「木」の大学講座 2015 「樹木と人間・動物のかかわり」〜ブナの時間・トチの時間〜(その2)
(承前)
国内林業、木材産業におけるブナの不当な扱いと森の荒廃
講座2日目には、奥会津の志津倉山への登坂ルートに拡がる豊かなブナ林を見学することができましたが、ある一帯ではブナ、ブナ、ブナ、ブナと、樹齢100〜300年を越すようなものばかりが林立し、実に不思議な感覚に襲われたものです。
1mを越える太さのブナを見上げれば、茂ったブナの葉でほぼ天空は覆われ、そのせいか下草はせいぜいシダ類くらいに広々とし、周囲10mほどの距離を置きつつ、何本ものブナが屹立していて、まさに一帯がブナ林なのです。
そのブナはまるで人の手で計画的に植栽され、周囲も人の手で整備されたかのような清浄なる空間が拡がっているのです。
独特の色調と紋様の表皮を特徴とするブナの群落は、他を寄せ付けない神々しいまでの偉容を誇っているのでした。
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