工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

祝 ! グラミー賞受賞 [Esperanza Spalding]

Esperanza Spalding

53rd.grammy Best New Artist:Esperanza Spalding

第53回 グラミー賞は日本国内でも複数のミュージシャンが受賞対象となり話題となっていたが、ボクが注目したのは最優秀新人賞(Best New Artist)のエスペランサ(Esperanza Spalding)。

Jazzミュージシャンでグラミー新人賞に輝くなんてこと、過去あったのかな?

最初に彼女のジャジーなハスキーボイスを聴いたのは2年ほど前のこと。
ラジオからだったので、まさかベースを弾きながらのものとは知らず、その後YouTubeで初めてそれを知った。

ウッドベースを弾きながらの歌唱というユニークなスタイルながらとても良いフィーリングを持っている。

女性性をウリにするとか、ウッドベースの弾き語りとか、ややキワモノ的な見方がされるのを拒否し、様々な音楽ルーツを坩堝に放り込み、そこから新たに生み出された独自の音楽世界を軽やかに、そして奥深く分け入っていく感じですばらしいと思う。

‥‥ 「母はウェールズ/ヒスパニック/ネイティブ・アメリカン系で、父は黒人だった」と自身が語る(wiki)

その出自のユニークさとともに、26という年齢にしては音楽体験は深く、また多様で、才能豊かなミュージシャンだ。

この度の受賞は「波乱」と論評したREUTERSの予測はともかくも、実力として申し分のないものだったのではないのだろうか。
飛び級でバークリー音楽大学を卒業したとか、弱冠20歳にして同学の最年少講師に迎えられたとか、その才能と音楽経験の確かさはいくつものデータで証すことはできるはずだが、まずはその演奏をYouTubeで聴いていただこう。
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=w2JRGv91urY[/youtube]
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ogee:ヒョウタン

flame

ogee flame


家具制作において、面形状をどのようなものにするか、ということは、もたらす表情を決定づけるものだったりもするので徒や疎かにはできない。
建具のフレーム内部の見込みに施す面形状も同様。

現代はあまりクラシカルな面形状は古くさく感じるので好まれず、できるだけシンプルに考えるというのが通例だし、ボクも切り面、小さな坊主面でシャープに上げるということが多い。

今回はこれを逸脱してogee、いわゆるヒョウタン面を取ってみた。
以前、開業時の頃、イギリスアンティーク家具ショップの特注家具をかなりのボリュームで請けていた頃に作った傾斜盤用のヒョウタン面カッターがあり、これを使った。
いくらも使っていないので、良く切れる。
全く同じ面形状でルータービットも作ったので、曲面成型も可能だ。

でも今後もあまり使う機会は無いかも知れないね。
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ブラックウォールナットを後ろから撃たないで !

鉛弾

鉛の弾が


ブラックウォールナットの木取りはワクワクさせられることが多い。
倉庫から引きずり出した状態ではなかなか分からないが、一皮剥くと例えようもないほどの色調豊かな杢を拝むことも少なくない。

ところがこのウォールナット、この樹種固有の、と言っても良いような欠陥があることは知っておいた方がよい。
銃(ライフル、ショットガンなどの)の弾が入り込んでいることによる欠陥だ。

過去3度ほど経験している。(当たり屋か、オレは‥‥‥)
今回のものは白太に近い部分であり、また曲面成形することで除外できるところだったので、胸を撫で下ろした。
(顧客によっては、記念だからそのまま残して欲しい、という奇特な人もいたりするが)

直径8mmほどの鉛の弾だ。
外観からは全く気づかず、そのまま手押しに掛けたものの、それでもその異常さには気づかなかった(超硬刃だったこともあるのだろうか。しかしさすがにその後はその部分だけ傷が残ることになり、刃を替えざるを得なかった)

勝手墨を付けようとした時にキラリと光っていることで気づいた。
あちゃ〜、弾や、どないしょ?

