工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

天童木工の家具と自作家具との出会い

天童木工1
今朝は雨も上がり日も射す梅雨の合間となり、納品日和となった。
県内東部の個人宅2軒。
昨年末、顧客からの紹介による来訪での製作依頼だった。
受註後半年を越えての納品でお叱りを受けても仕方のない状況であったが、快く迎えていただき、最後はご自宅での昼食まで呼ばれ、少なくない時間を歓談させていただいてしまった。
2軒とはいっても、同じ市内の実家と、娘さんのお宅という関係。
娘さん宅はマンションで、こちらには6尺の水屋と、小物。お母様が住むご実家には小降りのキャビネット。
Top画像は、このご実家の居間で使用しているソファとテーブル。
ご覧のように、かなり旧い天童木工のもの。
他にも松本民芸家具を核として、様々な和洋家具が所狭しと置かれていた。
数年前にお亡くなりになったお父様が家具が好きで集めていたようだ。
画像の天童木工の家具であるが、テーブルの方はデザイナーは不明なるも、ソファは剣持勇のものではないだろうか。
40年ほど昔に買ったのではと言っていたので、かなり使い込まれているが、張りはともかくも、木部の欠陥は見られなかった。
デザインも当時としてはかなりモダンなものであっただろうと思う(1950年代のデザインか)。剣持勇はジャパニーズモダンの提唱者としても知られているが、このシンプルでモダンなデザインも天童木工のラミネート成形加工のプロダクトとしての完成度があってはじめて可能なものだ。
ボクも及ばずながらこうした時代を超えて大切にされるような家具を作りたいと思うし、このように家具を大切にしてくれる人々がいることを常に念頭におきながら仕事に勤しむことの大切さを改めて思わされたものだった。

