工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

日立ハンドルーター〈M12〉は健在

日立工機
手持ちの電動工具でベアリングを交換するというのは初めてのことだった。
大型の木工機械では数回の経験がある。
しかし電動工具用のベアリング交換は簡単そうに見えても専用工具が無いと無理でありメーカー修理へと出した。
M12という日立工機のハンドルーター。
起業当時から使っているので、ほぼ20年の稼働。
ルーター作業のほとんどは大型のピンルーターに依ることが多く、ハンドルーターの出番は少ない。
せいぜい蟻溝加工であるとか、大きな天板の成型加工などか。
そうした使用状況のため20年経過するもこれまでベアリング交換の必要がなかったと言うことだろう。
このところ使用上の不具合があったわけではないのだが、回転音の不調があり、こりゃベアリングがイカレてきたわ、と察知し修理交換へと出向かせることと相成った。
本来であれば購入店を介してというのが普通のようだが、県庁所在市に「日立工機販売」があり、ここで受け付けてくれることを確認し持ち込んだ。
最初事務棟のドアを叩くと、ここではなく隣の棟だと言われ、「修理センター」なる小さな看板のドアを見つけ入ると、そこはいきなり工場だった。
なるほど、どこかに持ち込むのではなく、各地域の販売店に付設された自社の修理センターでスタッフが直接行うのだと知った。
たいそうな機械がおかれているというのではないが、プレス数台、中型の旋盤1台、その他測定機器等々。
中年の機械工風の一人のスタッフが忙しそうに立ち働いていた。
ベアリング交換だと4、5日見てくれればやっとくよ、そこの紙に名前書いといて‥‥、と言われ、少し話でも伺おうかと粘るつもりが気勢をそがれやむなく退散。
M12修理完了の連絡をもらい引き取りに行くと、今度は事務棟の方だという。
ビニールで覆われた我がマシーンが待ちかまえていた。
その場で電源を借り、回転の確認をさせていただく。問題なくスムースな回転で音も悪くない。
ところが修理費用の精算処理がうまくできない。
伝票をあちこちと探し回る風。
??、どうもユーザーが直接持ち込み修理依頼のケースはほとんど無く、そのための伝票様式が用意されていないためであったようだ。
迷惑を掛けて済まないね、と少し詫びつつ暫し処理を待ち、無事済ますことができた。
経費、7,000円ほど。これは直接の依頼と、販売店を介してのものとの差異はないだろうと思われる。
その後、特段の用があるわけでも無いのに件の修理センターを再訪。少しお話しさせていただきながら、スナップを撮らせていただく(Top画像)
これでこのM12もさらに20年の使用に耐えられるかな?(それはあまりに甘い期待?)
いやいや現在の我が工房でのハンドルーターのメイン使用はFestool社の《OF 1400EQ》に大きくシフトしていることで出番は少なくなっており、かなり長期にわたって使っていけるだろう。

時にはアウトソーシング

白ユリa
暦をめくると明日8日は立秋を示しているのだが酷暑の今日、板の削りにとトラックで走った。
ただそれだけで顔がほてる感じ。車内にいただけで少し焼けたのかも知れない。
起業当時はプレナーも狭いものしか設置していなく、削り専門の業者まで走るということも多かったが、24″のものを導入して以降、それもなくなり木取りについてはほぼ自力でこなす態勢が整えられている。
しかし今回は2.5mほどの大きなテーブル制作とあって、天板の基準面の削りはうちの手押し鉋盤ではいささか手に余る。
2枚矧ぎで90cm強の幅のテーブル。可能であれば500mm幅ほどの手押し鉋盤で定盤も長いもので削りたいところだが、しかしこれはかなり特殊なものになるので望むむべくもない。
県の工業試験場には400mm幅のものがあり、これを借用することにした。
うちのものとは10cmの差しかなく1枚の板を削るにも幅が足りないが、機械のレイアウトの余裕において大きな差異がある。
しかし苦労したね。2.5mという長さは、やはり長い。
2人での作業であったが、定盤の長さの限界が大きく影響し望むような切削が出来ない。そこへきて試験場の機械とあり必ずしも調整は万全ではない。後ろテーブル(定盤)の設定が首尾良く行かないことで平滑な切削がなかなか出来ない。
Tシャツを汗でずぶ濡れにしながらやっと何とか満足のいく削りが出来た。
ここにも24″のプレナーが設置されているが担当者のあまり調子が良くないとのアドバイスを受け、厚み決めはうちでやることにしてそこまでとした。
後は10cm幅の未切削の部分を電動鉋、手鉋で削り、プレナー → 剥ぎ面切削(手押し鉋 + 長台鉋)→ 剥ぎ という流れ。
しかし2.5mはいかにも長い。
5人の子持ちの、若いファミリーのために大汗での作業は続く。
画像は庭に咲き誇る「高砂百合」(のはず)。
昨年のBlogアーカイブを確認すると8月10日にこの白ユリをエントリーしているので、ほぼ同じような開花状況か。
過去関連記事
白ユリb

