工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から
Mac構築とアイボ
昨日の乗用車破損修復は明月曜日からドック入りの手はずを整える。
せめてと思いキレイキレイにしてやろうと洗車作業に掛かったが、見るも無惨な凹み。
しかし予報にもなかったが突然の雨。めったにしない洗車なんかするものだから、雨に見舞われるというドジなやっちゃ。
午前は所用を済ませ、午後から残されていた新規Macの環境構築作業。
いつまでも半端な状態ではまずいので、完了させるべく取り組む。
Apple サポートセンターへは新しいOSリリース直後の休日だというのに、数分して繋がり、適切なアドバイスを授かる。
いくつかの不明な問題は解消。
.MacというApple社のサーバーにユーザーのディスク容量をもらい、ここを介して複数のMacのデータを共有、同期を図るという機能。
愛車破損という忌まわしい週末
今日はなんと忌まわしい日であった事か。一瞬の出来事が週末の心浮く気分を台無しにしてしまった。
購入して1年足らずの乗用車をぶつけられてしまった。
大きな破損に至らなかったので板金修理くらいで済みそうで、走行上の後遺症は全くないと思うけれども、この気分のめいりへの保障もしてもらいたいものだ。
まだ日差しが残っている夕刻の時間帯の地域の郵便局本局駐車場構内での事。
当方は駐車場の所定位置にバックで乗車、停車していた。
当方とは前後逆に隣に駐車していた軽自動車が出庫しようとした動作の時に、当方の前輪タイヤハウスから運転席側ドアーにかけて、思いっきりぶつけながらカーブを切りながらバックして出て行こうとしたのだ。
何と、大きなショックがあったにもかかわらず、そのまま出て行こうとするではないか。
「こら〜っ、逃げるのかー 」と、大声をかけ立ち止まらせる。
降りてきたのは。初老の近くの工事現場に作業に従事する飯場居住の土木作業員(交番での認定)。
慌てふためいた様子で、「ダイジョウブだと、思ったんだけどな〜」と嘯く。
「Der Moebelbau 」 職人と良書の出会い
ボクは木工という修練を必要とする職人の世界に飛び来んだことを悔いた事があります。
修行を初めてまだ2年目ぐらいでしたが、信頼のおける木工の先達に1つの質問を受けたのです。「君はどういうことをしていきたいの?」分けも分からずただひたすら木工の世界に没入していこうとするボクへ覚醒を促すものでした。
暫し沈黙の後、出た言葉は「職人として生きていきたいと考えている」ということでした。ボクにすれば至極真っ当な返答のつもりでしたが、言われてしまいました。
「そりゃ、無理だわ。君はいくつになったの?」
「はぁ… ?! 」
「よく考えてみなよ、職人なんてのは、中学、あるいは高校出るぐらいからスタートしなければ間に合う訳ないでしょう」
その頃はまさに中学を出てから職人として生きてきた一回り年上の親方の元で修行させていただいていたのですが、その親方の事を想起するだけで、その詰問の意味も十分に納得いくものなのでした。
今更ながらスタートした年齢を悔いても仕方ない事なので、ただそのときは必死に修行するしかない、とばかりに親方の技能、技法を獲得することに邁進していったのです。
そうしたときに出会った本がこれです。「Der Moebelbau.」木工に関わる広範な記述がされた文献です。
教科書のようなスタイルを採っていますが、技法の紹介はすばらしいものがあります。
残念ながらテキストはドイツ語です。しかし図版は豊富で、実に詳細にわたって仕口を紹介していますし、刊行も初版は1954年ですからややデザイン様式は旧いものですが、現在でも十分に使える良書と考えられます。
アーツ・アンド・クラフツと日本
ボクが木工の修行を始めたのは「松本民芸家具」というところです。
木工を修行しようと決意してからというもの、様々な文献、雑誌などで対象になるところを探し、また実際いくつかの会社、工房を巡りました。
しかし結局最初から本命視していたところを熱意で拝み倒したのです。それが「松民」でした(恥ずかしながらその時の年齢が30を大きく超えていた事が障害になったのです)。
この選択にはいくつかの理由があったのですが、家具製作という分野において「アート&クラフト」の息づかいがあるところという命題を外すわけにはいかなかったということが第一の理由です。
ここで「アート&クラフト」について論ずる積もりも、その任でもありませんので、数日前にたまたま書店で見つけた本を紹介する事で代えさせていただきましょう。「アーツ・アンド・クラフツと日本」というものです。
日本食文化
一昨日でしたか、NHK TVで日本食の特集をしていました。ニューヨークで、パリで、今や食通は日本食なんですって。
そのほとんどは如何に生ぐささを押さえ、西洋人に楽しんでもらえるか、という苦労話でした。
しかし日本人にはもちろんそのようなお世話は不要です。素材そのものを十分に味わえる舌と食文化を持っています。
ボクはここ15年ほどでしょうか、意識的に素材への味付けは薄めにするようにしています。
これは決して生活習慣病を防止するといった動機に発するものではなく、あくまでも食欲に関わることからです。
味を濃くしますと、本来の素材の持つ味がわからなくなります。これを怖れるからなのです。ほぼ同時期にたばこもやめました。
その結果、舌の味覚が研ぎすまされてきたのか、素材の味というものが良くわかるし、薄味の出汁も美味しく感ずることができるようになってきているようです。
ブログにおけるディスプレー色彩