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FESTOOL社、国内販売戦略の憂鬱

FESTOOLタイトル
過去本Blogにおいて独FESTOOL社の電動工具については2機種を対象として記事にしてきた。
・ハンドルーター《OF 1400EQ》
DF500Q DOMINO JOINTER
いずれも加工精度、使い勝手などその機種に求められる性能を高く評価し、またこうした高品質な工具を開発、販売する企業の理念についても同業他社には無い、その独自性について紹介してきたところだ。
またDOMINOにおいては全く新しい機構を産みだしたその革新性についてある種の驚愕を持って迎えたものである。
さて独FESTOOL社は日本国内における販売体制を変更していることは既に投稿いただいたコメント欄でも既報の通りだが、過日、新たな国内総代理店となったHAFELE社のFESTOOL担当が来訪され、若干の経緯の説明を含む、機種のプレゼンテーションを受けたので、必要な範囲で記述しておきたい。
なぜうちへのアプローチがあったのかということについて疑念があるかもしれないが、このBlogでの数回にわたる記述に目を留めて、訪問したいとの申し出があったことによる。(電話ぐらいで結構だから、と固辞しては見たのだが、是非に、ということでもあったので快く受けることにした)
プレゼンしていただいたのは
1.ジョイントカッター ドミノ DF500
2.ルーター  OF1400EQ-PLUS 110vバージョン 
3.丸ノコ   TS55EQ-PLUS &ガイドレール 110vバージョン
4.ジグソー  PS300EQ-PLUS
5.プレナー  HL850E-PLUS
6.ロテックスサンダー  RO125FEQ-PLUS
7.小型サンダー  DTS400EQ-PLUS
8.集塵機   CTL22ESG
など。
FESTOOL2実は当地は木工産業が盛んなところでもあり、例年秋に木工機械展が開催され、Festool社も良く出展していて数回このプレゼンに立ち会うことがあったので、さほどめずらしいというものではなかったが、それぞれ現行の新しい機種でもあり興味深く拝見させていただいた。
冒頭述べたように、いずれも電動工具としては最高の品質を持った機種であることについて改めて確認させてもらったと言って良いだろう。
中でも注目のDOMINOだが、ほんの少しテストさせていただいただけではあったが、その切削性能、革新性についてはあらためて感嘆させられてしまった。
最も強い関心対象であった、穿孔された開口部と、ダボの嵌めぐあいであるが、実にぴったし。堅すぎず、全く緩くもなく、ジャストフィットであった。
専用のカッターは左右に振動しながら回転しつつ被加工材を穿孔していくという複雑な機構でありながら、全く揺るぎないタイトな加工を確保している。
このダボはLamelloのビスケット同様、圧縮され、また糊だまりが刻み込まれたブナ材であるので、実際にはかなりの緊結度を確保することが出来るように思えた。
既に独本国のオフィシャルサイト、米国のオフィシャルサイトなどには動画を多く含む紹介があるので、詳細はそちらに譲るが、その革新性についてはもはや多弁を要しないだろう。
1400EQ
次にハンドルーター OF1400EQであるがボクが所有しているものと比し、パワーが増強されたものだった。(銘板上がボクが購入した米国内販売のもの。下が日本国内販売のもの)
テストさせてもらったが、体感的に判るほどのものではなかったが、仕様においては若干の差異があるようだ。
商用電源の差異など、日本向けにローカライズされたものであろう。
他は、必ずしも手にしてテストした訳ではないが、担当者は《ロテックスサンダー  RO125FEQ-PLUS》について強くアピールしていた。
これは手元スイッチの切り替えで、粗研磨、仕上げ研磨の適切なモード切り替えが可能というものだ。
なお集塵機も使わせていただいたが、パワーがありながら、意外な静粛性にも感心させられた。
さてところで、新しい販売体制の方であるが、輸入代理店が昨年秋まではエフツール社というところであったが、HAFELE社に変更されたことは紹介してきたところである。
ご存じの通り、HAFELE社は独最大の木工金具の製造、販売会社であり、日本でも法人が設置され広く展開していることは衆知のところ。ボクも以前より積極的にこのHAFELE社のものを使わせていただいてきたところである。
主要にはハンドル、ヒンジ、スライドレール、システム金具類であるが、日本の金具メーカーには無い独自のデザイン、性能のものも多く、高い評価をしてきたところだ。
したがって同じドイツのメーカー、FESTOOL社の製品を扱うことにはさほどの違和感があるわけではなく、首肯できるところだ。
しかしそうは言ってもFESTOOL社の直営ではなく、あくまでも代理店という制約下での取り扱いであることに変わるものではない。
叶うならばぜひFESTOOL社独自の展開を望みたいところだ。
しかしこれは国内電動工具の市場が既にくつかの国内メーカーによる寡占状態にあり、さらにまた日本固有の流通制度を考えた場合、これをかいくぐっての新たな展開の困難性を考えたとき、ほとんど望み薄なのかなと暗澹とならざるを得ない。
なお、何故かDOMINOに関しては、さらにその販売代理店である「テクノトゥールズ株式会社」が取り扱う、ということだそうだ。
(その理由については判然としないが、これまでのFESTOOL商品の日本における販売体制の歴史的経緯が反映していると解釈しよう)
HAFELE Phone:045-828-3111
 担当:鈴木、秋本
テクノトゥールズ株式会社 Phone:042-569-1502
【関連記事】
FESTOOLから新機種リリース07/02/23
魅惑の「Domino」FWW誌に掲載07/03/13
Lamelloは使ってますか?07/07/31
DOMINO活用(脚部延伸)07/12/18
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木工屋は傷害保険が必須