木槿(ムクゲ)3種

ムクゲ1

ムクゲ(木槿、槿はアオイ科の落葉低木)。
知る人も多いと思うが韓国の国花。
韓国では“無窮花”(무궁화 ムグンファ)と呼称されるようだ。

撮影は数日前自転車で銀行まで出向いた帰りのもの。
雨雲がたれ込める中でのもので、コントラストが取れない悪条件。
そうした状況下でしかもコンパクトデジカメでも、まずまずの結果。
かえって梅雨時らしい空気を感じさせる。

ムクゲ2“無窮花”と呼ばれるのは“一日花”ですぐしぼむが、次ぎ次と花を付けるところからのもの。
韓国観光公社

以前はよく知らずにいて、韓国の国花は鳳仙花(ほうせんか)とばかり思いこんでいた。

女の子が赤い花びらを爪に付けマニキュアとすることで大人びるというその花のことだが(爪紅 つまべに、ともされるとのこと)、朝鮮古謡でも有名なためか勝手に思いこんでいたのかも知れない。
朝鮮・韓国の皆さん、スミマセン。

花はいくつもの品種があるようで、下のピンクのものは八重咲きだね。
いずれも小さな工場の庭の一角に一箇所に咲き誇っているもので、ここを通るときはいつも見とれてしまう。9月中までは楽しませてくれるだろう。


台風第5号 (ウサギ)は秋田沖を北東へと30Km/hで進んでいる。
東海地方へ150mmほどの豪雨をもたらすという予報は見事に外れ、青空ものぞく天候で助かった。東北、北海道の方々、要注意ですね。
明日は板ものも加工できるかな。
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クサビ考

大和脚部
ホゾの接合度を確保するために割りクサビを用いるということは建築の世界に留まらず家具制作においても一般によく見られること。
恐らくは人類が木を用いてシェルターを作ろうと試みた古来より当たり前のように使われてきた手法の1つだろうと考えられる。
それだけシンプルで確度の高い接合手法ということになろう。
近代工業社会の下で木工仕口の世界が激変し、接合仕口においても簡便な金具が開発されこれらに委ねることも多くなっているとはいえ、この割りクサビによる接合は決して廃れることは無い。
これは主材と同じ素材を用いると言うことの親和性(金具などを用いると、木より先にその金具の方の寿命が短いため劣化が早い)はもとより、テクニカルな考え方からしても理にかなった手法であると言うことは古来より何も変わることはないからだ。
しかしボクはあまり積極的にはこの手法を取ることはない。
最大の理由は美しくないから‥‥。納まりが綺麗でない。
木口を見付、見込部分に出すというのは日本の伝統的な木工文化の文脈からすれば忌むこととして考えられているからだ。
見付、見込部分の美しい木目の流れを断ち切り、そこに無粋な木口が顔を出すというのはいかにも野暮ったい。
古代の木工とは異なり、現代においては切削精度ははるかに高度なものが確保でき、このホゾの接合度を保証する接着剤も古代人が手にすることのできなかった文明の果実として利用できる。
今や割りクサビを用いなくとも、高精度の加工と、適切な接着剤の選択により、強靱な接合を獲得できる。
しかし近年、量産家具に対抗する“手作り家具”という制作スタイルの手法の1つとして、この割りクサビというのがむしろ積極的にアピールポイントとして用いられることがあるようだ。
見るからに“良い仕事をしていますねぇ〜”という評価をアテにすることもできるだろうから。手軽な戦略ではある。
そうした手法を取り入れるという、やや自虐的なケーススタディが前回のLamello解説の対象として取り上げたものと同じ「アームチェア大和」の後ろ脚、前脚それぞれの接合部。
“良い仕事をしていますねぇ〜”という評価をアテにする手軽な戦略ではないという積もりはないが、椅子という家具は過酷な使用環境におかれることからの防衛策でもある。
キャビネット、卓類では不要でも、座った人の様々な動きに堪え忍ばねばならない椅子には強度の靱性が求められる。
しかも「アームチェア大和」はかなり削り込み、絞り込み、軽量化を図った椅子である(多くの人がその軽さに驚く)。
この一見華奢なパーツのボリュームで求められる靱性を確保するにはこの割りクサビというのは手頃な手法ということになる。
したがって、序でに(苦笑)“良い仕事をしていましてねぇ〜”と照れ笑いを浮かばせ頭を掻く(本心は後ろめたいのだが‥)。
他の手法を取ることも出来なくはない。ホゾの抜けを防止させるためのアンカーを真横から打ち込むことはトラッドな椅子の仕口にもよく見られることだ(これらはこれ見よがしにするのではなく、さりげなく見えない箇所に打ち込まれるのが普通だ)
1分ほどの太さのカシ材のテーパーのダボを打ち込む(木釘の大きな奴だ)。
さてこの手頃な割りクサビ。手頃に作るにはどうするかって?
クサビ作りまず材料だが、目が通った柾目の幅広材を使いたい(わざわざ木取るのではなく、他の家具制作の際の落とし〔余り材〕を使えば十分)
準備するもの?、何もいらない。丸鋸昇降盤と標準の三日月定規、それにどんなものでも良いのでそこらに転がっている木のブロックだけ。

