工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

東日本大震災・災害ボランティア活動日録(5)

被災地・災害復興支援活動

3月23日(地震発生から12日経過)天気:晴れ、その3

野営地(石巻専修大学グランド)に帰着し、一人はボランティアセンターに出向き、差し出されたシートに活動報告を整理し、報告する。

「石巻ボランティアセンター」について
石巻専修大、5号館に置かれたボランティアセンターには社会福祉協議会のスタッフとともに、様々なNPO、NGOのスタッフ責任者が詰め、1つの連絡協議会組織を構成している。

こうした災害時における住民支援のシステムは阪神淡路大震災を教訓として、全国的に作られてきている。
しかも、特徴的なこととして民間のNPO、NGOとともに協議会を構成しているところだろう。

NPO、NGOという民間ボランティアの自律した活動を、社会福祉協議会傘下のボランティアセンターが取りまとめ、コーディネートする。
決してヒエラルキーを持つものではなく、あくまでもそれぞれの自主性を重んじ、それぞれの能力、態勢をいかに災害被災地への支援へと繋げていくのか、という役割分担を司るというものである。

この度の東日本大震災の特異性、その広域性、激甚性から、力ある著名なボランティア団体のほとんどが各ボランティアセンターへと集結しているものと思われるが、中でも地震、津波による壊滅的な被害を受けた石巻へは日本財団、ピースボートなどが大挙スタッフ、ボランティアを送り込んでいる。

ボクたちが入った23日は、ちょうど石巻市社会福祉協議会、石巻災害ボランティアセンターが設置されたばかりの時で、ピースボートもまだこの段階では先遣隊としてのスタッフを送り込んでいるといった段階だったが、26日になると大勢の要員が大型バスで到着していた。

そんな状況でもあり、ボクたちの現地入り23日という日程は実によいタイミングであったとも言える。(事前調整したわけでもないのだけれどね ^_^; )
被災者の支援依頼の方も、復興、再起へ向けて起ち上がるのに、この10日間という時間は必要なものであったということも、それぞれの被災住宅に立ち会い、また被災者のお話からも容易に伺えるところであった。

野営の態勢を整える

ここ石巻ボランティアセンターでのボランティア要員の食事、宿泊は、テントを自力で張り、食事も全て自力で賄うというのが基本。
まぁ、そんなことは災害ボランティアにおいてはキホンのキなので、事前に確認したわけでもないが(電話も設置されていないので連絡の取りようもなかったわけだし)、ちゃんと準備はできている。

さっそくmont belle、Moonlight V、Mighty Dome1などを張るが、陣取った近くに大きな体育館ほどの倉庫があり、救援物資の集荷場になっている場所の隅っこをお借りして張ることに。
雨露は凌げることになった。(途中から外に追いやられることになるのだが)
ただ支援活動現場で落ち合った学生ら2名が増員したこともあり、一人は車中泊となった。

dinner1寝床が確保できれば、夕食の準備。
神戸のhoopさんが提供してくれたロケットストーブ、そしてコールマン2バーナーなどを駆使して、パスタやら、レトルト米やらを調理し、頂くことになるのだが、日没後はさすがに強い冷え込みで野外での食卓はなかなか厳しいものがあった。
しかし初日の活動を無事終えた充足感、そして強い余震も続く中での緊張感などがない交ぜとなり、ややハイな状態での野営地最初の食事となった。

dinner2食後は持ち込んだペーパードリップでのコーヒーを煎れながら、それぞれ活動しての感想などを話し、今後の活動への意志を確認し合い、共有していった。

ボクはその後、ボランティアセンターでのNPO、NGO連絡協議会の総括調整会議に出席したのだが、それぞれのNPO、NGOリーダーらの報告などを受けると、浄水のための機材の導入であるとか、医療スタッフの調整であるとか、かなり高度な支援内容までも起ち上がりつつあることを知ることになるのだが、その意気込みとそれを整備する態勢を持ち込んできていることに感動すら覚えたものだ。

全体会議の後は、当方が炊き出しのための食材等を持ち込んでいることもあり、既に炊き出し態勢を準備していたピースボートの方々の調整会議に加わり、翌日は共に活動することになる。

会議後はメンバーの元に戻り、報告と翌日の活動確認。
テントに入り就寝態勢に入るが、時折大きな余震でなかなか寝付けない。
倉庫の中とはいえ下はコンクリートなので、冬用のシュラフにくるまっているとはいえ体温を奪っていく。

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