超重量級 オノオレ樺の特質と加工の難度
前回のテーブル制作の記事でも、オノオレカンバ材に関わる話しを書きましたが、あらためて、その特質、制作における留意点を書き残します。
この材について検索掛けますと、〈お六櫛〉に代表される用途とともに、その理由などを説くページが多いようですが、より学術的にアプローチされ、かつ製材から乾燥管理、そして活用法などの詳細で有用な記事が公開しているのが、今回の材の供給元でもある【AQデザイン開発研究所】の阿部さんのWebサイトです。
インターネット上では、これ以上に参照すべきページは無いほどに充実しています。

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- オノオレカンバ・ミネバリの腐朽菌レジストバリアとセルフキュア 最も硬く重い最大級ハードウッド稀少樹種の内相 Insight (Webサイト)
- オノオレカンバ・ミネバリの重厚緻密で優れたノーブルな好感度材質 _美質と最高の楽器音色 (Webサイト)
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したがって、ここで私が書き記すとすれば、制作者サイドの経験からの留意点などになります。
ま、でも家具制作の分野においては、よほど酔狂な人でないとこの材に触れることも無いでしょうから、こんな稀少な材もあるんだといった程度に読み流してくだされば結構でしょう。
重さについて
とにかく重い。
比重1.0 に限りなく近いという気乾比重ですが、私が材積と重量を計測したところ、比重は1.0を少し越えるほどの重量でした。
4寸というかなり厚く製材された材で、人工乾燥は施さず、天然乾燥のみだったことから、やや乾燥が甘い状態だったのか、公称値より少し重い数値が表示されたのかも知れませんが、とにかく水に沈みます。
国産材でこれを越える気乾比重のものは無いでしょう。最重量級の材種で間違い無いです。
私がよく用いるミズナラやタモ、あるいはブラックウォールナット、ブラックチェリーと較べ、5〜6割増しほどの比重差になる計算ですが、手に取った感じでは2倍ほどの重量に感じるほどの重さです。
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木工家具のデザイナー & 職人のartisanです。
