工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

〈超仕上鉋盤〉のリフレッシュ

COVID-19 、いずれ私も罹患するのかしら?

COVID-19 パンデミック状況に(日本社会はそこまでには至ってないと思っていますが・・・)翻弄され気味の皆さん、大丈夫でしょうか。

日本では、政府の専門家会議が2月24日に「ここ1、2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」などと見解を示し、その後、これらを根拠として小中高の一斉休校の要請に踏み切った(それ自体は専門家の意見が反映したものじゃなく、今井尚哉補佐官と安倍首相の二人だけで決めたそうですが)のでしたが、既に間もなく3週間になろうとしているのに、梯子外されたかのように、学校関係者などの困惑は収まる様子はありませんね。

独のメルケル首相は、このCOVID-19の感染状況のパースペグティヴを考えたとき、国民の6〜7割は感染するのではと語ったそうです。そして今後2年間ほど感染期が続き、この6〜7割が感染することで、それとともに抗体、免疫を獲得し、やがて終息に向かう、そうした感染学的、疫学的なシナリオからの所見のようです。

私などはフムフムと首肯しちゃいましたわ。

今夕の首相の記者会見は、クルーズ船 横浜港接岸以降の日本政府の水際作戦の失態などへの反省から始まるかと思いきや、他国と較べ感染者の増加がいかに少ないか、などとする自画自賛に重きがおかれ、緊急時にふさわしい経済テコ入れなどもこれといった新奇性のある具体的な方策が示されることも無く、2020東京五輪の開催、成功へ向けワンチームで頑張ろう、などと我慢と決意の押し売りばかりが目に付くもので、頭を抱えるばかりでした。

しかし、TVの向こうにいる国民に語るというより、プロンプターに向かってただ官僚作成のペーパーの棒読みに終始というのは、ちょっとバカにされてる気がしませんか?

肝っ玉姐・メルケルの2年越しという照準の長さと、安倍首相の2週間という時間軸の余りの違い。どう思われます?
・・・COVID-19という公衆衛生の分野における人の命に直結する問題であるにも関わらず、何にもまして2020東京五輪の開催の可否が全てを規定付けていると考えれば、この安倍首相のスタンス、力点の於かれ処も腑に落ちます。

前振りはここまでで、今日も木工のお話。

超仕上鉋盤・丸仲鐵工所 ROYAL-10
超仕上鉋盤・丸仲鐵工所 ROYAL-10

〈超仕上鉋盤〉 送材の不具合

私は「手作り木工」などと呼称したりはしませんので、木工機械は積極的に使っています。
〈超仕上鉋盤〉もその中の1つです。

日本の台鉋(手鉋)と似たような原理を持つ、仕上げ削りのための機械ですね。

昔話になって恐縮なのですが…、J・クレノフ氏が高山でのワークショップの際、この〈超仕上鉋盤〉(英語では何て言うんだろう? urtla surface Plane ?🤣)の幅広い鉋屑を物珍しく凝視され、いたく感激し、その1枚をバックに忍ばせていたのが微笑ましかったですね。← 米国にも丸仲鐵工所は輸出していますが、J・クレノフには無縁だったのでしょう。

このところこの〈超仕上鉋盤〉による材の送りが具合良くないので、エンドレスベルトの交換を考えたのです。

〈超仕上鉋盤〉というマシンは昇降する定盤の中央にナイフストック(手鉋同様に裏金も付いたブロック)が仕込まれ、上部には送り側から挿入される加工材を送材するためのゴム製のエンドレスベルトが回転するという機構です。
ようするに、手鉋と同じような機構と考えれば良いのです。

このゴム製のエンドレスベルトは経年使用によりグリップ力が低下することで送材が上手く行かず、途中で止まってしまう、あるいはグググッと送りと停止が繰り返され、加工材の方は手鉋のビリ付きのような痕跡が出てしまう。

馴染みの機械屋とも連絡したのですが、並行して独自に調べれば、このエンドレスベルト、オンラインでも入手できそうなのですね。(例えばコチラ

確かに、この〈超仕上鉋盤〉は「丸仲鐵工」の寡占状態で普及しており、エンドレスベルトは消耗品扱いで一般ユーザーからのアクセスも多いからなのでしょうね。

しかしそれにしても思いの外高額なものになるようで二の足を踏んじゃいました。

そこで、機械屋のアドバイスも頂きつつ、簡便な方法で送材を改善させることに。

ゴム製エンドレスベルトを研磨しちゃえ!

このエンドレスベルトはゴム製ですが、経年使用によりゴムの表面が固化するなど、グリップ力が減耗することが送りの弱さとして現象してくるということですので、これをリフレッシュさせてやれば良いわけですね。

そこでこのエンドレスベルトを粗いサンディングペーパーで削ってやりました。

うちの〈超仕上鉋盤〉は250mmですが、スピンドルエアーサンダーの#120 のパッドの繋ぎ目を矧がし、合板に広げて貼り付け、これを〈超仕上鉋盤〉の定盤に固定させ、きつめにエンドレスベルトに押し当て、運転。
約3分間ほどでしょうか。

画像の粉がその削りカス。ふわふわしたゴム成分ですね。

かな〜り調子が戻りました。
今後は年1度ほどの単位でリフレッシュさせてやりたいですね。

この丸仲鐵工〈ROYAL-10〉、三相電動機モーターは2馬力の能力なのですが、どうもこの送りの弱さは駆動力の弱さにもあると思われ、3馬力のモーターを探してきて換装しようかなと企んでいます。

工場の隅に転がっているなどで、無償で譲渡していただける方はおられませんでしょうか?苦笑。

hr

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