工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

保険医療指定取り消し病院の影響

昨日は8週おきに予約通院している地元総合病院の呼吸器科へと検診に出掛けた。
検診とはいっても薬を処方してもらうための形式的なもの。
聴診器を胸の前後にあてるだけ。3分間でオワリ。
呼ばれるまでの数10分間、診療ブース前の廊下のベンチに腰掛け文庫本を取り出し読みふけるのがいつものことだが、今回はせっかくだから看護婦、事務員を捕まえてはあることを尋ねてみた。
あることとは、隣町の藤枝市立総合病院が、一部の歯科治療(インプラント)で診療報酬を不正に請求していたということで、保険医療機関の指定を10月から取り消されることとなり、その影響がこちらにもくるのでしょうね、といったこと。
数日前、全国ニュースにも大きく取り上げられたことなので、周知のことかもしれないが、地域では大変な話題になっているようだ。
この病院、昨年兄が最期を迎えた病院でもあり、また30数年前には父親もこの病院で世話になり亡くなったところ。少なからず強い縁に結ばれたところでもある。
しかしどうしてこのようなことになってしまったのか。
入院患者、通院患者、全ての患者が指定取り消し期間、保険請求できなくなってしまう。対象となった歯科の患者だけではなく、全ての診療が対象となる。病床654という地域最大の中核病院でもあり、その影響は計り知れなく大きい。


ドクターにもいつもより少し機嫌も良さそうだったので、話を向けてみた。
しかし答えは苦笑いから始まり、「私たちも注意せねばいけないな〜」とちょっと迷惑そうな顔つきで優等生の答えが返ってくるだけ。
指定取り消し期間は規定では5年間という長期にわたるものだが、不正請求額の自主返納、不正防止、再建計画の提出などの手続きを勘案すれば、数ヶ月(1ヶ月?)ほどでリスタートできるのではという見方がもっぱらのようだ。
地域の医師会、薬剤師会などもこの緊急事態に対し、指定取り消し期間の短縮を求める一般への署名運動も行われているそうだ。地域の医療従事者の多くにとってまさに緊急事態という訳だね。
なぜこのような不正請求が起こってしまったのかは現段階のメディア情報だけでは良く分からないというのが正直な感想だ。
インプラントの一連の処置に関わる保険請求のグレーゾーンへの認識が甘かったというのが原因のようだがレセプトを作成する担当医は勤務医であるし、自らへの金銭的見返りがあるわけではない。
患者への負担軽減の配慮が遠因だったということは大いに想定できることだが、しかしやはり不正請求ということであれば、医療費の逼迫のご時世にあってやってはならない不祥事であることに違いはない。
民間病院であれば保険医療機関の指定取り消しという事態は、まさに存続そのものが危うくなるほどの問題で、こうしたリスク管理は徹底していると考えられるが、自治体医療機関というお役人体質というものがこうした不正請求の脇の甘さを見せたものとも捉えられるだろう。
しかしこの病院に入院している患者、通院している患者にははなはだ迷惑なことで、気の毒としか言いようがない。
どうぞしばらくはボクが世話になっている市民病院へいらしてください。
*メディア記事:中日新聞「藤枝市立総合病院の不正請求問題」
下画像は本文とは無関係ながら‥‥、工房の庭の蔓草に捕まっているアゲハチョウ(正式な名前は不明 (-.-;) 
このチョウ、いつも庭の夏蜜柑の樹辺りを華麗に舞い飛んでいる。今朝は2匹の逢瀬の歓びの舞が見られたので、これをカメラでキャッチしようと三脚を用意している間に、何とさらにもう1匹絡んできて、もうはちゃめちゃ。しばらくしてやっと1匹が羽を休めてくれた。
チョウ

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