と、ドライバーなどでほじくり、取り出す。
白太から少し赤身に入ったたところに潜り込んでいた。
この弾を包み込んで10数年後に伐採されたというところか。
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BESSEY 万能ハサミの威力は

BESSEYクランプ

BESSEYクランプなど

BESSEYクランプシリーズにハサミを加えて

Top画像はうちで使っているクランプ類の一部。
ご覧のように解説するまでもなくそれら全てはBESSEYというメーカーのもの。
右から

  • ボデークランプ:K型
  • F型クランプ:TD-TGK サイズ違いで2種
  • レバークランプ:KLI

ときて、左はハサミだが、実はこれもBESSEY。
クランプ類は開業時に大同興業からそろえた20年を超える年期ものだが、ハサミだけは数日前にやってきた。

数年前から買わねば、と思いつつ、またEvernote導入後、いち早くデータを転記していたにも関わらず、結局購入機会が訪れずに放置してきたのが、このハサミ。

数日前、他の買い物をする際、そのショップで見掛けたコイツもポチッすることができた。

購買欲を刺激してくれるものであったのは確かだが、ついでがあれば、といった程度で推移してきたものが、年貢の納め時がやってきたという奴だ(わずかに1300円ほどのものだったのに‥‥ 苦笑)

まだ本格的に使ってみたわけではないが、さすがにBESSEYだけのものがある、という感じかな。
薄い鉄板からティッシュペーパーまで何でもござれの切れ味。
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魅惑のブラックウォールナットで

Desk:Blackwalnut

ブラックウォールナットの机(脚部)

定まらぬ気象。三寒四温という奴で、春への移ろいであればそれも受け入れよう。

デスクの脚部も完成したので、乾燥した天候の下、塗装を進めている。

甲板はまだ木取りもしていないのだが‥‥。
これは原木から製材し、天乾(天然乾燥)中の桟積みの山を崩して選木していくことになる。
内地産の白木であればこうした天然乾燥の後、人工乾燥を行うことを基本としているが、このブラックウォールナットのような濃色材については人工乾燥はしたくない。

理由は単純、人工乾燥の過程でこのブラックウォールナットの色調が大きく損なわれるからだ。
この魅惑的な色調を留めるためには、人工乾燥が不要なほどにたっぷりと天然乾燥を施し、そのまま工房へと運ばれねばならない。

さて、このデスクの依頼主もBlogをチェックされているので、制作途上ではあるものの、脚部のイメージをお届けすべく一発下地塗装を施し、抽斗も納め、スナップショットとなった。
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抽斗仕口の彩り

天秤指し

包天秤指・ルーター加工


学習机を制作中。
脚部は思いの他スムースにできあがった。

先に取り掛かったこの机に付属するワゴンが複雑な構造であったため、そのボリュームの割にやや難儀な仕事になったのだったが、それに較べれば机本体はシンプルな構成なので当然でもある。

そうした推移でもあったので1台2杯×2の抽斗を少し手を掛けて制作することに。
側板、向板も前板同様にブラックウォールナットの柾目で木取り、仕口も包みの天秤指しでいくことに。

Top画像は前板への包天秤指(つつみてんびんさし)、メンの切削加工を終えたところ。

実は当初テンプレート(Top画像左)を5.5mmの合板で作成して臨んだのだったが、3ヶ所めで中央部が、破損。
その巾、わずかに4mmとあれば、無理からぬところ。

これは天秤のpin部分を3mmほどにしたかったということと、ルータービットとテンプレートガイド径の差尺の問題でそうならざるを得なかったことによるのだったが‥‥。
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食の彩り・寒い夜はポトフで

ポトフ

三枚肉のポトフ


久々の「耐乏的グルメ生活」エントリ。
寒い日の食卓は鍋もの、おでん、湯豆腐などをふるまい、心身ともに暖まるというのが定番だが、洋風おでんと言えば理解しやすいポトフもこれに加えてみよう。

