工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

職業訓練校へのいざない(お知らせ)

木工をきちんと学びたい人、そうですそこのあなたですね。
良い方法を教えましょう。
勇気を持って技術専門校の門を叩きなさい。
そうすれば未来への扉が開かれることでしょう。
全国には木工のカリキュラムを持ついくつかの技術専門校がありますが、イチオシは「長野県、伊那技術専門校」です。
理由は後段に少し詳しく話しますが、まずは資料をダウンロードして応募しましょう。(募集要項
2009年度の応募はまだ間に合います。


木工家具制作に携わるには、木工加工技術の習得が欠かせません。
これは他の工芸分野、あるいはものづくり一般にも共通の普遍的なものです。
しかしあえて申し上げたいのですが、他のジャンルと較べてもこのことは大切なことです。熱意あるいはデザインセンスだけでなし得るというほど簡単なものではありません。
木工とは言うまでもなく天然資源の木を素材とするものですが、その様々な樹種、様々な木理の美しさというものを造形物として形を変えることで、私たちの生活に最も近いところでこれらに囲まれ、あるいは身体を支え、日々の生活の豊かさを助け、自然界との交流の仲立ちにもなってくれるすばらしいものです。
これは例え時代が変わり、ハイパーな未来社会になったとしても変わるものではないでしょう。
人の歴史と共に木の文化が栄えたように、例え関わり方の変容があってもなお普遍的なものであることでしょう。
このように人間生活にとって普遍的なもの作りとしての木工を獲得するにはいくつかの困難があります。
つまり木という有機自然素材を対象とする木工というものは、その固有の性質をよく知り、この特性を活かし、あるいは特有の困難を克服しながら造形しなければならないという宿命にあります。
今多くの若者が、この木工という世界に勇躍チャレンジしようと挑んできていることと思いますが、その熱い思いだけでは如何ともし難い壁、つまり技術習得の問題があるでしょう。
この立ちはだかる困難を解決するにはいくつかの方途が考えられますが、現在の日本において木工技法の習得の教育機関として考えられるのは美術系の大学、専門学校などの学校法人の他、技術専門校(以前は「職業訓練校」と呼ばれていた)というものがあります。
ここは職業としての木工を学ぶための様々な専用機械が設置され、木工全般を習熟した専門の指導員が在籍し、良い木工家具を造る考え方と技術体系を提供してくれています。
一般には1年単位ですが、同じ県下の松本技術専門校の出身者として経験したところからお話しすれば、その後実業の現場に立ち、数ヶ月後には親方の指示を受けながらも、独り立ちして様々な家具制作を行うことができるほどになっているものです。
ただ技術専門校であればどこでも同じというものでもなく、それぞれに特性と技術レベルの差異があることは言うまでもありません。
そんな中でイチオシの技術専門校が長野県の「伊那技術専門校」なのです。
なぜそのようなことが言えるのかと言えば、以前このBlogでも関連することを記事にしていますので、詳しくはそちらに譲ります(末尾に記載)が、限られた時間の中で木工技能の基本的なスキルを備えられるようなカリキュラムを持ち、それ適切に指導する指導員の方がいます。
他との大きな違いはほとんどの家具制作の訓練を一般に家具工制作現場で用いられるものと同等の素材を使い(無垢材)、また本格的で秀逸な家具制作の手法とほとんど変わらない品質レベルでの制作指導がなされています。国内広と言えど、こうしたカリキュラムを持つところは他ではまず考えられません。
また家具のデザイン設計、そして木取りからはじまって、塗装仕上げに至るまでの一貫制作のフルコースを学ぶ環境があります。
1年間、遊びたいのであれば他でも構わないでしょうが、卒業後、自信を持って木工家具制作現場へと足を踏み入れたいのであれば、この伊那技術専門校を目指すことが最良の選択です。
これを読み、大風呂敷と思われるのであれば、ぜひ周囲の関係者で、こうした技術専門校のことをよく知る先輩の方々に確認してみましょう。
“青年老いやすく学なり難し”
決断は今です。
なお技術専門校とはどういうところなのか、詳しくは下記Webサイトで確認できるでしょう。
道具購入などの若干の経費は必要とされるでしょうが、多くの特典もありますし、そもそも失業保険給付の対象ともなりますので生活を維持しながらの訓練環境が与えられます。
*参照
■ 長野県伊那技術専門校 募集要項
■ 当Blog関連記事:木工をめざす若者たちへ(職業訓練校とは)

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  • 関係ない話題ですみません。
    昨日、千葉県新習志野駅近くで開催されている大竹さんの
    展示会を拝見してきましたよ。

  • acanthogobiusさん、そうでしたね。あなたのお住まいの地域での展示会でした。
    大竹さんのお仕事、如何でしたか?
    ちょっとボクは出掛けられませんが、成功して欲しいですね。
    会場でケーナ鳴らしていたでしょ(微笑)

  • 品質の高さは良い勉強になりました。
    軽4輪で搬入されたそうで会場の広さに較べて少し作品点数が
    少なかったでしょうか。
    以前の職場の近くということでネクタイ姿のおじさん(失礼)達と
    OLさんばかりという、ちょっと異色な雰囲気でした。
    ケーナの演奏会もあったようですが、同窓会のような雰囲気だったので
    私はご挨拶だけして失礼しました。

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