工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ルーターのトラブルと自力更生

またルーターマシーンのヘッドダンピング用のワイヤーが破断してしまった。
週末、土曜日のこと。
前回は記事にも上げたことだが、外したり取り付けたりの作業は自力で行ったものの、新たなワイヤーの製作は機械屋に託したのだった。
今回は自力で近くの業者を探し出し依頼することとした。
工房の周囲には鉄鋼関連やら、自動車整備工場などもあるので業者の手掛かりが掴めるものと数軒訪ね歩くも、どこへ持ち込めば製作してくれるのかの確たる情報を得ることは出来なかった。
機械屋では少し遠くの取引業者に依託しているようなので、できれば今後のこともあるので近くの方が望ましい。
結局既知のロープ屋さんに聞いてみることに。
Yahooサイトから電話帳検索し、尋ねてみると「実際のものを見てみないと分からないが、できるようでしたらやらせてもらいます」との返答。
ルーターが使えないのは致命的。さっそく通勤渋滞が納まる頃合いを見計り出掛ける。隣の藤枝市の東部地域にある「梅島商店」さんへ。
ワイヤーかしめ4人ほどのスタッフが週明けの忙しさで立ち働いていた。
挨拶もそこそこ、さっそく切れてしまったワイヤーを見てもらうと、20代の髪を短く刈り上げた元気な若者が「ちょっと待てる?」「15分ほどでやっちゃうから」
とのありがたいお言葉。
せいいっぱいの笑顔で「お願いします !! 」
きっかし15分ほどで作業は完了 。
さっそく帰宅後、取り付け作業に取りかかる。
少し長さ調整などでの煩雑な作業を伴うが、無事に装着作業を終える。
その際、摺動部分にはグリスアップ、オイラーでの給油。
フットペタルを踏み込めばスムースに主軸が昇降してくれる。
途中で中断を余儀なくされた作業はキャビネットのハンドルの手掛け部分、20w × 80L ほどのスリットを開口させるもの。
教訓その1:可能な限り機械屋に依存することなく、自力更生で問題解決にあたること
ボクは機械のメンテナンスなどの作業は決して嫌いではないのでこのような物言いになるのだが、木工屋とは言ってもこうした領域は苦手な人もいるかもしれない。
確かに機械屋に任せれば楽だろうね。しかし木工加工に必須の機械作業においてはその機械の性能、特徴などを把握すると言うことも良い加工をするためには必要なことだね。
そのためには機械と仲良くなるのが近道。
食わず嫌いではなく、基本的な機械作業の工具などを整備し、それまでブラックボックスだった内部へとアクセスしてみよう !
なお木工機械屋とは言っても、結局は機械屋であり、木工に関する実務的なことを詳しく知っているわけではないのが実態。
より良い機械整備の環境は木工屋自身の手から始めよう。
*画像は「梅島商店」の工房に設置されたワイヤーかしめ用のプレス機。数10tもの圧力が産み出される。

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