  • 木取り:必要な厚み(ほぞの厚み)、長さ(クサビの長さ)、幅は出来るだけ広く‥
  • 切削方法1:丸鋸昇降盤で三日月定規を適切な角度に傾斜させ、切り落としがフェンスに挟まないように、切削厚み決めは木のブロックをフェンスにあてがい行う。
  • 切削方法2:加工材を三日月定規に密着させ、ブロックで位置決めし、そのまま丸鋸へと押し進めれば良い。1枚が切削できたら、加工材をひっくりかえし、同じ動作を繰り返す。

リズミカルにチュン、チュンと。
今回15脚ほど組んだので1脚に8個、余裕を持たせ200個ほど作ったが、その所要時間、わずかに10分ほど。
現代の木工とはいかに安全に高精度にスピーディーにやるのかが肝要。
美意識と、強度の確保と、簡便さと、いくつもの要素を満たすための最善の手法を考えるのが近代人に与えられた宿題?
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Lamelloは使ってますか?

Lamello Top10

ボクが20年ほども昔に購入したLamello Top10という機種もその後何度か更新が繰り返され、今ではクラシックなバージョンになってしまっている。

更新内容については詳らかにしないのだが、恐らくは基本機能において大きな改善があるとも思えない。何故ならとてもシンプルで既に作り込まれた機種と思うからだ。
ただ1つ不満を挙げるならば、L型ジグの高さ設定において寸法決め、左右の誤差の極小化が機械精度の制約から苦労するところ。

最新機種においてこの点についての改善が見られるのかどうかは判然としなかったのでメーカーサイトで確認したら「Lamello Top20」という最新の高度仕様のものは高さ設定が0.1mm単位での微調整が可能となるダイヤルゲージ付きになっていた。(左右のズレの改善は不明)
他にも「ストップスコヤ」なるジグも付加しているようだ。(メーカーサイト、下記Link)

話題がそれるが基本的システムにおいてよく似ているDominoではこの高さ調整の設定機構はとても良いシステムとなっている。
被加工材の厚みに対応させいくつかのステップで設定することがイージーであり、左右のブレも気にする必要がない高精度。
さてクレーマーまがいの物言いはほどほどにして‥‥、

「Lamello Top10」所有してはいるのだが残念ながら稼働率はとても低い。うちの電動工具で一番出番が少ない。
しかしそうは言っても大いに働いてもらう時もある。
例えばうちの定番の椅子「アームチェア大和」の加工にも使われている。
どこにだろう?
隠す必要も無いから書くのだが、背束の2枚の板の剥ぎ部分。