今日は冒頭から、ご覧いただいている方にひとつ詫びねばいけません。
このブログの写真、テキスト文字の彩度に関わることです。
これまで「工房 悠」サイトの構築からというもの、全てにおいてAppleのPowerBook G4の最も旧いマシーン (2001/3) を使用してきたのですが、新たに購入したディスプレーで自身のサイトをブラウジングしてみたところ、一部の写真、テキスト文字の色彩の彩度のあまりのケバさに驚かされました(笑)。
以前からWindows環境の方から同様の問題を指摘していただいたことがありましたが、これほどとは !! 。
WinとMacではでディスプレー上での表示の具合が異なることはよく知られたことですが、ディスプレーの 輝度などの解像力は、メーカー、機種、などでかなり異なる。さらにまた同じメーカー、機種であっても販売時期によっても異なるということですね。
木工と錺金具
宮本貞治さんの錺金物(カザリカナモノ=装飾金物のことを称する)は木部の品格と相まって、ほどよくフィッティングされていますが、そのほとんどは自作しているようです。
指物に留まらずキャビネット(箱もの)家具には機能金物、錺金物問わず必須のパーツです。もっといえば画竜点睛としての意味合いを持つと言って差し支えないでしょう。
昔はこれらを専門に制作する錺金物の職人がいたものですが、現在では絶滅危惧種の1つに挙げねばならなくなってしまっています。
このあたりのことについては「手──もうひとつの生活 No.7」{(財)クラフト センター ジャパン}という小冊子に「東京の錺職人」ということで須田賢司さんが詳細に記述しているので機会があったら見てください。
彼自身も錺職人に頼ることができなくなってきた背景と、木工芸家として高品質な錺金物を取り付けることにおいては妥協できないということで、結局自作することが多いのだそうです。
この小論では
・・・錺という仕事の現在を考えると、千何百年の間連綿と伝わってきた一つの文化の危機を感じさせられる。文化は物がつくるのではなく、人がつくるものとするならば、職人がいなくなるという事は一つの文化の終息をも意味しているのではないだろうか。・・・こんな時代に職人として生きている私は、ここ数十年の社会の変化が果たして。私たちにとって進歩として幸福なものだったのかと考えさせられてしまうのである。
と結んでいます。
宮本貞治さんの仕事
五月雨です。夜半からは雷も混じるというのでネット接続機器は要注意。
来月には梅雨に入るでしょうから、この五月は貴重な時節です。精一杯前倒しに仕事をして備えねばなりませんね。
昨日拝見した宮本さんのお仕事に見たものは、修練の技の極地と「流紋」に特徴的に見られるテキスチャーの追求、そして洗練されたモダンなデザインで、伝統工芸の今日的問いかけというものであったように思います。
以前これほどの規模ではありませんが、あるギャラリーでの個展で拝見したものからもさらに洗練され、技法的にも高度化しているようでした。
こうした仕事を見せてくれる力というものがどこから出てくるのかと考えれば、様々なところから説明できるでしょうが、1つだけあえて挙げるとすれば、「意志の力」というものが並はずれて強いということは間違いなく言えるのでしょう。
名古屋の熱気

名古屋は熱気と喧噪の坩堝でした。
愛知万博、中部国際空港のオープンで賑わっているという風聞は間違いではないようです。
栄を中心とする商業地域は5月というには暑すぎる陽気も加え、喧噪と熱気の坩堝さながらでした。
午前中は無沙汰していた「青山カンナ」店(写真中央)に立ち寄り、主人と四方山話。
ここの主人は数十年昔ではいずこでも当たり前であったであろう、店先でのカンナ台の制作と仕込みを未だやっている希有な道具屋です。「削ろう会」というカンナ使いの職人たちの研鑽、交流会を主催、後援している人でもあります。
このところ小鉋、豆反台鉋がちびてきましたので、数台求めました。
恥ずかしながら鉋の刃の裏打ちがどうも下手くそなものですから、こっそりと工房の金床を見せていただくなど貴重なアドバイスを頂き、目的の展示会に向かいました。


木工家具のデザイナー & 職人のartisanです。
