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FIFA ワールドカップ 独 2006 予選突破

FIFA
2006ドイツFIFAワールドカップアジア最終予選突破を掛けた対北朝鮮戦、快勝だった。オメデトウ !!
「WATARIDORI」そっちのけでTV観戦。前半はなかなか積極的な攻撃シーンが見られなかったものの、後半28分、ジーコの鹿島時代の愛弟子柳沢の積極的なボレーシュートはついにゴールネットを揺らせてくれた。すばらしいゴールシーンだった。
個人的には最も期待したフォワード大黒も後半からピッチに姿を現し、がむしゃらなまでのゴールへの意欲を感じさせてくれていたが、やはり期待通りに追加点を決めてくれた。
柳沢はイタリアで揉まれ、心身共に逞しくなっていて以前のようなひ弱さは影を潜めていたので大いに期待できたし、大黒も日本のフォワードに欠けていたとよく言われる決定力というものを顕在化させてくれる新しい力だ。
もちろんヒデに替わるポジションを見事に成し遂げてくれた小笠原、そして故障を抱えながらもディフェンダーの要、宮本を支えてくれた中沢の存在感も大きかったし、皆がドイツへ向けての積極的プレーを展開する中での立派な成果だ。
2002日韓大会もベスト16を成し遂げた日本代表だが、2006ドイツ大会出場権確保という成果は本大会進出常勝のチームとして名を連ねるものだし、ドイツ本大会でも大いに闘い、期待を上回る成果を挙げてくれるのではと感じさせる予選の闘いぶりだった。


成田での記者会見は興味深かった。
キャプテン宮本はじめ多くの選手が戦い抜いた安堵の思いを素直に語り、ジーコ自身も「目標が達成できた(本大会出場権の確保)、日本に恩返ししたいと思っていたが、それに値する仕事が出来て感激でいっぱい」と話していた。一時はその指導力への懸念などで監督の椅子は決して安泰ではなかったであろうことを考えるとこうした吐露も頷けることだ。
しかしそのような雰囲気の中にあってただひとりヒデだけは「自力で予選を突破できたのはよかった。ただ目標はそこではなく、最初の通過点。このチームにW杯を勝ち抜く力はまだない。それぞれがレベルアップする必要がある」と自らに言い聞かせるように引き締めていたのが彼らしくて良かった。
つまり、本大会出場は確かに日本チームの地力故のものではあるだろうが、この2連戦を控えてのキリン杯では2連敗したことは帳消しになるものではないだろう。
あるいはまたイラン戦の敗北の要因であったフォーメーションの混乱は国内組、海外組のコンビネーションの難しさを露呈したものだったことを想起すれば薄氷を踏む予選突破といえなくもないのだ。
1年後の本大会開催までは多くの課題を抱えていることをヒデの辛口メッセージは指し示している。
もちろん、ヒデが指摘するように多くの課題が残っているだろうが、この予選突破の成果を自信として前向きに積極的にチーム力を上昇させてもらいたいものだ。
多くのタレントを抱えジーコもレギュラーを決めるのが難しいほどだろうが、ぜひ一時の指導力不足などと言わせないような采配をふるってもらいたい。(参照
さて、ところでやはりタイ、バンコクでの試合は何かヘンだった。
いうまでもなく無観客試合という不思議な光景。
直接的には北朝鮮のホームでの対イラン戦での観客の暴動を端に発したFIFAのペナルティーの結果の無観客試合だったのだが、FIFAとしては相手チームが日本だということでの政治的、社会的配慮として第三国での試合となったことは予想に難くない。
バンコクでの試合でも終了間際において後味の悪い選手同士の振る舞いもあって、このことを裏付けた形になってしまった。
それまではイエローカードも前半ハーフでは皆無だったし、冷静なプレーを見せてくれていたが、さすがに本大会出場のチャンスを完全に奪われた形の北朝鮮選手の常軌を逸した振る舞いは非難されねばならない。
そうしたことを踏まえてもなお銘記されねばならないことは、スポーツ試合において政治的であったり、狭隘なナショナリズムであったりというスポーツ本来の概念からはほど遠い対極的な事柄を持ち出すようなことは排除されねばならないのだ。
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