この2枚の板はそれぞれ2度の傾斜を持たせてある。合わせて4度の傾斜で背あたりの快適さを確保しているというわけだ。
この椅子を積極的に販売していただいているあるギャラリーのオーナー夫人の販売トークには必ず次のような段落がある。
「この椅子の掛け心地を見てください。掛け心地を良くするためにいくつも作り込まれたところがあるのですが、例えばこの背当たり部分。微妙にカーブが付いているでしょう。しかもとてもシャープなラインでモダンに処理されて‥‥」

つまり背束の4度の傾斜を持たせた造形処理が座り心地に寄与しているということなのだが、決してボクの方からアピールしたわけではない。彼女自身で発見して、アピールポイントとしたようなのだ。

Lamello加工工程さて、こうした傾斜の剥ぎ部分は雇い核(やといざね)というものが一般に良く用いられる。

傾斜だからといって決して加工の難易度が高いというわけではなく、傾斜盤でやれば良いのだが、ここは「Lamello」ならではの得意とする工程になる。

簡単にその工程を‥‥

  1. 木取り
  2. 傾斜させながら剥ぎ口を取る(手押し鉋盤)
  3. Lamelloでの雇い核加工
  4. テーパー成形(厚み、幅方向それぞれ)
  5. 下部成形
  6. 剥ぎ口部分(表側のみ)に角面を施す
  7. サンディング
  8. 剥ぎ圧締
  9. 解放後再度のサンディング

〈この剥ぎ口部分の角面について‥‥〉
傾斜の内面であるため剥ぎ接着加工後の平滑仕上げは困難。こういう箇所は意匠的な処理も合わせ含め、あえて面処理をすることで解決する。少々の目違いがあっても何らそれが問題になることはない。(画像下、参照)

なおこの2枚の板はもともと1枚の板の中央部を割き加工後再接合する、あるいは1枚の柾目の厚い板(全幅/2)を必要な厚みで割いていき、これをブックマッチで剥ぐ、など様々。


ところでこれまでこのLamelloを使用しての他の部位の加工ということになると‥‥、
留め部分の雇い、主材と副材の接合箇所、コーナーキャビネットの接合箇所、
それと‥‥、スツールを複数台繋げて長椅子にしようという要望の際の接合金具部分(Lamelloの専用金具使用)といったところ。(* 過去記事

背束部分こんな稼働率ではLamelloがかわいそうではあるが、一般に日本の木工職人は丸鋸昇降盤を自由自在に使いこなせるので、あまりこうした工具に依拠する必要性が無いということからすれば、Lamelloに悲嘆されるのも仕方がないところだろう。


* 参照
■ Lamello メーカーサイト
 ここではLamelloを用いての様々な加工方法を動画で紹介している

【関連記事】
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魅惑の「Domino」FWW誌に掲載07/03/13
FESTOOL社、国内販売戦略の憂鬱07/06/24
DOMINO活用(脚部延伸)07/12/18