昨日朝刊の経済欄にボクが契約している損保会社の「障害保険」(積立障害保険)が9年ぶりの価格見直しが行われ、5%値下げされるとの報道があった。
実は3月末に更新したばかりであるが、5年間という長期のものであるためぜひ価格見直しの対象にしてもらいたいとカスタマーセンターに電話した。
回答は新規の契約が対象とのつれない返事。(想定通りではあったが)
次に契約会社の代理店(個人経営)のA氏に電話。
報道は確認しているものの、会社からの詳細な説明が無いのでまだ答えられないとの、これまたつれない返事。
ボク達の業務は怪我というものが避けがたい職種だ。
そこへきてボクはおっちょこちょい。
開業当時は毎年のように小さな怪我をして、この保険のお世話になってきた。
・通院:5,000円/日
・入院:10,000円/日
という保障はありがたい。
開業当時は日本経済が好調の頃、いわゆるバブルが来ようとする時期でもあったので、5年契約の貯蓄型、という商品であったが、上のような額の保障を受けつつ、更新時にはあっと驚くほどの利息が手に入った。
またある怪我(指の一部欠損)では「これは後遺障害の対象になるので、別途診断書を取り寄せてください」と言われ、手続きしたら、何と1,000,000円の保険金が給付されたので、驚いたことがあった。(今はとっても綺麗な指に回復してるけれど)
しかしこの貯蓄型傷害保険も今では更新時利息が入るどころか、逆に償却され、新たに積み増さねば更新できないというありさま。
さて、この報道で「何とか値下げの対象にして欲しい ! 」という懇願をするのには他の理由があった。
今回の更新時、ある外資の損保会社(自動車任意保険で有名なZ社)のものと比較対照し、こちらに契約を替えようかと天秤に掛けていたのであったが、気弱な性格が災いして長年世話になっているこの代理店のA氏の曇った顔を見るのが忍びなく、そのまま更新してしまったという経緯があったからだ。
詳しくは記述しないが、外資の方は怪我をしたときに一定期間の(半年が限度だったかな)手厚い休業補償が付くという特約があった(わずかの掛け金)。
そんな訳で気弱さを取り返すためということもあるだろうから、少しでも値引き対象にしてもらうべく、今度は気丈に掛け合おうと考えているのだが……。
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角面へのサンディングは楽しからずや

サンディングブロック1
ご覧の通りサンディングするの図である。
実はこのBlogでサンディングについての論考を数回に分けて記述しているが未了。大変済まないことであるが特段あげるべき理由があるわけではない。ただの怠慢。
画像の準備が出来ていない、○○が揃わない、など理由付けが出来ないわけではないが、根が怠惰だというのが偽らざるところ。
今日はそれに含ませる予定であった1つの治具(のようなもの)を使ったので、このシリーズが未了なことを思い出してあわてて撮影した。
画像は扉の見付け、内側に施した角面(切り面)をサンディングしているところ。
つまり見付けの板面に対し45°の角度を持った面部分のサンディングであるが、この角面に的確にサンディングを施すための木のブロックという訳だ。
下の図のように板面と角面の関係角度(この場合135°)に断面を切削し、ここにサンドペーパーを貼り付けただけというシンプルなもの。
あえて紹介するのも憚れるほどの他愛ないものかもしれない。
サンディングブロック2画像のように上下2箇所、対象に面を施してあるが、これは2つの粒度のペーパーに対応させようというものだ。
うちでは片方が#180、もう片方が#320。
この治具(ブロック)により角面部位に角度の精度を崩すことなく的確、ラクチンに素地調整が可能となる。
実はこれ、ボクが考案したものではなく、ずいぶんと昔のことだと記憶しているがFWW誌に紹介されたチップスの1つだった。
紹介されていたのは片方だけだったように記憶しているがこれを両サイドにしたというところがミソ(と言えるほどのものではないか)。
傾斜盤でのカッターで如何にゆっくりと切削加工したつもりでも、やはりいきなりサンディングは無理なので、まずは角面取鉋で鉋掛けした後、まず軽く#180でサンディングし、その後治具をひっくり返し、#320で完璧に仕上げることができるだろう。
サンデイングの要諦とは、しっかりと素地調整するというところにあることは言うまでもないが、目的とする形状を崩さすことなく、必要に応じてエッジを立て、シャープに仕上げるということがとっても重要なのだよ。
したがってこうした角面に限らず、様々な定型に切削された部位は、その形状に合わせたサンディングブロックを作成してから臨むことが重要。
どこへ行ってしまったのか梅雨空から解き放され、快適な木工日和が続く。
今回の画像、アングルにおいて反省多し。もっと判りやすい撮影を心掛けよう。
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梅雨はどこへ? ビールには海老の唐揚げを

