工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

Twitter

右ウィジェットにTwitterを貼り付けた。

始めて間もない全くのビギナーながら、時折気が向いた時につぶやく。

大流行のSNSのようだが、実はほとんど関心も無くここまできた。
しかしポスト3.11下における情報ツールとして欠かせないということが、最近になって切迫的に感じていた。

いや関心が無かったというのは正しくないかも知れない。
例え関心があったとしても、WebサイトおよびBlog運営にあっぷあっぷの現状からすれば、これ以上Webに関わる情報発信はやるべきでないだろうし、その能力にも欠ける、と考えていたというべきだろう。

だが、既製メディアから伝わってくる情報があまりにも真実からは遠く、耐えられない程までに衰退していることを見せつけられれば、インターネット上で交わされる情報ツールから取得するしかないだろうと思った。
あまりにも悠長で、あまりにも遅い判断のおばかさんだったが、アカウントを取得することにした。

以前、ボクにはTwitterは不向き、とするコメントをくださった方がいたが、本人以上に良く分かっていらっしゃる進言だと思ったし、同意するしか無かった。
しかし、10年前にWebサイトを設置し、7年前にBlogを設置し、多くの方々とのネットワークが作られ、そこに励まされ、厳しい時代をあえぎながらも生きてくることができたように、またTwitterの大海に新たな繋がりを求め、不器用な犬かきのような泳ぎでしか無いけれど、果てしない海に泳ぎだしていこうと思う。

ただまだまだ要領も掴めておらず、システムへの理解も不十分。さらにはTwitterでの文体も模索中。試行錯誤しつつ、皆さんの後をついていきますので、どうぞよろしく !

読者の方々の中にも既にTwitter IDを持っていらっしゃる方も多いと思うので、ぜひフォローさせてください。
@Yuh_artisan

「私らは侮辱の中に生きている」17万人の怒り

(cc) NODA Masaya / JVJA

〈さようなら原発10万人集会〉と銘打った「さようなら原発1,000万人アクション」の一環の集会とデモ。代々木公園には主催者側の当初の想定を大きく上回る17万人が集結し、怒りの声が都心をこだました。

梅雨明けを思わせる炎熱の太陽の下、広大な都心の公園は老若男女、巨万の人々で埋め尽くされた。

昨年9.19明治公園に集結したのが6万人だったが、ほぼ3倍の大増員を数えた(警察発表はそれぞれ、25,000人 → 75,000人と、同様に3倍と相応しているのがおもしろい)。

ボクは友人ら数名と、個人が中心のブロックに参加し、気炎を上げ、再稼働への抗議をたたきつけた。
デモは整然と執り行われ、ショッピングで賑わう原宿の若い人々にも歓迎の声で返されるなど、大いに盛り上がり、明治公園までの約3kmを歩き抜いた。
手に手に手作りのプラカードを空高く掲げ、あらんかぎりの声で「再稼働反対 ! 」「原発いらない ! 」と唱和された。
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おしゃべりを超えて、街頭へ

7月13日、官邸前での「再稼働反対」抗議活動、主催者側発表は前回並み、15万人規模の集結とのこと。
大飯原発3号機はフル稼働へと進み、18日と言われる4号機の稼働へ向け準備が進んでいる状況下、決して勢いが衰えるどころか、国内では非日常の光景でしか無かった街頭での抗議活動が、今や日常化しちゃっている。

これは人々の怒りの切迫性の強さであろうし、政治への諦観でもあるだろう。
あるいは個人的な希望に拡がりを公共空間に求めるというこのスタイルは、日本において絶えて久しいものであり、もっと言えば、組織動員とは無縁の1個人の思いの集積の結果であるという“画期”は見抜いておかねばならないと思う。

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框組、帆立内部

当地は今日も断続的に強い雨に見舞われたけれど、九州、熊本、大分地方へは、「これまで経験したことのない雨」との警戒が呼びかけられ、事実、犠牲者を出すほどの被害があった。
個人的には縁者、知人はいないとはいえ、お見舞いを申し述べたい。
梅雨末期、こうして毎年繰り返されるのを見ていると、防災面での予防措置の欠陥は無かったのか、検証と対策を願うばかりだ。

さて今日は、前回エントリした飾り棚の組み立て途上の画像を明かしちゃおう。
何だ、ヘマやってるじゃん、などとの見立てもできようし、あるいは、なるほど、こうした框モノ、プロはこんな方法でやっているのか、といった見方もできよう。

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CLAROウォールナットの飾り棚

梅雨ど真ん中の今日この頃ですが、皆さんの地域は如何でしょう。
各地に被害をもたらした先週の土砂降り、当地域も豪雨でしたが、週末以降、空梅雨で推移しています。

陽性と言いますか、最近の日本列島の気象は南洋のようなメリハリがきつい傾向にあるようです。喜ばしいとは言えませんな。
日本は中庸がよろしいようで、‥‥、気性もそうですが、気象も、ですね。

しかし、今日など湿度計見れば、何と40%台。
ありがたくも、仕事の捗りはすこぶるよろしいです。

さて、この画像、作品名には、但し書きが必要かもしれない。
respect for Krenov と。

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3.11大震災、風化と抗う社会とメディア(今、問われていること)

