長尺モノの組み立て

キャビネットの制作工程は、家具制作の中では比較的シンプルと言えるかも知れません。
一般的には次のような工程になります。
- 設計
- 木取り
- 墨付け
- 枘穴開孔
- 枘加工
- 小孔加工
- 面取り
- 仕上げ
- 帆立組み立て
- 地板等の組み立て
- 全体の組み立て
- 引き出し、扉、戸などの制作
工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から
1月中旬から10日間ほど床に伏していました。
感冒、つまり ただの風邪でした。
発症間もなく、38度を超える発熱が伴い、これが頭頂部から側頭部に掛けての強い頭痛をもたらし、持病の〈喘息〉を悪化させ、見るも無惨な姿を呈していたのです。
世情、COVID-19パンデミックの再拡大、新たな変異株・オミクロン株による第6波がメディアを支配するほどに喧伝されているところから、私の体調悪化は「オミクロン株にしてやられたんだろう !!!!」などと指摘されるにおよぶのも必至なものだったというところです。
私はけっして頑健な身体を誇るものではなく、どちらかと言えば華奢な体つき。
ただ風邪をひくことはめったになく、ここ10年以上は風邪由来で発熱したことはなく、インフルエンザにいたっては最後に罹患したのは25年ほど昔、というほど感冒には縁遠い男でした。
3ヶ月に1度、四半世紀以前からの持病である〈喘息〉の定期検診を受診しており、冬場になればこの呼吸器内科の専門医の主治医からインフルエンザワクチンの接種を強く薦められるのですが、これにもぬらりくらりとすべて断り続けてきたほどです。
(反インフルエンザワクチン派、といった堅固な信条からという程のものじゃなく、私の居住環境、行動スタイルからワクチン接種不用と判断してきたまでなのですが…)
こうした自らの体質を良く知るだけに、この度の発熱、頭痛には多少の焦りもあり、COVID-19感染を疑い、PCR検査を受ける事に。
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年の初めを言祝ぐには、あまり似つかわしく無い、COVID-19パンデミックに翻弄されるママの2度目の新年ですね。
パンデミックの喧噪も、そろそろ終末期へと移行する気配も感じられなくもなく(オミクロン株の挙動と特性などから…)、今年は新たな転機になるのではとの期待を込め、防疫にこれまで以上に心がけると共に、淡い近未来の展望を描きつつ、工房に籠もり、淡々と仕事に打ち込んでいこうと考えております。
どうか本年もよろしくお願いいたします。
さて、さっそくですが、今回は前々回のポータブルサンダーの集塵システムの続きの話しになります。
前回は BOSCH オービタルサンダーの吸塵バッグのすったもんだをリポートしたところですが、これを機に、うちの他のサンダーの集塵性能が気になり始めたのも宜なるところであったわけです。
中でも普段からよく用いる RUPES ミニサンダーの吸塵バックが布製であることにストレスを嵩じさせてしまい、今日は、これをなんとかもっとましなものにしようぜ、というリポートです。
More »マキタのカタログをツラツラ眺め、惹き付けられるページがありました。
丸ノコの「長尺定規」というもの。

いつからこの種のものを販売しているのか不明ですが、Amazon販売サイトで確認すれば、その登録日は 2020/7/30 とのこと。比較的新しいようですね。
ところで、この種のツールに関心の向きは、海外の電動工具メーカーでは既にかなり以前よりこうしたガイドレールが提供、販売されていることはご存じでしょう。
特にドイツ、FESTOOL社は以前よりこうしたレールシステムの商品ラインナップは充実しており、かつて私もルーター用にと、このFESTOOL社のものを1本仕入れたものです。
(なお、ご存じの通り、FESTOOL社の商品は高額になる傾向がありますが、国内調達となると、いわば非関税障壁的に過度に高額設定となり、アホらしくて手が出せず、しかしまた、これを海外から仕入れるとなると、国内正規代理店の展開がある事から、個人輸入には大きな壁が立ちはだかるといった問題も…。
その前に、丸ノコ本体からしてかなりの高額ですからね。選択肢としては優先順位から外さざるを得ないのが実状)

