工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

脚はできたけれど‥‥、

家具
蛙股を含む脚部を組んだのは良いが、本体のデザインはどうするか。
本体のディテールが未定のままにまず脚部を組み上げる。
それを眺めつつ、喚起力に頼りながら考えてみる。
いくつかのラフスケッチをメモに取り、これを図面に落とす。
あぁでもない、こうでもない、と一人つぶやきながらの至福の、いや苦しみのひととき。
家具というモノであれば、外形のデザインと同等程度に機能を満たすための構造的裏付けの検討も必要となる。
定型的な約束事とともに20数年間で培った経験則を加味し、それだけでは足りない部分を新たなアイディアで膨らませる。
時には試行錯誤で苦悶しながら良い解決策を編み出し、いずれはそうしたものの中から自身のスタイルへと洗練、定着されていくものもでてくる。


下の画像は矩(カネ)を確認するためのツール。
Top画像のように矩形の内側の一部が直線では無い場合はスコヤが使えない。
矩(カネ)を計測する他の方法としては対角線の長さを測るというやり方があるが、こうしたアメリカ生まれのツールは具合がよいね。
二本のバーを任意な長さに延伸、固定できるようになっている単純な機構のものだが、これはこれでなかなか有用である。
この方法というのはスコヤよりもむしろ高精度に計れるしね。
Veritasの製品だが、15年ほども前に購入したもので今も入手できるかは不明。
少しネットで探してみたが見付けられない。
特段高機能というようなものでもないので、代替品を自作することもできるだろう。

Varitus1ところで、本体は板指しにしたいと考えているのだが、お天気が回復してくれないと板の仕事はしたくないなぁ。
しっかし、昨夜の雨はすごかった。
深夜丑三つ時、暗闇を切り裂く雷光、雷鳴轟き、慌てた。
ガバッと飛び起き、ADSLモデムのLine、電源を遮断。ホッ‥‥。
明日からは冬型という予報だが、既にこの時間帯、外では暴風が吹きまくっている。
部屋の湿度も40%を切る。
明日は板の仕事もできそうだね。

《関連すると思われる記事》

                   
    
  • 今でも売られているようです。
    http://www.leevalley.com/wood/page.aspxc=3&p=32585&cat=1,43513
    これは知りませんでした。
    それほど高価な物でもないので、次の機会に買ってみます。

  • すみません、上記のURL、少し違ってたみたいです。http://www.leevalley.com/wood/page.aspx?c=3&p=32585&cat=1,43513

  • acanthogobiusさん、いつもスミマセン。
    探していただけたようですね。
    ちょっとした小物ですが、序での時にでも入れてみてください。
    結構使えます。
    なお、お分かりと思いますが、木部先端は商品紹介ページの画像のものよりは、私の画像のように先端をシャープにしないと実用的ではありません。

  • Lee Valleyの場合は商品名の下の所に
    Instr.という青文字がある時は詳しい取り扱い
    説明書を見ることができます。
    それによると、artisanさんと同じように先端を尖らせてある絵が出ています。
    ピンが付属していて、引っ掛けて使うことも
    できるようです。

  • おぅ、確かに詳細な使用方法がPDFで提供されているのですね。
    すばらしいWeb運用です。
    Pinの活用法は知りませんでしたね。なるほど、です。
    なお細かなことで恐縮ですが、PDFの図では確かに先端をシャープにしていますが、
    左右のバーのカット方向は同じ方向ではなく、逆に向けませんとあまり有効ではありませんね。
    ボクはこのツールを入手する前は、ステンレススケールでの計測で矩を確認していたのですが、こちらははるかに使いやすく、かつ高精度です。

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