工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

Apple 2012 WWDC から見えること

「MacBook Pro Retina」「Mountain Lion」「iOS 6」ティムCEO(WWDCから)

日本時間今朝未明、Apple恒例の〈WWDC〉(Worldwide Developer Conference)が始まった。
“怒濤の新機種リリース”といった感じの内容だったようだが、「MacBook Pro Retina」などハードウェアへの関心はともかくも、OSの更新にいくつもの興味を惹くものがあった。

(基調講演、キーノートはこっちだよ)

Mac OS は「Mountain Lion」に更新されるが、iOS更新の方に、より興味が湧く。

何故って、Apple社がもっとも注力する部門だからでしょ。
数年前からMac OSは iOSの機能を後追いするかのような開発姿勢を見せているじゃ無い。
今度のも、Siriのように音声入力を搭載したり、リマインダー、SNSなどの搭載などが目立ち、要するに「OS XとiOSの融合」がより進んできた、ということ。

もっと言えば、iOSは社会的影響は絶大なるものがあるわけよ。(5%のシエアしか無いMacユーザーなんてたかが知れているけれど)
電車や街中ではiPhoneユーザーばっかでしょ(Androidの方が多いか?)
これは携帯電話所有者だけに留まらず、アプリを介し、多くの店舗や、施設、団体など私的公的事業体との繋がり、ネットワークが拡がっているわけで、それらへの影響は無視できないものがあるわけね。

以下、この新しい iOS 6について、ちょっとだけ詳しく見ていくけれど‥‥。

1つはSNSへの強い親和性。
Facebookがデフォルトで統合されてくる。
映画のチケット購入、スポーツの試合結果情報などが追加されてきた。

余談だけど、先日、新しく開館されたシネマコンプレックスで映画を観てきたが、事前にネットアクセスからのチケット購入決裁、および入館に必要とされるチケット購入のためのQRコードの発行があり、ボクはこれをEvernoteに取り込んで出掛けた。
映画館ではチケット売り場の端末にただiPhoneに取り込んだEvernoteのQRコードを掲げ、チケットを吐き出させたのだが、これらがiOSのデフォルト機能となるということか。

WWDCキーノートより(開始から100分後あたり)

次いで、衝撃的だったのが地図アプリ[maps]の導入だね。
現在はGoogleマップを搭載し、現在地表示、経路検索、ストリートビューの表示などが可能となっている。

ただ、より高機能な地図アプリを搭載しているAndroidと較べれば、限定的であり、Google社とApple社の確執を暗に示していたが、Apple社独自の地図アプリ搭載は、Googleの軛から解き放たれるものとして、経営戦略上、大きな意味を持つことになっていくだろうね。

基調講演のビデオを見ていただければ良く判ると思うけれど(開始100分あたり)、衛星写真を基にした俯瞰機能が実にスバラシイ描画を見せてくれていた。

Google Earth というアプリと同様の、あるいはそれ以上の滑らかさで描画されていた。

しかも、Googleの後追いというより、さらに一歩進み、ナビゲーション機能が、とても高機能。
Siri機能を活用し、音声で行き先を告げると、瞬時に地図上でマップマッチングとともに、音声で行き先を案内してくれるというもの。
さらに渋滞情報、事故情報などもリアルタイムで取得、表示、案内するという。

またこれらは今後主要な自動車メーカーも協調し、ハンドルに操作ボタンが設けられ、音声で全てがコントロールされる(Siri機能)というからスゴイ。

iOS 6 は今秋のリリースだが、こうした新たな独自マップの新機能は日本でも同様にサポートされるらしいよ。

iPhoneの出荷台数は3億6500万台、iPadは6700万台というのだから、まさに社会的影響は絶大だ。

これに付け加えておけば、Appleはかなり中国を強く意識している、ということが垣間見られた。
Siriのサポートはもちろんだけれど、生産工場を中国に依存しているし、また巨大市場であることは言うまでもなく、意識せざるを得ないということか。

それと、先の記事で iPadの入手にあたり、どのように使いこなすか、という結語だったわけだが、この基調講演の冒頭、iPadを多用に使いこなしている人々、教育現場のすばらしいリポートがあった。
つまりはiPadも単なるツールに過ぎないけれど、その使い手によっては、玉手箱に化ける、ということだね。

そしてiOSというものは、Mac OSを超え、既存のコンピューターテクノロジーの概念を1つ1つバージョンアップさせ、あるいは再定義させ、全く違う世界へと誘ってくれる予感だ。

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