工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

日本食文化

一昨日でしたか、NHK TVで日本食の特集をしていました。ニューヨークで、パリで、今や食通は日本食なんですって。
そのほとんどは如何に生ぐささを押さえ、西洋人に楽しんでもらえるか、という苦労話でした。
しかし日本人にはもちろんそのようなお世話は不要です。素材そのものを十分に味わえる舌と食文化を持っています。
ボクはここ15年ほどでしょうか、意識的に素材への味付けは薄めにするようにしています。
これは決して生活習慣病を防止するといった動機に発するものではなく、あくまでも食欲に関わることからです。
味を濃くしますと、本来の素材の持つ味がわからなくなります。これを怖れるからなのです。ほぼ同時期にたばこもやめました。
その結果、舌の味覚が研ぎすまされてきたのか、素材の味というものが良くわかるし、薄味の出汁も美味しく感ずることができるようになってきているようです。


食事というものは人生にとって大きな意味を持ちます。もちろん一義的には動物的本能としての生きるための源でもありますが、料理というものは数千年かけてつくりあげられてきた文化です。友と飲み語り、美味い料理に舌鼓を打つことは人生のかけがいのない快楽のひとつです。
ボクの場合は、何も高級な料理は不要で、素材を活かした適切な調理法に素材への愛情というスパイスを加えてくれれば十分です。
さて、写真のものが食卓に上がりました。はて何かお分かりでしょうか。
でんでん虫、カタツムリ !  違います。
そんなものいくら下手物食いでも食しません。エスカルゴ?、そんな高級なものも手に入りません。
「尻高(シッタカ)」という貝です。お尻が尖っているので、尻高。
真ん中の白くにょろにょろしたものが身を引き出したところ。
このように見事に出すことができれば尻高通 !?
食用です。そのまま塩ゆでにしたものです。みそ汁なんかに入れても美味。
最近は無沙汰してますが、夏になると毎年のように伊豆の海に出かけたものですが、忘れてならないのはシュノーケルの他に、キャンプ用のストーブ(コンロ)。
他でもありません。この尻高をもぐって採って、その場で茹であげ食します。
よく海上の漁船からラルドスピーカーで、「そこの人〜。貝、採っちゃだめだぞー」って怒られました。しかしそれはあわびや、さざえが対象で、こんな小さな貝などお目こぼしのはずです。
そんななつかしい貝がマーケットにあり手頃な価格でもあったので、買ったのでした。
素材がよければ調理法といった大層なことは無用。
沸騰した湯に天然の塩を入れ、60秒ほど茹であげればOK。
食べ方は爪楊枝で、ていねいに、ていねいに、巻き巻きしながらシッポの先までつまみ出しましょう。奥の内蔵部分が特に美味。なかなか入手できないでしょうが、お試しあれ。

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  • 今日は。
    私は日本語を勉強している中国人ですけど。
    卒論のテーマを「日本と中国の食文化の違い」にしたいです。しかし日本の食文化についてはあまり知らないんです。
    もしよかったらご協力お願いできますか。

  • 「日本食文化」で検索して来られたのでしょうが、ボクは適任ではないでしょう。
    「食は中国にあり」が古来からの定説。
    「日本食」は近代化の中で揺らぎ、変容し、解体しつつあるかに見えます。
    しかし日本人の咀嚼機能が100年やそこらで変わるとも思えないので、原日本人に立ち返り、五穀を食べよう。
    (答えになっていない?)

  • 分かりました。
    ありがとうございます。

  • 私は一年前日本に来ました、日本の食文化に特に興味を持ってます、先生の文章拝見いただいてちょっと伺いたい質問ありますが、日本の食文化の特性は何ですか?たとえは日本と欧米と中国と食文化の共存と交流は何でありますか?ご本人は食文化にものすごい興味があります、先生のご返信お待ちします、ぜひよろしくお願いします!
    ますます寒くなる毎日にお気をつけ、健康をお祈りします!!

  • ギンダンさん 日本語での難しい質問ですね。
    日本食の特性とは?
    例えて言えば引き算の調理法であり、海の幸、山の幸といった天然素材の持つ味、そしてその姿形、色なども含めたものを活かし、あるいは引き立て、調理すること、かな。
    それとやはり仏教文化を背景として、「生きとし生きるもの」を人がありがたく頂戴する、という観念でしょうか。

  • 犬も食べる中国の食文化とは・・

    犬も食べる中国の食文化とは・・中国では空を飛ぶ鉄の鳥と道路を走る鉄の猪以外、食の対象とされているが、犬も食べてしまうというのはいかがなものかと・・・戦後の日本にもいても犬を食べるということがあったらしいが(赤犬は食肉犬とされていたらしい)日本では考え

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