猛暑の週末と西アフリカのポップス

ユッスー土曜の朝はピーター・バラカンのNHK FM「ウィークエンド サンシャイン」からスタートするのが慣わし。
今朝はYoussou N’Dourのプレイリストから西アフリカの御機嫌なサウンドが紹介されうれしかった。
ユッスー・ンドールは今も尚ワールドミュージックシーンのスーパースターの一人だ。
スタートはやはりこのBlogのRecommendに置いてある「Nothing’s In Vain」の「Li Ma Weesu」(私の過去)ではじまった。
実は西アフリカの音楽シーンとは言ってもボクはユッスーぐらいしか知らないから耳を懲らして聞いちゃったよ。
いくつも上げたいが、ここでは
Sou / Cheikh Loの「Lamp Fall」
ネットで視聴できるサイトを探したらロンドンからこんなのがめっかった。(こちら
この4つのリストの最上段「LAMP FALL」をクリックしてごらん。
トラックナンバーを選択しクリックすればプレーヤーが起ちあがるはず。
なかなか親切なサイトだ。再生プレイヤーのフォーマットは不明ながらMacでもちゃんと再生できているから、プラットフォーム関係なく視聴できると思う。
でもボクはやはり「Nothing’s In Vain」をiTunesで視聴してもらいたいと考え、iTS(iTunes Store)にアクセスしたが、残念ながら検索ヒットしなかった。
しかし落胆するのは早い。
iTSのブラウザの一番下の「My Store」は日本になっていると思われるが、ここを海外の任意の国名に替えれば良い。ユッスーであったら英国でもフランスでも良いだろう。
因みに次のアドレスは英国のもの。(こちら
ところでこれはボクの密かな楽しみ。
iTSの国名を変え、各国の音楽シーンを眺めてみるというのも興味深いものがある。
北東アジアに位置する日本だがメディアから流れてくる音楽シーンが如何にアメリカ寄りであるかが良く分かるし、欧州もそうした傾向は否めないものの、独自の音楽性を有していて華やかだ。
ぜひ国別を替えて、いろいろ視聴することをお奨めしたい。
こんな記事を上げたのも、昨日の髭彦氏からのコメントの中にユッスーに触れた部分があったからだし、さらにこれを補強するかのようにピーター・バラカンの選曲がずばりと当たってしまったからだ、お許し願いたい。
ユッスーの歌詞にはちょっと気恥ずかしくなるようなプリミテイヴな人類愛、アフリカ賛歌などもあふれているのだが、ボクたちがはるか昔に失ってきてしまったそうした社会への信頼と可能性というものを今一度思い起こしてみるのは決して無駄ではないと思う。明日の参院選もそうした政治社会への参加の基本的な要件だろう。
■ Youssou N’Dourの公式webサイト
■ 過去関連記事(「スポーツの祭典の楽しみ方」04/08/19)
画像は「Nothing’s In Vain」アルバムジャケットから
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フエキ 建築用シャープペンシルの更新

フエキ シャープペンシル
日中は30℃を越える真夏日ながら、当地域未だ梅雨明け宣言ならず。
確かに夕刻から天空はにわかに掻き曇り、今にも泣き出しそうだった。
しかしいずれ気象庁からは“実はあの頃梅雨明けしていた”との低姿勢でのアナウンスがあるのではないだろうか。
このようなことがあればいつも何かと責められる気象庁だが、ボクに言わせれば詮無いことではある。
異常気象とは言っても今やそれが常態のようなもの。
如何にスーパーコンピューターで解析しようとも、自然現象の気ままさを高い確度で予測せよというのも限界があるというものだろう。
さてこのBlogをスタートして間もない頃に上げた記事の更新のようなもので恐縮ながら、木材へのマーカー用シャープペンシルの紹介。
このシャープペンシルの替え芯が数ヶ月前に底を付いていたのだが、購入店(地元のホームセンター)にもなければ、東急ハンズも含め他の店舗でも見あたらず。
最後の手段、ネット検索することにしたのだが、メーカー(フエキ)には全く情報がない。
??、廃番にしちゃったのかしらん‥‥。
っと、しかし通販サイトには多くの情報があった。
メーカーに関連情報が無いのは不明ながらも、どうもこの商品は最近更新されたもののようだね。
「フエキ 建築用シャープペンシル」で検索してみて欲しい。
さて更新の内容だが種類の増加、ボデーの進化、芯も強化。
ボデーはプラスティックから真鍮へと品質アップし、ボデーカラーも3種に増え(芯の色に対応)、一方芯もさらに硬度が増したようだ。仕様では黒が2.0倍、赤が3.5倍、白が3.5倍(それぞれ同社比)へと増強。
そのためか描線だがやや付着性が悪い感じがしないでもない。
シャープ拡大さっそく新型ボデーを2種と、替え芯をたっぷりと購入。
前にも記述したが、これは成形加工の際にプレカットするための墨付け用として使う。
一般に木工において成形加工という工程はまず帯ノコで切削代を少し残したプレカットを行い、これをShaper(=縦軸面取り盤)、あるいはヘビーデューティーのルーターマシーンなどで倣い切削するというプロセスを取る。
したがって墨付けは最終的な切削成形ラインよりも外側2mmぐらいのところに付けられるのがベスト。
こうした工程を考えれば、このシャープペンシルの2mmの太さと、シャープペンシルそのものの先端の機構というものが奏功する。
もちろん、鉛筆のように先端が無くなったからと言っていちいち肥後之守にご登場願って削る必要などはない。ノック式の通常のシャープペンシルと同様だ
無論、カラーが3種、この中には白があるというのがボクにとっては決定打。
ここ数年用いる材種の過半がブラックウォールナット。黒の鉛筆では視認性が著しく悪い(決して年齢による視力の劣化などではないことをお断りしつつ‥)。
その点白はコントラスト抜群。
昔からチョークなどもよく使われてきたが、その太さ、柔らかさは利用範囲が限られる。このシャープペンシルの芯の細さ、堅さは、まさにうってつけの工房悠、御用達ということになろう。
*関連記事:ブラックウォールナットへの墨付け