川海老
梅雨入りと言われた日は確かに豪雨に見舞われ、いよいよか、と諦観を決め込んだが、その覚悟も束の間、翌日からはカラッとした晴れ、晴れ、晴れ。
おかげで今日は大きなキャビネットの本体を組むことが出来た。
湿潤な状況下での組み立ては御法度だからね。
ニュースでは湿度が6%まで下がりフェーン現象になったところもあったという。
湿度6%というのは果たして人間がまともに呼吸できる環境なのだろうかと思いやってみたが、カサカサになった肌を想像できるぐらいで、理解を超えたものだ。
恒例の週末買い出しで、鮮食をいろいろと買いそろえてきたが、その中から今夕の献立としては川海老の良いものが安価に並べられていたのでこれから使うことにした。
一般に日本で流通している川海老と言えば中国産がほとんどのようだが、これは近隣のものらしい。
脚は取り去り、背わたを抜き取り、ただし頭も含め甲殻はそのまま。
塩コショウ、そして酒を振りかけ、しばらく味を馴染ませる。
その後水気を切り、スターチを入れたビニール袋の中に放り込みフリフリ。
やや高めに熱したサラダ油で、サッと揚げる。
こうした柔らかい身の魚介類は高温、短時間、がキホン。
実に旨い。
甲殻類特有の香りが唐揚げにすることでより引き立ち、身は小なれど海老固有の味が頬を緩ませる。
海老は人並みに好物であるが、10数年前からスーパーなどで買うことはまず無い。
抗生物質浸けで怖くて手が出ない。
また南の諸国での日本の業者、日本人の資源収奪を知ってからと言うもの、これに与することを良しとしない以上、顔を背けてしまう。
でも今回のように近隣で採取された健康なものがまだまだ入手できるのはうれしいね。
実はこの海老の隣りにかぼちゃ大ほどの大きさの牡蠣があった。いわゆるイワガキだね。
手が伸びようとしたのだが、如何せんあまりに高価(1,000円/個)
いや、やっぱり買ってくるべきだったかな。

海老の器は小鹿田焼

*海老に関するお奨めの良書がある
エビと日本人村井 吉敬
クォータリー あっと 5号 オルター・トレードジャパン『at』編集室

Yahoo ! + iTS

昨日Yahoo ! サイト、トップに
New 「Music Download on iTunes」本日スタート !
という文字がハイライトされていたことに気づいた方は多いはず。
ヤフーサイトからiTS( iTunes store)にジャンプし、iTSにおかれている500万曲の楽曲が購入できるようになった。(asahi.com)「ヤフー、アップル配信の楽曲も購入可能に
これまでさほどの頻度でもないとはいうもののiTSは利用していた。しかしYahooからの購入ということとなると、どのような決済方式になるのか知りたいという思いもあり、Yahooサイトから1枚のアルバムの購入を試みた。
Yahooから任意のアルバムを探し出し、これを選択クリックすると、確かにiTunesが起動し、iTSに繋がり、対象のアルバムが出てきた。
既に .Macのアカウントを有していたので、そのまま購入ダイアログページからワンクリックで購入手続きが済み、同時にダウンロードが開始された。
?、普段の iTSからの購入と全く変わらない。
Yahooへの支払い決済はどのように行われたのかは、全く認識できないままだ。
ボクが心配するほどのものでもないだろうが、どの程度の収益配分になるのかは興味がある。
さてところで、スムースに進んだというのはちょっと嘘がある。
購入手続き途中に「iTunes Plusでも購入できますが、手続きしますか」という項目があったのだ。
れれ、そうか、そういえばS・jobs氏は本年初の頃、盛んに音楽配信はDRMフリーにすべきだ、との持論を展開し、音楽業界への説得を粘り強く展開していたのだったね。
そして5月末には「iTunes Plus」というシステムを導入していた。
利用制限の無い(転送回数制限なし)DRMフリーを選択できるようになった。
1曲あたり200円のところ「iTunes Plus」を選択すれば270円となる。(50円 upというのもあるらしい)
これはまたDRMフリーだけではなくビットレートも128kbpsから256kbps(いずれもAAC形式)とクォリティーアップしている。(Apple社News Release
何を買ったのかって?
恥ずかしいから教えない。
と思ったけど、バラしちゃおう。
utadahikaru
宇多田ヒカル
宇多田ヒカルの「Flavor Of Life」EP
でもこのジャケットですが、肩のところのおむすびは一体なんですか?
テーマ曲に使われたドラマというのは全く視ていないのですが、もしかしてこのドラマとの関係?
ま。難しいことは抜きにして、楽曲を楽しみましょう。
宇多田ヒカル「Flavor Of Life」がダウンロード数で日本記録達成というのだから、売れているんだね。スーパースターなんだね。
ボクのような彼女の母親と同世代のオジンが買うというのは、宇多田に限っては大いにあり得るのではと思うな。
ボクは日本のポップスの動向にはあまり関心がないので、どのような曲が売れているのかは全く判らない。
でも宇多田ヒカルの才能は疑いないし、あの独特のファルセット(女声ではこうはいわないの?)を含め、日本人の他の音楽アーティストにはないソウルと情感の世界は追随を許さないものがあるからね。
宇多田ヒカル、公式サイト
DRMとは
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梅雨入りにあぢさゐを