素材は台所の片隅に転がっている根菜類が基本だが、キャベツなどでも美味しくいただけるね。
肉は鶏でも牛でもソーセージ類でも良いが、今回は豚のバラ肉。
(うちの冷凍庫には豚バラ肉のブロックが欠かすことなく納まっているのでね)
こうした煮物に限らず、中華でも何でも利用価値が高く、また豚を堪能するにはバラ肉という部位がサイコー。

以下、簡単にレシピを。
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ビックな毛引きも時には‥‥

毛引き

毛引き5種


画像はうちの代表的な毛引き、5種。
今日は右端の大きな毛引きも、時には必要ということでご登場願った。

引きだしレール墨付け

引きだしレールの墨付け

300mmを超える深さの抽斗のスライドレールの位置決めの墨付けだ。

直定規にストッパーを付け、これを毛引きとして代用したりもできるだろうが、毛引きの使い勝手には勝てない。
あるいは海外の木工関連ショップを見れば、この毛引きと同じ目的を持つ道具もあるようだが、概して使い勝手が悪い。
いやいや、使い勝手以上に、日本の毛引きが鍛鉄刃物でできていることに対し、彼の国のものは、ありゃ、まともな刃物じゃないのでシャープな筋は引けるわけもない。

他の多くの道具同様に、日本が誇るべき大工道具の1つである。
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春めいて‥‥、

工房裏の藪椿がほころび始めている。
春である。

春への胎動を知らせる節分が引きつれてきたものが〈大相撲・てんやわんやの八百長騒ぎ〉の突風だったわけだが、それもまたすぐれて日本的特異現象なのかも知れない。

日本の“国技”に関わる騒動ゆえの現象ということを言っているのではないよ。
日本社会の在り様の特異性、日本文化の特異性というところから考えて見たい、ということなんだ。

しっかし、ここまで動かすことのできない証拠、ケータイメールLogが露見したからには、相撲協会としても相応の覚悟が求められるだろうね。

TVモニターからは、相撲評論家なる面々のしぶちん顔が並び、「前代未聞」「またしても信じがたい不祥事」なとと、心にも無いようなことをしゃべくっていて、と、顔の後ろではベッとベロを出しているような感じで、ただ虚ろに響くだけ。

あんたたち専門家がこんな実態知らなかったなんて、誰が信じるというの?
ホントに知らないというのでは、知見も、取材力も、洞察力も、評論家としての基本的な資質に欠けることを自ら認めるに等しい。

ボクは悲運な状況の中にあって引退せざるを得なかった朝青龍、そして現役時代には彼と仲の良かったと言う、今もなお現役でふんばっている魁皇のファンだった。
つまり多くの人と共に、等し並に相撲を愛した者の一人。

しかし、過去何度か語ってきたように、この大相撲を日本固有のすばらしいスポーツで、「国技」だからとか、「品格」があるからとか、という理由で好きなわけではない。
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〈 ZDP-189 〉の切り出し

1月は記録的な豪雪、新燃岳噴火・降灰などの自然災害、あるいは鳥インフルエンザの発生などと、2011年も多事多難な船出となっているね。

今日から如月2月。
数日後は節分、そしてその翌日には立春。
この頃になれば、寒さも一段落で、少し気温上昇も期待できるとのこと。
残念ながら冒頭のほとんどの問題は、月をまたぎ持ち越しになっていくのだろうが‥‥。

画像は朝の工房内の光景。
薪ストーブに火が入ると、ブリキのバケツに水を張り、ボンドをジャポンッ。
過度な低温では、全く言うこと利いてくれないからね。

それにしても木工作業において低温はまだしも、すさまじい乾燥が続いているのがはなはだ都合が悪い。
当地域、1月の積算降雨量 ゼロだよ、0.0mm !! 。

サスリで接合したはずのものが数日もするとメチがでてきちゃう。
部材の巾が100mmも超えると、この過剰な乾燥状況では仕方がないか。

抽斗の仕込みも悩ましいね。
あまりタイトに仕込むと、これは間違いなく梅雨時にはウンともスンとも動かなくなるぜ、誓ってもいい(なんか、妙な自信だけれど‥‥)

さて、今日の話題は特殊鋼
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