工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

蛙の合唱と、時代の転換

たんぼ
気象が安定しませんね。
今朝は雷を伴う強い雨で、ADSLラインを切ったり、トラックのシートを直したりと、寝ぼけ眼をシバたたせ慌てさせた。
5月も間近に控えたこの時期というのは、果たして例年こんな感じでしたかな。
画像は夕焼けに染まる田植えから3週間ほどたったたんぼ。
古来からさほど変わることのないアジア特有の光景であり、我がモンゴロイドがたどってきた人類の歴史とともあった心象風景でもあるだろう。
ボクの脳裏にもガキの頃より固着してきたなつかしい光景の1つ。
個展を控えて慌ただしい日々を送っているが、関連する所用で出かけた際の帰路途上で撮影したもの。
早苗から育ちつつある稲が水面に映え、そうした光景に彩られた風土がもたらす独特の光景。とても美しいと思う。
人の営みとしての農作というものが形作る光景だが、これが自然の力を借りて日々成長し、夏休みも終わりの頃になると黄金の稲穂が重々しく垂れて農家も忙しくなる。



再開された政府による事業仕分け作業は、ややパフォーマンスが先行した形だが、道路とはこものばかりを作ってきてしまった土建屋国家もいよいよ終焉を告げていることだけは疑いないようだ。
最近よく聴く話として、中堅の土建屋がもっぱら農業へと業務転換し、大いに成功を収めつつあるとのこと。
無論ごくごく一部の進取の精神を発揮する努力家の経営者によるものなのだろうが、良き選択だろうと、ついこちらも頬を緩ませるようなほっとさせるエポックだと思った。
農業はいよいよ大切な産業として再評価されていくだろうから、ブルドーザーから、トラクターに乗り換えるのは時宜にかなったものだろうし、少しでも食糧自給率の向上へとシフトしていく、良いチャンスだろうと思う。
民主党政権も、いくつもの稚拙な政権運用でぐらついているようだが、日本のファンダメンタルな領域における大きなシフトチェンジを記すきっかけを作ったということにおいては、大いに評価すべきだとボクは考えているが、そうした大きな歴史の流れに沿う正当な分析をせずして、ただただ浮薄で表層を追うことしかできず、叩くことだけが社会的使命であるかのような振る舞いを恥ずかしげもなく延々と続ける大手メディアには反吐が出る思いだ。
結果、そうして自らこそが古くさい既得権益にしがみつく一翼だったことを証しているに過ぎない。
辛い思いを抱えながらも積極的に業務転換を試みている土建屋の親父の方がよほど開明的で、賢明な人々だ。

冒頭書いたように、今朝は荒れ気味の陽気だったが、今後大型連休中は概ね良い天気で推移しそうとの予報。
ありがたい。多くの方々は連休で行楽に出かける時期で喜ばしいだろうし、ボクも個展への追い込み作業のこの時期、晴れてくれるのは大いに救われる思いだ。
たんぼの撮影の時、蛙の合唱が聞こえたのだが、都市にはないこの小動物のざわめきへの懐かしい感受というものは田舎暮らしの者の特権だと思った。
どうぞ皆さん、良い連休をお過ごしください。
その後、時間と興味があれば、ぜひ名古屋松坂屋の個展へと足を向けて頂きたい。

《関連すると思われる記事》

                   
    

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.