工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

NHK夏休みこども科学電話相談の楽しみ方

標本
工場では普段音楽を流しているが、番組によってはNHKラジオをかけることも多い。
この夏休みの時期、「夏休み こども 科学電話相談」という毎年恒例の人気番組を聴くことがある。
超長寿番組なのでご存じの方も多いだろう。
珍問、難問が飛び交い、楽しく、刺激的でもある番組だ。
好んで聴くのは自身がこどものようなものだし(やっぱり、そうか、などと言ってる御仁はどなた?)、この番組は程良いお勉強になるからだが(笑)…、
サビついた頭には適度な刺激が与えられ、こどもの質問内容の意外性と、各分野の専門家の回答は大いに楽しめる。
こどもの科学に関する質問など、たわいないものと侮るなかれ。
昔こどもだった頃には、今とは違い世界はたいそう狭いものでしかなかったかもしれないが、その狭い世界での事象全てが感動的で、希望と夢に胸膨らませたものだったろうし、不思議なことばかりの科学に興味が湧き、これらの謎を解明されたときのときめきと感動は大いに少年の頭脳を活性化させたものであったろう。
長じて大人になり、その世界は拡がり、さまざまなことへの洞察力も高まったかも知れない。しかしその頭脳にも、いつのまにかつまらないジャンク情報ばかりが張り付き、加齢に伴う劣化も手伝い、ボロボロだ。
さらには大人の常識とやらが事の本質を問うことを妨げたり、俗説を信じ込んでいたり、知ったかぶりのつまらないおやじになってしまってるのではないか。

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季節の移ろい

稲穂
日中の暑さはまだまだ衰える様子はないが、朝夕の肌をくすぐる風には季節の移ろいを感じさせてくれる。立秋以前のそれとは明らかに違うように感じる。
近隣の水田の稲穂もかなり色づき始めている。
来週末あたりには刈り取りのトラクターの音も響いてくることだろう。
以前何かへの返礼として近くの農家から収穫直後の新米を届けてもらったことがあったが、それはそれは美味だった。農家はいつもあんな美味い米を食しているのかと思うと妬けてきたものだ。
今日はFIFA2006独 サッカーワールドカップ アジア最終予選B組最終戦 対イラン戦があったので、仕事を少し早めに切り上げ、夕食を準備しキックオフを待った。

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掛川アート散策

森下真
昨日の土曜日、知人のチェアメーカー「森下 真」さんのJR掛川駅構内での個展を訪問させていただいた。
静岡市内から袋井郊外に工房を移転してからの初めての個展。
これまでデザインされてきた椅子、ベンチと新作の椅子、および数点の卓という構成。
袋井移転後、工房運営も軌道に乗りつつあることを伺わせるものだ。
現在の日本にあって、椅子を主たる制作対象とする木工家は決して多くはないだろうが、キャビネット、テーブルなどの制作販売と較べると、その販売戦略は難しいことは明らかだ。
日本における家具文化のなかでその伝統的な生活様式ゆえに最も遅れてきた分野であり、今や世界市場からそれなりの品質の椅子がびっくりするほど廉価で輸入されている現状は、我々木工家にとって脅威であることは自明。
しかしそうした困難をうち破って高品質な椅子を創り出し、世に問う姿は見事なものだと思う。

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盂蘭盆会


  向日葵は枯れつつ花を捧げおり父の墓標はわれより低し
                寺山修司『空には本を』
今年も含めここ数年身近な人が亡くなるということが続いているためか、この時期柄にもなく敬虔な精神状態に近くなる。
現代社会での仏事など遺された者達のための追悼の場でしかないようにも思えるが、死者との交歓が可能であるならば、亡き父の年齢に到達した今ならではの会話ができるかもしれない。
顰蹙を買うだろうが、墓前には向日葵を捧げて見ようか。

真夏の桟積み作業は止めよう

チェリー材

写真は先に名古屋で製材したチェリー材。
製材後、いくつかの展示会が続くという事情があり、しばし材木屋で預かっていただいていたものの、そこも限界で引き取ってくれという。
運送屋が清水まで搬送してきてくれたものを自車で引き取りに行った。
つまりはこの後桟積みをせねばならないということ (>_< ) 以前、真夏の炎天下で数人係りでトチの3寸板を桟積みしたことがあったが、この時は2人がぶっ倒れた。あんなこと2度とするものじゃない。 今回は1.8寸厚がメインで、幅もさほどのものでもないので、何とか気合いを入れてやってしまわねばならない。 明日、早朝の涼しいうちにやってしまおう。 More »

ウォールナット筺 その行方

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BW_box3
先の展示会にブラックウォールナットの小箱を出品したところ意外にも(?)好評で1点を除いて売り上げた。(参照

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木工界の意外な繋がり(私の椅子+α展)

九つ井
横浜で現在開催されている「私の椅子+α展」への出品作家の8人のうち、初めてお会いする人が3人いた。
般若芳行さん、吉野崇裕さん、藤井慎介さん達。
しかしプロフィールを見たり、お話しさせていただくと、意外なところで繋がっていたりして一気にうち解けるということがあった。
般若芳行さんは、金沢美術工芸大学の出身で、現在は木曽の山中で制作活動している気鋭の木工家(般若なんてかっこいい名前だね。埴谷雄高という思想家、文学者がいたが、彼の本名も般若だったと思うー関係ないけど)
もしやと思い、金美の教授の名前を挙げてみれば、般若さんの指導教官だったと言うではないか。