子供

新神戸
ここ数年毎年のように親族の近しい人が亡くなるということが続いている。
決して大きな家族というわけでもないが、世代的にそうしたことを迎える時期ということなのだろう。
今日も法事で神戸の郊外へと出向き、姻族の一員として参列し務めを果たしてきたのだが、こうした席でいつも感じることとして参列者の中に小さな子供がいることの大切さということがある。
今日は来年にも就学しようという年齢の一人の女児がいただけであったが、その無垢の魂が抹香臭い場というものを十分に浄化してくれたようだ。
式次第の過程では事情も理解できるのか、騒ぐこともなく静かにしていてくれたし、それらが終わると普段の生活では会えない多くの親族を前に興奮気味にはしゃぎ回る。
一方で亡くなる生命があれば、また一方では新たな無垢の生命が活気を与える。
そして卑俗なオトナどももこの無垢の生命から、もう少し生きてみようかという未来への啓示に近いものを感じ取り、明日からの日常へと戻っていく。
画像はJR新幹線新神戸駅の上り線ホーム、約30m直下を見下ろすアングル。
子供たちの歓声がバーベキューの臭いとともに漂ってきたので窓越しに覗いたもの。
この駅は神戸郊外の渓流の上に建造されたもののようだ。利用するときはその清流が気になりいつも覗き見るのだが、翌日に大暑を控えた夏休み最初の日曜とあって近くの親子が水遊びへと繰り出したのだろう。
可能であれば数枚のカットをこの子たちに届けてあげたいが残念だがこれは叶わない。

今朝のセミの脱皮

クマゼミの脱皮
今朝早くゴミ出しに庭に出てみたら、また同じ百合の茎に、クマゼミがいた。
今朝脱皮したばかりと思わせるような抜け殻との位置関係だ。
昨日の抜け殻も、これで間違いなくクマゼミのものと考えて良いようだ。
一見して平和でおだやかな日常の始まりだね。
画像下は昨日案内したWebサイトからダウンロードした「セミのぬけがらのしらべかた」イラストのチャートとクマゼミの抜け殻。
セミの抜け殻しらべ

セミの脱皮と環境変化

セミの抜け殻
厚い雲が天空を覆い、ここ数日晴れ間が見えない。
先の大型台風の通過後も台風一過とはいかず何ともメリハリの悪い陽気ではある。
業務もしたがって湿潤な大気から大きな影響を受けにくい椅子の制作に専念するなどで凌いでいる状態だ。
そろそろ梅雨末期の時季でもあるので、今しばらくの辛抱だろうか。
今日の仕事は少し早めに終え、まだ明るさが残る庭に出て、植え込みの方に目を懲らすと茎をいっぱいに伸ばし、今にも咲きそろいそうな百合に黒いものが張り付いているのが目に入った。
蝉だ。しかもクマゼミ。視線を右に移すと、このクマゼミのものかは不明ながらも、抜け殻が1つ別の百合の茎に張り付いている。
そうか、蝉の季節だね。餓鬼の頃は夏休みの絵日記のために朝早く起こしてもらい、近くの里山に出掛け蝉の脱皮を観察したものだ。
そしてそれから半世紀を超えて、また絵日記ならぬ写真Blogに記録するという変わらぬ夏を迎えている老いさらばえる餓鬼という訳だ。
カメラを持ち出し撮影を試みていたら、近くの同世代の夫婦がウォーキングで通過する。「何撮ってるの?」「見て、見て !」と指さす。
婦人が顔をほころばし興味深く見入る。
「でもおかしいわね。この抜け殻はアブラゼミのじゃないかしら?」と婦人。
「○○さん、あなた良く知っているね。まるで研究者みたいじゃない」
夫の方は良く分からないという風。「▼▼さん、子供の頃脱皮を観察したでしょ、えっ、したこと無いの? あんたまるでシティーボーイかい」(根っからの地元田舎育ちなのに)
と両者の異なる反応を茶化す。

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