アジサイ1

紫陽花や 藪を小庭の 別座敷
松尾芭蕉 (芭蕉51歳の作、座敷とは深川の子珊亭)

昨日は九州から山口まで梅雨入りしたというし、気象レーダーを見れば長々と横たわった梅雨前線が列島へと近接しつつあることで、当地も含め一気に梅雨入り宣言するだろうとの予想は外されることなくズバリ当たってしまった。
今朝、工場に入る頃からしょぼしょぼとした細かい雨。
これも昼過ぎには本格的になってしまった。間もなくニュースでは梅雨入りの報。
アジサイ2

あぢさゐの藍のつゆけき花ありぬぬばたまの夜あさねさす昼
佐藤佐太郎(『思潮』1952)

数枚の萼紫陽花の画像は一昨日近隣を自転車で走行中に見つけて撮らせてもらったもの。
目にとまったとあるお宅の庭には、いわゆる普通の半球状のあじさいもあったが、そのほとんどは萼紫陽花だった。
しかも山アジサイとでもいうのか、原種に近いような風情を持った野性味豊かなものたちだ。
アジサイ3

森駈けてきてほてりたるわが頬をうずめんとするに紫陽花くらし
寺山修司(15歳)

残念ながら人の姿もなく品種名を尋ねることも叶わなかったが、いずれまた機会を見て伺っておきたいと思った。
アジサイ4

あじさいの花の終りの紫の濡れびしょ濡れの見殺しの罪
佐佐木幸綱(『群衆』1970)

梅雨の時季は木工屋にとっては鬼門。
今日も仕事を終えると、機械という機械、すべての定盤には合板、毛布などで覆う。
加工中の材料はもちろん。
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小型のインパクトドライバー TD020DSW

TD020DSW
プロの現場では様々な作業に様々な工具が必要となる。
ドライバーというものも金具の取り付けには必須の工具。
ボクがこの世界に入った頃は、まだ電動のドライバードリルというもの一般的ではなかった。
ヤンキーと称される半自動の手押しのドライバーが活躍する時代だった。
これが数年も経たないうちに充電電動ドライバードリルが入ってきて、さらにその数年後には充電インパクトドライバードリルというものが普及に拍車が掛かるというめまぐるしい変貌ぶりだった。
これには言うまでもなく電池のセルの品質が著しく改善されてきたという要因が大きいと考えられるが、現在ではリチウムイオン二次電池というセルが高電圧、高容量、管理がしやすい、などの特徴をもつために急速に普及しつつあるようだ。(ケイタイ、ノート型コンピューターなどへの搭載はよく知られたところ)
それまではニカド電池、ニッケル水素電池などが用いられてきたが、充電タイプ電動工具の世界でも主流はこのリチウムイオン二次電池が占めるようになってきている。
EZT640さて、うちでも数種類の充電電動ドライバードリルを使っているが、先頃その中の小型のインパクトドライバーが故障してしまった。
松下電工の「マイハンド 4.8V EZT640」という機種。
これは写真のような小型のものであるが、家具制作では比較的小さな扉を釣り込むという作業が欠かせないが、こうした時にはこの小型のインパクトドライバーというものが良い働きをしてくれる。
扉を片手で支え、もう一方の手で丁番を所定の位置に止めるべく木ねじを慎重にねじ込まなければならないので、軽くて、かつ小さな木ねじの頭の切れ込みをなめることなく、確実にねじ込む必要がある。
したがってこうした作業を支援してくれる小型のインパクトドライバーは必需品ということになる。
この「EZT640」はこうした要求に応えてくれこれまでよく働いてくれた。
しかし突然壊れてしまった。SWが入らなくなってしまった。
電機は少し判るので、内部にアクセスしたが、どうもこのSWそのものが劣化故障しているようで手に負えなかった。
メーカーへと修理へ出したのだが、結果、その見積額を聞いて修理を断念することになった。確か1万円を切るほどの価格で入手したものであったが、6,500円掛かるとのこと。
結局修理はあきらめた。注1
新たに求めたのがマキタの「ペンインパクトドライバ」というもの。
店舗で実機を手に取り試してみたところ、

