工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

工房の週末

ウォールナットテーブル
あわただしい週末だった。
昨日は愛知県下の顧客2軒へ足を運び、納品とテーブルトップのメンテナンス、そして秋の展示会の打ち合わせでギャラリーへ。
オイル仕上げでのテーブルトップはなかなかやっかいではあるね。
一定の耐水性、耐熱性はあるものの、一般に広く使われているウレタン仕上げのものに比較すると、その劣化の進行は否めない。
これもユーザー側の理解にもとづいた日頃のメンテナンスにより、その経年変化も様々だろう。
うちでも一般にテーブルトップについてのみ、ただの植物性オイルではなくウレタン結合のものを使ったり、下地処理にウレタンシーリングしたりと様々に試行錯誤してきているのだが、オイルフィニッシュの良さを確保しながら、なおかつメンテナンスフリーを確保できるようなものを追求しているが、未だに完璧と言えるものに到達していないというのが現状だ。
さて、今回もランダムオービタルサンダーにて下地を研磨し、その後にウレタンミックスのオイルを拭き込む作業をインターバル3時間を置き2度行った。
幸いにして天気も回復し、乾燥も進んだので2度目の拭き込みも完璧に終了した。
顧客は新たなテーブルトップのRenewalに感嘆の声で迎えてくれたものだ。
ついでに椅子の方も座面を中心に改めてオイルフィニッシュでの再生を行った。(こちらの方は普通の純植物性オイル)
実は完璧とは言っても高温であったため、最初は乾燥が進みすぎややムラになってしまったのだったが、すぐさまシンナー分を増量したミックスオイルで追いかけで拭き込むことで、このムラは解消させることができた。
顧客宅での作業は、所定の内容で全てスムースにいくなら問題はないが、時として思わぬ事態が発生することもあり、これをフォローする態勢を確保するのはなかなか困難なことだ。
これらをどこまで想定しつつ準備できるかがポイントであるが、これらも経験の蓄積、応用力での対応が必要になってくるということになる。
昨夜はこうして夜も更けての帰宅。今日はまた地元自治会の役員としての公務に奔走。
明日未明のFIFAW杯決勝戦も起きてTV観戦しなければならないと言うので、本来の週末としての機能が果たせないまま床に就くことになってしまいそう。
でもしかし週明けからの工房での仕事に入ればまたあらたな淡々とした制作活動に入ることが出来るので充実した時間を過ごすことも出来るだろう。
まだまだ湿潤な環境での仕事を強いられるが、皆さんも腐らずじっくりといきましょう。

《関連すると思われる記事》

                   
    
  • あ、このテーブル見たことある、と思ったら、そうか、
    2月28日納品分のトップ面の塗り直しをしたんだね。
    walnut の、なんともいえない深い色の味わいが、一段と
    引き出されていて見事。
    顧客の「感嘆の声」と表情が、目の前にありありと――。
    >昨夜はこうして夜も更けての帰宅。今日はまた地元自治会
    の役員としての公務に奔走。
    忙しいね。まさしく、東奔西走(実際は、西奔東走か?)。
    そのうち、島田市議に立候補したりして……。
    冗談はさておき、ZIDANE は、さいごに「切れて」しまった
    のか? 決勝前のインタビューでは、ずいぶん冷静な態度
    で、好ましかったのになあ。
    そういえば、ZICO もJリーグの現役時代、三浦カズがPK
    を蹴ろうとした直前、そのボールに唾を吐いて、一発退場。
    こういう連中には、工房悠特製のオイルフィニッシュでの
    再生が、必要なのかも知れないね。

  • 新しい情報が入ったので、前回のコメントのうち、
    >ZIDANE は、さいごに「切れて」しまったのか?
    の部分を修正します。
    けさ(12日)の朝日新聞によると、やはり、MATERAZZI
    が、人種差別につながる暴言を吐いて、ZIDANE を侮辱
    したために、ZIDANE はやむなく、頭突きという抗議行動
    に訴えざるを得なかった、というのが真相のようだ。
    《読唇術の専門家と伊語通訳がビデオを見て、MATERAZZI
    が「テロリスト売春婦の息子」とZIDANE に言ったと判断》
    との旨の新聞記事により、ZIDANE の抗議行動の裏が読め
    ました。
    “Say No”to Racisim を必要とする世界の構図が、World
    Cup 大会を通じて、図らずも顕現化された格好です。
    あれ、なんだか「社会の時間」になってしまったようで、
    恐縮です。

  • 風邪に吹かれて、さん コメント感謝です。
    W杯決勝戦でのジダン(大会MVPの栄誉を受けた)の頭突き問題についてはFIFAも本格調査に入るなど、その波及は拡がる一方ですね。
    前回W杯直前の移民排斥を党是とする国民戦線、ルペン党首からの悪罵を想起させます。本人の事情説明記者会見があるというような報道もありますが、事柄が微妙な問題であるため本当の真相は明らかにならないのでは?

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.