工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

気温30度の桟積み作業

桟積み昨日は先日製材した材木が近隣の街まで搬送されてきたのでこれを取りに行き、今朝からさっそく桟積み作業。
5月も今日で終わりだが、晴れ間の少ない皐月だったのがここ数日天候は安定的に推移してくれ、桟積み作業としては恵まれた日だった。
しかし正直に言えば、梅雨入り前のこの時季に桟積みなどすべきではないだろうな。
日射しが強く、うなじは軽い火傷状態。暑さでバテバテ。
涼しい早朝からの作業だったが、50〜70cmの丸太4本の材積では半分の量を積み終わる頃には陽は中天に。
一旦工場に帰宅し、夕刻から改めて残余をやり終える。
この時季にすべきでない、というのはこの暑さによる疲労度からの戒めではない。
桟積みした材木の乾燥スケジュールとして望ましくない、ということから。
やはり板の乾燥は初期段階の環境が重要。
梅雨入りの時季では雨も多く、また一方で陽ざしも強い。この好対照な環境が初期段階では望ましくない。はやり乾燥した空気で安定している冬の時季が望ましいのだ。
でも…、良質な原木の入手も今では簡単ではないので、情報があればタイミングを逸することはできない。
原木のまま放置する、ということも考えられるだろうけれどね。
画像は「木口割れ止め剤」の《ランバーメイト》という樹脂を塗っているところ。
効果絶大なので、お奨めです。
■ 過去記事 1(参照
■ 過去記事 2(参照

《関連すると思われる記事》

                   
    
  • 丸太の挽き方についてはどのように考えていますか?
    基本的には丸挽き(だら挽き)でしょうか?
    例えば抽出の側板には柾目板、ナラのようなくるいやすい材には柾目板というように材種や使用場所によって挽き方を変えているのでしょうか?
    歩留まりの問題もあるし、見た目の問題もあります。
    適材適所ということでしょうがartisanさんの基本的な考え方
    があったら教えてください。

  • 丸太の製材方法(木取り法)についてのお問い合わせですね。
    これにはいくつもの要素が絡んできますので、この欄でお答えできるものではありません。
    ま、しかし基本的なこと、あるいは今回の製材についてという範囲内でお答えします。
    【どのような部材に用いるのかという目的】
    ・天板にするのであれば、一定の厚さとできるだけ広い板面に丸挽きする。
    ・框ものなど、とりわけ扉の縦框などには柾目取りする
    ・平割り、正割り(厚めの角材、板材)は芯中央部付近から取る
    ・杢を取るためには、その杢の出方により、板目、柾目に取る。
    【原木形状による判断】
    ・何らかの欠陥があるのがほとんど一般の原木だが、これを板面に影響させないような製材方法(曲がり、反り、木口割れ、チルト、節、虫害、目切れ、など)
    ・丸太の反りが大きい場合、この反りを勘案しつつ製材する
    【樹種による制約】
    ・丸挽きすることで、その後の乾燥管理が難しい樹種もあるので、考慮せざるを得ない場合もある(楢などは丸挽きだと大きく反るので、柾目取りなどにすることも多い)
    今回は1.1寸辺りの框部材を欲しかったので、柾目取りが多かった。樹形の良い部分は丸挽きでやや厚めに。
    ウォールナットは乾燥のお守りがラクチン(反りにくく安定している)なので、どのような製材方法でもOKです。

  • いつもご丁寧な解説ありがとうございます。
    また機会があったら教えてください。

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