うちのサンディング作業は〈三点ベルトサンダー〉、というマシンで行うのがキホンです。
10cm幅、4mを越える長さのエンドレスのサンディングペーパーを回転させ、これを被加工材に押し当てて研磨するというシンプルな機構のマシンです。
中規模以上の木工所ではワイドベルトサンダーというマシンを用い、高精度なサンディングが可能なマシンを設置するのが一般的ですが、うちのような小規模木工所ではこの三点ベルトサンダーを設置するのがごく一般的です。
強力に研磨できますので、生産性は高く、その研磨性能には確かなものがあります。
プロの木工所でもこうしたマシンを置かず、ポータブルや手研磨で行うといったところもあるかもしれませんが、サンディングの作業性、研磨の精度等々、三点ベルトサンダーでさえ、圧倒的な優位性があります。
ここでは詳述しませんが、関心のある方はこのBlogの〈木工家具制作におけるサンディング〉に10回に渡り記述していますので、そちらをご覧下さい。
さて、この三点ベルトサンダー、ただ、間口が2mしか無いために、これを越える大きさの物、あるいは重量物などはこのマシンを使うのは困難で、その代替として、ポータブルの電動工具を使うことになります。
あるいはまた、既納品の再塗装を含む、現場作業では大型のマシンは使えませんので、ポータブルのサンダーは欠かせない道具ということになります。
このポータブルサンダー、私のところでは大小4〜5台ほどのサンダーを使い分けていますが、広い板面などへのサンディングには、25年ほど前から〈BOSCH GEX 125A〉という電動工具を使っています。
四半世紀の歴史、というわけですが、まったく劣化は無く、正常に機能しています。
設計から製造管理まで、BOSCHのクォリティの高さを実感させてくれますね。

ネストテーブルは以前より作っていて、決して多くは無い、うちの定番品の1つ。
入れ子に納め、整理することのできる小テーブルのことを〈ネストテーブル〉と言いますが、台数としては3台、1セットが一般的でしょうか。
インテリアの1つとして部屋の隅に置かれるのも良いでしょうし、もちろん、テーブルとしての機能も十分な品質がありますので、補助的なテーブルとして活用できます。
花台など、飾り棚的な応用もおすすめですね。
今回、在庫が切れたところに新たな受注があり、久々に制作することに。
発注者はWebサイトに掲載(こちら)のブラックウォールナット材は、あまり好まず、できれば国産の材種を要望され、いくつかの選択肢を上げ、検討いただいた結果、樺材での制作となりました。
一般のユーザーには、この軽やかな赤身と白太の白さはカジュアルな感じを与え、喜ばれるようです。
また物理的特性からすれば、緻密な木理と硬質さから、堅牢性も高く、また破綻も少なく、家具材としての条件をほぼ全て備えている材種といって間違い無いでしょう。

うちで造ったローテーブルを、引越を機に用途を変え、フツーの高さのテーブルに作り替えてくれないかとの相談のメールが入ってきたのです。
1.stコンタクトの場では思いおこせなかったのですが、その後、添付されてきた画像には、20年という月日を経、使い込まれ、色褪せた色調の甲板があり、その特異な形状から、確かに私が制作したクラロウォールナットのセンターテーブルであることが確認できたのです。
クラロウォールナットといえば、稀少な樹種とはいえ、日本国内で私だけが取り扱っているものでもなく、半信半疑で当時の書類と記憶を辿ったところ、もう20年も前のことで、伊勢丹新宿本店での「モダンクラフト展」に出品した会場で買い上げられたものでした。
このクラロウォールナットは原木丸太で求めた2本目のもので、長さこそ1.5mほどの短いものでしたが、太いところの幅はほぼ同じく、1.5mもの樹齢のあるもので、またそれだけに様々な杢を醸し、いかにもこれこそクラロウォールナット!といった、素晴らしい出遭いの原木でした。
この頃、毎年開催された伊勢丹本店での「モダンクラフト展」出品に誘われ、これをセンターテーブルとして設計製作、出品したものでした。