  • パワーはこれまでのものと、ほぼ同じ。注2
  • 使い勝手はむしろこれまでのものよりやや使いづらい。
  • バッテリーはリチームイオンなので、信頼は高い。
  • 価格はやや高い。

といったところで、かなり悩んだが結局マキタにしてしまった(少し後悔しているかな)。
ポイントはやはり使い勝手である。同じピストル型であるが、マキタはモーター内蔵部筒胴が長すぎ、SWもコントロールしにくい。(人間工学的に洗練されていない)
あえてマキタ決断のインセンティヴを挙げればやはりバッテリーだろうか。
稼働率など非常に少ないものだし、その意味ではバッテリーなどさほどのもんだいではないはずで、使い勝手の方を選択の基準にすべきだったかも。
いまさら後悔しても仕方がない。使い勝手も“慣れ”で補おう。
もう1つ。
この機種は立派なアルミケースも付いてくるのだが、屋内作業をもっぱらとするボク達には不要だ。かなりのコストが掛かっているだろうから、これは添付させない販売方式、価格帯も考慮されたいところだ。
筺なんてダンボールで十分。
■ 注1
この決断は今もって良かったかどうか判断できないでいる。
可能な限り修理しつつとことん使うというのが望ましいと考えたいが、既に購入してから7年経過するし、遅くない時期にまた別の箇所の不具合が出てもおかしくないものであもあったので更新することにしたのだが、こうした思考パターンそのものにも自己嫌悪する。
■ 注2
・最大締付けトルク TD020DSW:20N・m
・最大締付けトルク EZT640:19.6N・m
Top画像の右はマキタのインパクトドライバーTD131DRFX
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Hello! Mac OS X「Leopard」from WWDC

