工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

DOMINO活用・こんな場合にも

DOMINO

恥ずかしいミスを晒しても、Dominoの効用の一端を理解してもらうためであれば仕方ない。

ある木工品を作っているのだが、
枘の取り合い、小穴の位置などが少し複雑なため、その部分を仮組し、確認したまでは良いのだが、この枘を抜く際に折ってしまった。
枘が穴に残った状態でもげちゃったのだね。

さて、一般にはあらためて部材を作り直すのが良いのだが、
この部材には既にいくつもの加工が施され、しかも完全なる復元は至難、という代物。

どうするか。
DOMINOである。

本来の枘に代わり、Dominoの平ダボを使うことで、簡便に解決させる。

今回はたまたま8mm厚の枘であったため、Dominoの標準の厚み(8mm)のもので代替可能。
枘の巾の方は、打ち込み、固めてから、別途昇降盤で然るべく加工を施せば良い。

さてところで、では最初から全てDominoでやれば良いだろう、と考える人がいるかもしれないが、そういうことにはならない。

Dominoの作業性、位置制御の方より、通常の昇降盤での枘加工の方が精度、作業性、いずれにおいても勝るからだ。
今回の部材のようなホゾ加工においては、Dominoはあくまでも代替のための方法と考えるべきだね。

代替ではあるが、しかし今回のような緊急避難的であるための困難を、いとも容易く解決してくれるという切り札としてのそれである。

では、Dominoと似たマシンのLamelloだとどうだろう。
こちらはやはり厚み方向の位置制御はできるけれど、巾方向は難しく、またDominoのように狭い幅での穴開けはできない相談。

こうして我が工房では、稼働率としては申し訳ないほどに低いものの、このように突発的なケースに無くてはならないマシンとして、Dominoの居場所も徐々に確かなものとなりつつあるようなのだ。

hr

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