工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

電子納税なるシステムはは未だ普及せず

確定申告は皆さん済ませましたか?
善良なるタックスペイヤーであるボクは今朝送付手続きを済ませた。
ところで〈e-tax〉なる納税システムについてはご存じの方も多いはず。いわゆる電子納税のことだね。
IT環境ということではそれなりに整備しているボクだけれども、この〈e-Tax〉は使わなかった。
ただ国税庁Webサイトはこの〈e-Tax〉の他「確定申告書作成コーナー」というページで必要事項を書き入れることで、申告書、収支内訳書などが PDF で吐き出されてくるというサービスがあり、これを利用している。
これはこれでなかなか快適に操作でき、計算間違いも無く、ありがたいものだね。
昨年度から利用させて貰っていた。
さてなぜ〈e-Tax〉を使わないかというと、昨年末頃に国税庁からこの〈e-Tax〉の書面での案内があり興味深く読んでいたのだが、使用環境においてMacはサポートしていないことが分かったからだ。
アンケート項目があったので、その旨Macもサポートするようにと記しておいたのだった。
今年になってからニュースなどでもこの〈e-Tax〉が全く普及していないという問題が取り上げられていた。利用率は1%にも満たないと言うではないか。
恐らく膨大な予算を計上しシステムを構築しただろうし、受信態勢、メンテナンスでもかなりのコストを掛けているものと思われるが、この利用率では全く費用対効果ということでは破綻しているということにはならないのか。


問題は多々あるようだ。
まず利用するための事前の準備が必要とされ、これがとても煩雑だと言うことがあるようだ。
「電子証明書」なるカードを在住する役場から発行して貰い、さらには専用のカードリーダーも購入せねばならない、などといった手続き、ハード、周辺機器の整備が必須となる。
これは確かに税金の申告という極めて高度な個人情報に関するものである以上、個人認証のハードルを高くせねばならないところから、必然性のあるシステムであろうとは思う。
他では上述のようにコンピューター環境による制約もあるのかな。
(上述したMac対応問題の方は最近クリアされたようだね)
ボクは起業以来、確定申告書類の作成は一貫して自身でやってきた。
最初は難しかったが、たまたま先輩に税務を職務とする人がいたので、電話でサジェスチョンしてもらい、書き上がった書類をFAXしてチェックしてもらい、修正の後に提出したものだった。しかしそれも初年度だけ。後は一人でやってきた。
しかし多くの自営業者は所属する商工会、依頼している税理士に面倒を見て貰っているだろう。
そうしたところでは現在もなお税理士が紙に書くというのが一般的なようで、残念ながら e-Tax は利用しないのがほとんどなのだろうと思われる。
しかしやはり、普及しない理由として国税の至らなさは指摘されても良いだろう。
別の事例を挙げてみようか。
ETCという高速道路の利用料金の徴収システムのIT化というものがあるが、今ではかなり普及してきているようだ。
これはしかしそれまで広く使われていたハイウェイカードというものの発行を止めてしまったので、やむなくETCに切り替えざるを得なかった、とうことが大きなインセンティヴになったことは明らかだろう(ハイカの利用停止にはほとほと困惑させられたものだった)。
ETCというシステムは世界的に普及してきているようだが、日本のようにETCのハード(認証機器+アンテナ)をユーザーに買わせると言うところは少ないようだ。多くの国ではレンタルさせたり、あるいは無料で貸し与えたり、というユーザーへの負担を極力減らして普及させてきているということを知った時、何と日本という国は市民に冷たい国なんだろうと嘆かわしくなったことを覚えている。
大体、車両運行の履歴を全て補足されるというシステムの気色悪さったらありゃしない。(これはまた別の問題なのでここでは論じないようにしよう 笑)
つまり、本当に普及させたいのなら、もっとハードルを低くして提供すべきところだろうと思う。
リーダーは貸し出す、e-Tax利用者にはいくらかでも減税させる、などと言ったことはすべきだろうし、これは決して無理難題とは思わない当然の要求だろう。
さて実は昨日日曜日に書類作成コーナーを利用させてもらったのだが、一部不明なことが出てしまった、記入データの保存、読み取りが適切にできないのだ。
そこで問い合わせをすべく関係箇所に電話でのサポートを受けようと考えたが、ども日曜日とあって閉鎖していた。
確かこの時期の確定申告期におおいては24時間受付であったはずだが、普及を推進しようというスタート時にせめて電話対応は日中だけで構わないものの、申告〆切間際の日曜日くらいは空けておいて欲しいものだ。
恐らくはコンピューターがいくら普及しても、ネットアクセスのハードルが低くなったとしても、現在の状況下では e-Tax の普及が促進されることにはならないだろう。
官僚の考えることはどこの省庁もちぐはぐだね〜。
潤うのはシステム構築に励んだ関連業者、メンテナンス業者。そしてもしかしたらキックバックされる発注者(税務当局担当者)?
PS:Mac環境でe-Tax利用された方いらっしゃいます?
確定申告書等作成コーナー

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