Appleサイト
今、何をしているかと言えばApple社のWWDC 2007(「Apple Worldwide Developers Conference 2007)でのS・Jobs(Apple社CEO)氏の基調講演の配信(Quick Time ビデオオンデマンド)を見ているところ。
日本時間今朝2時からサンフランシスコで開催されたデベロッパー向けのイベントの最初のセッション。
熱烈Macファンは夜更かしして基調講演に立ち会うのだろうけど、ボクにはそれほどの気概は無い。
90分もの講演のそのほとんどは新しい Mac OS X「Leopard」の新機能に関するものになっているようだ。
確かに新しいFinder機能はすばらしいものがある。ローカルコンピューターに保存された様々な形式のファイルを件のiTunesのジャケットスクロール(パラパラ漫画のような)と同様のインターフェースで一覧、検索、選択できるという優れものになっている。つまりいちいちそのファイルのアプリを起ち上げなくとも、簡単に目的のファイルを探し出せるというものだ。(Quick Lookって言うんだって)
もうデスクトップにアイコンを置くこともなくなりさっぱりと片付いてしまう、という訳だね。
あるいは誤って失ってしまったファイルを修復する「Time Machine」、アプリケーションのグループごとに瞬時に切り替える「Space」、などなかなか盛りだくさんな機能が満載だね。(Mac OS X「Leopard」デモムービー
ボクが楽しみにしているのは「Boot Camp」の方だ。これはMac上でWin OSをネイティブに動作させるというソフトのことだが、既にリリース済みではあるものの、新OS X「Leopard」ではデフォルトで搭載されるからだ。
これまではWebサイト構築、Blog更新などでは、家人の使っているWin(何とWin98だ)のIEでレイアウトの確認などをしてきたのだが、これがMac上で可能になるのはとてもありがたい。
さて、個人的に期待していたMacのハードウェアの発表はなかった。
Apple社開発のの噂サイトでは「マルチタッチスクリーン式超軽量 iMac」,全く新しい「サブノートブック」などの発表か !!などと喧しかったが、何〜もなかったね。(/_;)
愛機 iBookが壊れて以降、待ちに待ったイベントであったわけだが、いかにも残念 !!
他にはこの29日に発売される(米国内だけだよ)iPhoneについても改めて詳しい解説が為されたようだ。(iPhoneのTV CM
サプライズと言えば、ブラウザSafariのWindows版が開発され、パブリックベータ版ながら即日無償ダウンロード可となったことだろう。(Safari 3 Mac & PC)
Winと言えば IE(Internet Exproler)だが、これがめちゃくちゃHTML、CSS解釈におけるひどいバグが多く、W3Cに全く準拠しないひどい代物で、Web開発者泣かせであるのだが、Apple純正の快適なブラウザSafariにWin版ができたのは朗報と言って良いだろう(対応OSはWindows XPおよびVista)。
因みに表示スピードはIEの2倍というベンチマークが測定されている。(OperaよりもFireFoxよりもSafariが一番早いということはMacユーザーしか知らないことなのだろうな)
無論、タブ機能もあれば、RSSの内蔵もばっちり。ぜひダウンロードして確認してもらいたい。ただ現在はベータ版であり、日本語対応はしていないようだ。正式版は10月にリリース予定とのこと。(こちらから、無償)
* 追記07/06/14
Apple Inc.が、「Safari 3.0.1 for Windows Public Beta」を配布しています。
なおWindows版Safariパブリックベータのダウンロード件数、最初の48時間で100万件を超えたそうです。人気ですね。
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G8「温室効果ガス排出量半減」合意は果たして‥‥

ドイツ、ハイリゲンダムでのG8主要国首脳会議は8日、独メルケル首相による議長総括が発表され閉幕した。
様々な国際的政治、経済問題が議題に上がったが、ここではその中でも最大なテーマでもあり、大きな話題にもなった地球温暖化問題について卑近なところで考えてみたい。
基本的枠組みとしては「2050年までの温室効果ガス排出量半減を目指すことで合意」というものだが、この指標の達成がいかに困難であるかは首脳たち自身どれだけ自覚しているかはともかくも我らが安倍首相自らの提案(『美しい星へのいざない「Invitation to Cool Earth 50」』??)であってみれば、臣下のボクたちにとって無視できるものではないということになる。(参照→ こちら
しかし周知の通り「2008年から2012年までの期間中に、先進国全体の温室効果ガス6種の合計排出量を1990年に比べて少なくとも5%削減する」という目標を達成するために日本に与えられた削減量6%という数値は、ほぼ逆行するような現状(削減どころか+8%の増加)をみるだけでも、如何に達成困難なものであるかは自明であるが、首相から爽やかな顔つきで「美しい星」(夢物語?)「半減 !」と宣言されても首を傾げざるを得ないというのが実感というものだ。
G8における合意とは極めて政治的決着の色彩を色濃くするものであり、環境問題の専門家、科学者の一部には未だこの「地球温暖化」を疑問視する向きもあるようだし、一筋縄ではいかない問題であることは確かなところであるが、しかし明らかに時代は環境問題を射程におかねば何事も進まないところへと入ってきていることだけは間違いないだろうね。
このことは「京都議定書」からの離脱を宣言していたあの最大の温室効果ガス排出国・米国でさえもポスト京都議定書のイニシアティヴを握ろうと躍起になっていることにも象徴される。
あるいはまたそうした国際政治の力学だけに止まらず、EU欧州各国では環境対策というものをこれからの産業政策の基軸へと据えてきていることに見られる(再生可能エネルギーの創出などの)ある種の本気での“覚悟”というものを見れば日本がG8でのリーダーシップを取ったからと言って、これに安住することなく、アジアの責任ある環境問題先進国として温室効果ガス排出国の先頭へと名乗り出てきている中国などへ環境技術供与などを進めていくなど積極的に対策を講じていかねばならないことは明らかなところだね。
しかしどうなのだろう、日本国内でそうした気運など果たしてあるのだろうか。
日本最大の、いや今や世界最大の自動車製造メーカーのT社は「美しい星」を提言した政権の最大の良き支援者であるわけだが、しかし国内における販売台数の落ち込みに必至になってどんどん温室効果ガス排出の源、クルマを売ろうと躍起になっているという構図のパラドックスは、一体どのように解きほぐせば良いのだろうか。
まず少し我が身を振り返ってみよう。
燃費12Km/Lほどの乗用車1台、燃費10Km/L(ディーゼル)のトラック1台を保有し、家電製品も普通に使い、Macも起床とともに電源を入れ、就寝までOFFにしない(スリープ状態)。モデムも電源を入れっぱなし(ここ数日、雷が多く、入れたり切ったりだったけど 苦笑)
せいぜいやっていることといったら‥‥、