2020東京オリンピック、パラリンピックは日本社会に、あるいは近代オリンピックの歴史にいったい何を遺したのでしょうか。
菅政権はNYT、W.POST、The Gurdianなど内外の名だたるメディア、さらには多くの市民からの五輪開催強行への疑念、開催すべきでは無いとのメッセージに一切応えること無く開催断行したのでした。
その間、東京都では連日、COVID-19感染症が発生して以来 最悪状態の4,000から5,000名を越える感染確認者が出るという感染拡大状況を呈する有り様。
また開催直前の組織委責任者の差別主義的な問題、ホロコーストを揶揄するといった禍々しい問題などを引き起こしつも、何とかこれらを取り繕い、終幕を迎え、開催に関わった5者(IOC、JOC、組織委、日本政府、東京都 の5つの機関)は、終えた事への安堵と自負の言葉を並べ、嘯いたものですが、このオリパラ開催成功を政権浮揚のテコとしようと目論んだ菅義偉首相にとっては思いもよらぬ展開が待ち受けていたのでした。
何と、自民党総裁の任期切れ(元々、前自民党総裁であった安倍晋三氏の任期であったものをそのまま引き継いだことによる)で行われる自民党総裁選には出馬せず、退陣決断に至るのです。
これにはいささか驚かされましたが、無謀極まる五輪開催強行と感染拡大への強い批判に晒された結果、本人としては思いもよらぬ展開と考えるのが大方の読みでしょう。
本人曰く「膨大なエネルギーを使う総裁選とコロナ対策を両立させるのは困難で、残された任期はコロナ対策に専念することに…」とのこと。
総理総裁の器に能わずと、自民党内外からの指摘で引きずり下ろされての不出馬だというのに、こんな見え透いた嘘をいったい誰が信用するというのでしょう。
6月初旬に党首討論をやったのを最後に、菅首相は国会を閉じ、姿を見せぬまま、こそこそと退陣するとのこと。
これのどこが「コロナ対策に専念」なのでしょう。意味不明。
菅首相としては、五輪のお祭り騒ぎでコロナ禍の鬱屈した空気を一掃させ、その勢いを駆って「政権浮揚」へと繫げ、総裁再選を勝ち取り、総選挙に打って出るというシナリオだったはず。
ところがそのシナリオは脆くも崩れ去り、総裁選出馬を断念せざるを得ないところに追いやられてしまったというのが実際のところ。
私はそのつもりも無かったので観ていなかったのですが、パラリンピックの閉会式のひな壇では、臨席の皇族、東京都知事、IOC会長などが笑顔で選手らを迎える中、ひとり菅首相だけは陰鬱な顔というのか精気の失せた相貌をしていたことがSNS上で話題になっていたようです。
心ここにあらずと言うのか、そもそも五輪そのものへの興味は全く無かったのかもしれませんね。
ただ「政権浮揚」には使えるだろいうという判断から、開催強行したものの、しかしその結果、「政権浮揚」どころか、政権は失墜していくことに。
身から出た錆とはいえ、政権浮揚という政治利用主義で五輪を活用するなどという邪な(よこしまな)考えがいかに独善的なものであったかは、この退陣に追いやられたという政治のダイナミズムが教えているのでは無いでしょうか。
いかに政治家が五輪と結びつけて政治利用しようと夢想しても、その欲望に安易に踊らされる人々ばかりでは無かったということです。
More »Covid-19パンデミック下での 2020東京五輪 も終わり、デルタ株の猛威に晒される医療現場の逼迫状況が日を追うごとに厳しさを増す中、今度はパラリンピックの開幕となり、再びメダルラッシュがもたらす狂騒、あるいは「感動ポルノ」との相乗となり、コロナ禍を巡る最大の困難に立ち至っている現在の状況を覆い隠していくかのようです。
パラリンピック(以後、「パラ」と略称)の感染症対策、行動ルールは、五輪と全く同じものとされ、関係者のみを「バブル方式」で囲い込み、選手は毎日、唾液による抗原定量検査を実施するとのこと。
陽性の判定が下されると、選手村に設置した「発熱外来」での正規のPCR検査に移行し、その結果、陽性が確定すると濃厚接触者を含め隔離することになっているようです。
現在、パラリンピック関係者の感染確認者数は219人と報道されていますが(朝日08/28)バブル方式とは言え、オリンピック大会でも選手村を抜け、街中へと繰り出した海外選手もあったようですし、また大会警備のために地方から派遣されてきた警察官の多くが感染確認され、彼らが地元に帰還し、その地域での感染を拡大させる感染源になっているようです。(NHK)
菅政権は五輪開幕前に4度目の「緊急事態宣言」を発してきたものの、その後、人流は大きく抑制されるということもなく、「宣言」慣れ、あるいは政権への不信が重なり、一方での華々しく開催された五輪を横目に「行動自粛」などといっても若い年齢層からは反発を招くだけで、「宣言」は政府の期待とは裏腹にまったく奏功されていなかったという事実があります。
そうした人々の行動スタイルの冷厳なデータがあるというのに、あらたにまた「パラリンピック」の開催となれば、ますます人々の行動規範は緩み、感染状況の抑制どころか、ますます感染者を増大させ、医療の逼迫状況を完膚なきまで破綻させるモメントとして働いていく怖れさえあります。
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『The Daily Beast』という米国紙に「Olympic Boss Wanted Flame Lit by ‘Pure Japanese’ Ex-Yankee Player, Not Osaka」(森喜朗 前組織委会長は最終聖火ランナーは大坂なおみでは無く、[純粋な日本人](Pure Japanese)の松井秀喜にさせたかった)との記事が来ています。(08.04:こちら)
大坂なおみが聖火最終走者のオファーを受けたのは、全豪OPENでグランドスラム4つ目のタイトルを獲得した3月頃だとされていますが、この森前会長が「わきまえない女性」発言で会長辞任へと追いやられ、これを機に松井秀喜案はお蔵入りされたといったような内容です(開会式 本番では最終ランナーの数組前、王貞治とともにトーチを掲げた長嶋茂雄の介護者として松井も顔を見せていましたね)。
確かに、日米ともに野球で大きな功績を残した松井秀喜は候補の対象として上げられても決しておかしくは無いですが、それを言うならばむしろ世界的にも著名な本塁打記録保持者の王貞治の方が適格という見方もできます。

