工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ブラックウォールナットの食卓セット

BW食卓
軸組工法の本格的日本建築に納まるブラックウォールナットの食卓
5月にお話しをいただいたものだが、家族7人が食事を摂る場がまだ無いという状況から、何よりも優先して掛からねばという切羽詰まったものだった。
食卓はともかくも、椅子の在庫は底を付いていたので15脚ほどを制作することになりこれに時間が掛かったが、何とか予定の納品時期(お盆前)に少し遅れる程度で無事に納品することができ安堵している。
この大和という椅子も過去100脚ほど作ってきただろうか。いわば自家薬籠中のものとなっているものだが、部品点数、工程数も多く、また難易度も高いものであるため、なかなか生産性は高くならない。
でも椅子制作は楽しいし、ブラックウォールナットでの制作の快適さがこれに加わることで過酷な時季での制作活動も苦にならずに完遂させることができ感謝している。
「大和」という命名にはいささかの意味付与があるが、まさにこの名称の由来する地域に立地する顧客宅に納まるというのも縁というものを感じさせてくれる。
M邸家族また食卓の方もシンプルなデザインながら、トラッドな板脚デザインを換骨奪胎させ、モダンなテイストでまとめあげた積もり。
木端は所謂蛙股という伝統的なものだが、うちでは好んで用いるライン。
2.4mという長さがあるものの、大きな住宅に納まれば、さほどの圧迫感を与えることなくぴたりと納まってくれた。
夏休みと言うことで在宅していた子供達も「送り寄せ蟻吸い付き桟」の組み上げ作業へは興味津々で、楽しげに立ち会ってくれたものだった。
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