工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

金具の悩み LAMELLO SIMPLEX


先のエントリーに繋がる金具のこと。
今回はある顧客の要望で、ベンチとスツールを結合させて広く使いたい、との要望をどう叶えるのかの解決方法です。
簡便に、しかもタイトに、という条件でいろいろ考えたあげく、編み出した手法がこれ。
以前、ちら、とご紹介しました。LAMELLOの機能部品(HAFELEではコネクターと称し、LAMELLOではSIMPLEXと称するようです)を使ったものです。
これは15年ほど昔にこの「LAMELLO TOP10」を購入した時に1個サンプルとして付属してきたものですが、頭の隅っこに置いてはあったものの、使う機会がないまま経過。
この度晴れてそのチャンスが訪れたということで、その意味においてはありがたいお客ではありました。


この機能金物の形状は写真のように、外形、サイズはLAMELLO の#20と同じです。
材質はアルミダイキャスト。叩き埋め込むのですが、抜けにくいクサビ型の面になっているので、2液性エポキシボンドを使うことで抜け落ちは防止できます。
ただ、内部ディテールは釣り針状になっているのです。これが左右から嵌り込むと、しっかりと結合されるというもの。
1Pairでテストして、使用に耐えられることを確認後、客に提案。OKを取ってから、販売元の一つ、HAFELE Japanに発注。独国から輸入されるのを待って、本格的に試作。


今回はベンチとスツールを3点で結合させることにしたのですが、なかなか良い感じで、本制作。実に良い感じで結合、解放ができるのです。
しかもなかなかタイトで、Goood !!
本来はキャビネットなどの結合のためのものだと考えられますが、応用は効くもの。
こうした結合のための機能金物は他にも数種ありますが、一見簡易で、安易のようにも見えますが、どうしてどうして、立派に機能を果たしてくれます。
なお、購入の際には、「マウンティングツール」という位置決めツールも購入しましょう。
最後にLAMELLOを使っている人は多いと思いますが、刃ですが、替え刃のものがあるのはご存じでしょうか。「Leitz」から専用のものが出ています。研磨で4mmの厚みが替わるのは困りますからね。

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