ところで少し古い話しになりますが、1996アトランタ大会の開会式。1960ローマ五輪・ライトヘビー級王者 等々、輝かしい戦績を残した伝説のボクサー、カシアス・クレイ(モハメド・アリ)が最終点火者として表れた時は、重いパーキンソン病でままならない両手の震えを抑えながらの点火のシーンは本当に感動させられたものです。
世界的に知られた著名な引退後の選手がこの最終点火者を担うというのは比較的一般的なものですが、野球はまだまだアメリカとアジアの限られた国でのスポーツで、ゴジラがそれほどに国境を越えて知られているかと言えば、否定的にならざるを得ません。
最終的に決せられた大坂なおみですが、既に広く知られてるとおり、彼女は日本人の母とハイチ系アメリカ人の父を持ち、今やグランスラム4大大会を4つも制覇し、昨年はBlack Lives Matter 運動に積極的に関わる姿勢を示すなど、今ではスポーツ界を越え、世界的な社会現象とも言うべきアイコンに押し上げられていますので、押しも押されぬスポーツ選手として、最終点火者としてこれほど格好の人物はいなかったでしょう。
今大会に関しては、これまで語ってきたように、世界的イベント、オリンピックを開催するにふさわしい東京都なのか、日本なのか、との疑念があった中、開幕直前になり、大会組織関係者、式典関係者の相次ぐ辞任、解任といった苦々しい問題が大きくクロースアップされてしまい、いったいこのオリンピックはどうなってしまうのか、との困惑、疑念で重い空気に支配される中、こうした汚濁にまみれた空気を一掃させるべく、重い使命を担ったのが最終点火者・大坂なおみだったというわけです。
カシアス・クレイと同等とは言いませんが、彼もローマ五輪で獲得した金メダルを帰国後の黒人差別に怒り悲しみ川に投げ捨てたり、ベトナム戦争への徴兵拒否で世界タイトルを奪われるなど、黒人としての悲運、苦難を乗り越え、後年、最終点火者としての栄誉でしたが、大坂なおみの方はBLM運動に臆せずに積極参加するなど、カシアス・クレイ同様の評価軸に屹立していると言っても決して間違いでは無いと思います。
純粋な(ピュアな)日本人である松井秀喜くんにすべきだったという森喜朗の妄言など、通用するのは極東の島国の国境内という限定的なものに過ぎないのです。
そもそもピュアな日本人という概念そのものがおかしいでしょう。
日本人のルーツといっても、3〜5万年前に、アジア大陸、さらには南方諸島からはるばるやってきたホモササピエンスを元にすると言われ、紀元後も、ヤマトの支配下、朝鮮半島からの渡来人として多くの人々が渡り付き、定住してきたことは歴史書の教えるところです。
今の時代、純粋な(ピュアな)日本人、などとする概念など、無意味というより、むしろ悪質なイデロギーでしかないのです。
松井くんにとっても迷惑な話です。
「日本は天皇を中心とした神の国」と公言して批判を浴びた森喜朗という前近代的な化石のような人物の妄言を余所に、今の日本のスポーツ界にあっては、世界に名が響きわたる数少ないインパクトのある、ポジティヴなイメージが強いアイコンは誰あろう、大坂なおみなのです。
彼女に最終点火者を担ってもらうことで、この間のいくつもの実におぞましいスキャンダルにまみれた組織委の体質を払拭し、『ダイバーシティー&インクルージョン(多様性と調和)』を掲げるにふさわしい出自を持つ彼女にクリーンアップさせようと狙ったのも肯ける話しです。