とさせ、エレガントなラインを描く。
個展会場でも比較的人気だったようで、多くの来場者が説明を求めてきた。
別途、国産の白木を用いての制作依頼も含め反響が良かったものだ。
松坂屋美術への客層とあって、様々なコレクションをお持ちの人が多いのだろう。
制作依頼してくれた人はコーヒーカップを置きたいということで、内部のアクリルパーテーションを大きく仕切り、総丈もやや大きくなる。
これを応接セットのセンターテーブルとして使い、来客にコーヒーを呈する時に、カップを客に選んでいただこうという趣向のようだ。
考えてみるだけでも楽しい光景だね。

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個展残務の日々

礼状
松坂屋個展の後片付けもまだ残っている状態で、なかなか次の制作へと移行できないのがもどかしい。
出展作品の傷チェック、再塗装、再梱包、そして制作依頼された別注の設計見積、書類整理、礼状の作成、発送と多くの雑務を進める。
先の記事(個展を終えて)でも記したように、大小様々な展示家具の買い上げとともに、顧客の方々には熱い視線でご覧いただき、暖かい励ましを受けるなど、個展開催に向けての制作、および膨大な準備活動からくる疲労も吹き飛ぶほどの高揚した日々を過ごし、今もなおその残り火が消えやらぬままに日々を送っているといった感じだ。
こうした非日常の時空からはいち早く抜け出て、淡々とした制作活動の日々へと切り替えていかねばならない。
そうした日常へと移行する前に、少しく個展の裏話でもしてみよう。

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〈天声人語〉から知人木工家の活動を見る

食後朝一番にやることの1つが朝日新聞コラム〈天声人語〉に目を通すこと。
この〈天声人語〉、今のコラムニストに替わって2年ほどか。
50代半ばの編集委員だったと思うが、博覧強記のライターとしてペンをふるっている。
そのやや過剰とも思えるメタファー多用が少し臭すぎるなと思いつつも読み流している。
今日の記事はそれを問うものではない。
今朝の〈天声人語〉、読み始めてすぐに誰のことを取り上げているのかが分かった。
甲府在住の木工家、荻野雅之さんの活動を取り上げていたのだ。
ボクが初めて東京国際家具見本市に出展したとき、同じグループに名を連ねたメンバーだったし、その後新宿OZONEにおける常設展示でもブースを並べた。
そして時期を違えたが、OZONEから撤退したという経緯も似ている。
彼はその後、このコラムで紹介されている通り、積み木活動で華々しく名を上げた。
すばらしい活動だと敬服している。

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北欧からの一陣の風

一昨日、“木工家具界の貴公子”の異名を持つ ? 須藤生さんをはじめ、カール・マルムステン、およびカペラ・ゴーデンの卒業生4名の訪問を受ける。うち一人はテキスタイル作家。
北欧における木工房、木工所はとてもクリーンなすばらしい環境で整備されていることは彼の地をよく知る先輩らから聞き及んでいたので、うちのような汚い工房を案内するのは赤面するばかりなのだが、いまさら腰を引いてもかわゆくもないので、すっぴんでご覧いただく。
ま、反面教師になれば良いだろう、といった風だね。
須藤さんは彼のBlog[ストックホルムの空を見上げて]で詳しく取り上げられているのでご存じの方が多いと思うが、帰国後着々と工房設立へと歩みだしている。
導入されつつある木工機械のラインナップを見れば、多くの人はそれらを垂涎の眼で眺めているのかも知れない。
確かに先に国内で開催された国際技能五輪の競技使用機種に採用されるなど、世界標準機と言っても過言でないようなFELDER社のものを基軸として整備されているようだしね。
そこで少し余談になるが、これだけは言っておきたい。
彼は決して富裕な資産家の子弟でも何でもない。
高価な木工機械導入を含むスタイリッシュな展開は彼自身がこれまで培ってきた資質、力量がもたらした結果以外の何物でも無いだろう。
あえて誤解を恐れず言えば、そうしたところへと必要な資金は集まるというのが、世の習いなのだから。

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