ETV特集、取材スタッフのBlogから

「目標1%」と題されたBlogのタイトルがある。
NHK ETV特集を最前線で担うTVマンのBlogのある日の投稿に付けられたタイトル。(こちら

ここまで書けばお判りかと思うが、1%というのは視聴率のことである。
つまり自分が作る番組への自嘲的な物言いであるわけだが、同時にそこにはそうした社会からの受容の在り様に抗いつつ、番組作りをしていることの誇りも垣間見える。

抗う対象は、再稼働へ向け「新たな安全神話」を振りまく、原発ムラであり、政府当局であり、メディアの報道姿勢であり、あるいは社会総体なのかもしれない。

3.11後、福島原発による放射線汚染については、NHK、民放、それぞれ様々な番組が企画、放映されてきているが、中でも多くの人々に感銘と、実学的な情報をもたらしたものとして、高い評価を受けたのが、放射線測定の草分け的存在、岡野眞治博士、気鋭の若き放射線衛生学の学者、木村真三氏とともに作り上げた「《ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図~福島原発事故から2か月~」》だった。

【各賞受賞】
文化庁芸術祭賞 大賞
石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞
日本ジャーナリスト会議大賞(JCJ大賞)
シカゴ国際映画祭ヒューゴ・テレビ賞「ドキュメンタリー部門」 銀賞
ワールドフィルムフェスティバル・ドキュメンタリー部門銀賞
ギャラクシー賞 5月度 月間賞≪上期入賞≫

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突き鉋

突き鉋というものがある。
1年に何回使うだろうか?、というほどに使用頻度の低い鉋だが、
しかし無いと困る。

今回は“被せ”の抽出の仕込み工程で、側板を削らねばならず、この突き鉋にご登場いただく。

こんな面倒くさいことをしたくなければ、もっとAboutな仕込みにすれば良い。
でもね、やはり丁寧できちんとした仕事がうちの仕様なので、これしきのことは受忍する。

そうは言っても、一鉋、二鉋、程度の微調整なので、面倒というほどのものでは無い。

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ボンドの容器を選んでみよう

木工ボンドの容器などについて語ろう。

四半世紀も木工やっていると、用いる木工ボンドの容器(詰め替え容器)も、様々に変遷を重ねてきた。

そうして落ち着いたのが、画像のモノ。
右後ろから、

  • 長年使ってきた容器(蓋は元々付属していない)
  • Titebond Ⅲ:1ガロン(3.785L)(これから詰め替えている)
  • Titebond Ⅲ:18oz 473mL
  • New 詰替容器(手前の2つ)

何だ、ありふれたモノじゃん、とあきれ顔のあなたはどんなモノを使っているのかな?

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赤坂憲雄氏につぐ東北学の若き研究者(山内明美さん)

2012/07/04『朝日新聞 朝刊』(東京12版)

今朝の朝日新聞・オピニオン覧に〈東北のこれから〉と題したインタビュー記事がきており、何はさておき、朝飯そっちのけで読み入ってしまった。

東京の大学に席を置いたまま、3.11後、故郷の南三陸に駆けつけ、そのまま〈宮城大・南三陸復興ステーション〉で活動している山内明美という若い研究者へのもの。

‥‥東北にはまだ表面に出ていない力がたくさんある。こんなにひどい目にあったからこそ、元々の力を生かせたらと思うのです

──震災後、東北の被災地は称賛されました。「日本ならではの村社会が生きていた」と。

でも、それだけではないのです 地元の新聞に、津波の引いた翌朝、高齢のしゅうとめをおぶって、がれきを歩くお嫁さんの写真が載りました。実は彼女は中国人なのです。この町にはアジアから来たお嫁さんがたくさんいます‥‥

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抽手はインディアンローズで

昨日は九州から近畿、北関東まで豪雨に見舞われ、多くのところで被害があったようだが、皆さんのところでは大過なかったでしょうか。
我が地域でも断続的に、雷を伴い、バケツをひっくり返したような豪雨があった。

‥‥ というわけで、抽斗加工の方は中断し、気象にさほど影響を受けない抽手をつくることにした。

悩みすぎても良い結果は望めない。

ざっとラフスケッチを描き、これに修正を重ね、木取りから、一気呵成に加工を進める。
今回も材種はローズウッド。
抽手に求められる条件としての硬質さは格好だし、またボデーがブラックウォールナットなので、メリハリをつけるにはこうした濃色材が良い。

画像は100%傾斜盤で成型加工されたものの仕上げ工程。
この仕上げ作業のあと、所定の寸法に切り落とすなどの工程が残るが、切り落としてから個々に仕上げ作業をするのではなく、先にサンディングまでやっておく。

仕上げ切削だが、ローズウッドなどの硬質な材種の曲面仕上げ切削はこのようなスクレイパーが都合良い。
シュルシュルと木屑が削り出され快適だ。

エッジの成形はステンレス合金鋼(ZDP-189)の切り出しで快適に行う(参照

ローズウッドが、なにゆえにローズウッドという呼称なのかは、一度でもこうした加工をすれば、たちどころに笑みを浮かべながら、なるほど‥‥と、頷くだろう。

「世界の木材200種」(須藤彰司 著)より

今日はこの後、もう1本upしようと思う。