木工と錺金具
宮本貞治さんの錺金物(カザリカナモノ=装飾金物のことを称する)は木部の品格と相まって、ほどよくフィッティングされていますが、そのほとんどは自作しているようです。
指物に留まらずキャビネット(箱もの)家具には機能金物、錺金物問わず必須のパーツです。もっといえば画竜点睛としての意味合いを持つと言って差し支えないでしょう。
昔はこれらを専門に制作する錺金物の職人がいたものですが、現在では絶滅危惧種の1つに挙げねばならなくなってしまっています。
このあたりのことについては「手──もうひとつの生活 No.7」{(財)クラフト センター ジャパン}という小冊子に「東京の錺職人」ということで須田賢司さんが詳細に記述しているので機会があったら見てください。
彼自身も錺職人に頼ることができなくなってきた背景と、木工芸家として高品質な錺金物を取り付けることにおいては妥協できないということで、結局自作することが多いのだそうです。
この小論では
・・・錺という仕事の現在を考えると、千何百年の間連綿と伝わってきた一つの文化の危機を感じさせられる。文化は物がつくるのではなく、人がつくるものとするならば、職人がいなくなるという事は一つの文化の終息をも意味しているのではないだろうか。・・・こんな時代に職人として生きている私は、ここ数十年の社会の変化が果たして。私たちにとって進歩として幸福なものだったのかと考えさせられてしまうのである。
と結んでいます。









木工家具のデザイナー & 職人のartisanです。