  • 近くの移動は極力クルマは使わず自転車で
  • 公共交通機関をできるだけ利用する
  • 踏み切りなどでのアイドリングストップ
  • TVは点けっぱなしにしない(できるだけ見ない)
  • 電機製品への依拠を可能な限り減らす
  • ゴミの分別、ゴミの減量
  • 買い物での過剰包装はさせない、レジ袋は不要(マイバック持ち込みは10数年前から)
  • 洗剤は一切使わない(洗濯、清掃、食器洗い、食物、歯磨き、シャンプー、リンス、など全て石鹸系を使う)
  • 無駄な買い物をしない(100円ショップなどでの安物買い → 安易な使い捨てはしない)
  • コンビニを利用しない
  • パック詰めの食品は避ける(魚は1本もの、野菜は泥付きのものを近くで求めるなど)
  • ともかく食品は工場で作られたような加工ものは極力避ける(資本の流通というものからできるだけ遠ざかる)
  • プリント用紙も裏も使うなど過度に消費しない
  • プリンターインクも純正のものは買わずに、他社メーカーの詰め替えインクで対応(全然問題なく使える、カートリッジ使用の削減)

気づいたところをリストしてみたが、しかしこんなことで果たしてどれだけの効果があるのかはまったくと言って自信が無い、それどころか50%削減という指標を前にして、ただ頭を抱え込むしかない。
つまりは今の現代人の生活スタイルそのものを丸ごと替えるところまでメスを入れていかないと無理であることははっきりしているのではないのか。
ボクにはそれだけの覚悟もなければ自信もない。
しかし高度消費社会を突き進んできたボクたちの存在様式そのものが21世紀から先の地球において保証されるものでないことはどうも明らかなようなのだ。
ボクは人間社会の営みというものは、結局次世代にどのように繋げていくのか、ということに尽きるのではと考えているので、やはり問題は深刻であることをあらためて自問するところから始めるしかないだろう。
さらに言えば「美しい星」構想というものが昨今事故を頻発している原発技術のアジア各国への技術供与と、原発廃棄物の地下埋設(処理問題の次世代への先送り)というものであり、二酸化炭素を大気中に放出せず地球深く埋設するという(これもまた地震などでの流出リスクを抱え、次世代への問題先送り)内容に少し立ち入って考えれば、美しい言葉の割りには手放しに同意できるものではないことに気づくのはそう難しいことではない。
自分の仕事の側面からもアプローチしていかねばならないことも自明だけど、今回は言及しなかった。いずれまた。
(ポイントとしては産業革命以来の化石燃料の使い放題に支えられてきた近代文明から、「再生可能エネルギー」への転換ということになるが、木材を主たる素材とする家具制作ということも影響は大きいものがある)
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