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「小川幸彦 陶芸の世界展」観覧

小川幸彦 作陶展
「小川幸彦 陶芸の世界展」(〜須恵器から志戸呂まで〜)、昨日観覧してきたので簡単に紹介する。(参照
会場は拙工房から大井川を渡り、数Km土手沿いに北上したところ、木橋では世界最長といわれ観光名所にもなっている「蓬莱橋」の近くに立地する。
島田という小さな自治体が設置運営するものとは思えないなかなか立派な施設「島田博物館」での企画展として開催された。
必ずしも有名な展示施設でもないので、どれだけの動員力があるのか不安なところもあるが、9/25までという比較的長い会期なので、ぜひ多くの方々に観覧いただきたい。
残念ながら会場内は撮影禁止なので、会場内の様子をお見せすることは叶わないが、展示スペースをはみ出すほどの作品群を見せてくれていた。
灰釉、自然釉、窯変などの大作が中心だが、若い頃から研究していた地元古陶の「志戸呂釉」の渋さも魅力的だ。
他にも伊羅保、信楽、唐津、粉引、など多彩なものが大小100点を超える規模で、回顧展にふさわしい作品群となった。
先に画像で紹介したパンフレットの紹介文を以下に転載させていただく。

 小川氏は1942年東京に生まれ、少年期からの夢である造形美術の世界に進むため大学を中退し、20歳で京都在住の陶芸作家である岩淵重哉氏の門をたたきます。その後沖縄県の南蛮焼、栃木県の益子焼や、愛知県の常滑焼の平安・鎌倉時代の古陶に関心を持ち、古陶の研究に各地を廻り作陶を続けました。1968年頃には、静岡県島田市阿知ヶ谷に登り窯「天恵窯」を築き、その窯で信楽、常滑や地元の陶土を使い、須恵器から平安・鎌倉時代の中世陶器の習作を始めとして、地元の古陶である「志戸呂焼」の素材・材料研究を行い、独自の灰釉の表現を駆使し次々に精力的な作品を制作しました。1969年には、日本工芸会正会員に推挙されています。
 今回の企画展では、これらの作品の中より、灰釉・自然釉大壺、灰釉大まな板皿、灰釉扁壺、灰釉長頸瓶、灰釉花器、志戸呂徳利、志戸呂扁壺、南蛮徳利、信楽徳利などの須恵器、中世陶写しや、南蛮、各釉掛けの秀作とともに、氏の表現した書画などの関連資料も展示し、初期から熟年期までの作陶の世界を紹介します。

iTunes・ミュージック・ストア解禁

iTMS
かねてから「8月頃には解禁か…」と言われていたので、解禁第一報にはさほどのオドロキはなかったが、いざ.MacアカウントでのiTMSログインからアルバムを購入するときははるか昔、中学生の頃にレコード店でなけなしの小遣いをはたいてドーナツ盤を買い求めたあの時のようなトキメキのようなものを感じてしまった。
Stingのアルバム(古い奴だけどね)「Fields of Gold」17曲入りで1500円。1曲単位では150円だ。
iTMS2

米国国内では99セント/1曲 なので、やや高いとも言えなくはないが、他社、オリコン、エイベックスなどと較べると平均価格はかなり安いようだし、150円が9割で残り1割が200円という単一価格に近い設定は好感できる。またなによりもいきなり100万曲からのスタートは他社と較べ圧倒的な優位性を確保してのものであることが明白だ。
「最後発」であった理由もここにあるといえよう。
既にこのiTMSで世界に配信された曲数は5億曲を越えている。米本国でのシェアは8割だ。
参入に手間取ったとはいえiTMS日本法人の解禁へ向けてのこれまでの努力を了とすべきだろう。
ただやはりというべきか、ソニー・ミュージックエンターティメントとの契約が果たせなかったことは邦楽の曲数では後塵を拝せざるを得ない事態とも言えるので、喜びも半分だ。

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伝統的習俗の地域差

ここ数日突然の身内の死去で葬送に立ち会うことになり、岡山県下の親族宅に身を寄せていた。
重篤な患者にとって日本の夏の暑さを乗り越えることができるかどうかということは、死活を意味するもののようだ。
自分の父親が病床で死去したのも8月の終わりであった。
東海地域に在住し、この地域での葬儀には年間数回何らかの立場で関わることがあるが、葬儀という日本社会の基本様式に関わる部分で大きな地域差があることに驚かされることがある。
体系的に調べ上げたわけではないので数少ない体験からだけなのだが、関西地域では伝統的習俗に倣うところが多く、関東では簡略、形式化しつつあるように感じる。
香典袋からして東西ではその様式、格式に大きな差異が認められるし、あるいはまた葬儀に関わる習俗のいくつかの呼称が異なるなどといったことなどは表層的なことにすぎないが、葬儀の式次第の差異には驚かされる。

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