工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

椅子制作での在庫管理

椅子パーツ
展示会などに出品する椅子を制作する時、これがアームレス、アーム付きといったバリエーションがある場合にこのコンビネーションに迷う。
今回の個展の時に出品したある椅子は完売し、かつ追加制作を依頼されたのだが、残余のパーツは数はあるものの、バリエーションに対応していないということが出てくる。
先にも「座布団椅子」のアームレスばかり注文が続くといったこともあったが、かなりのパーツでのストックをしていたものの、バランスが大きく崩れあらためてパーツから追加制作ということになったのだった。
バランス崩れで残ったパーツが使えなくなるというものでもないので、どうということではないが、あまり合理的とは言えない在庫管理だ。
展示会即売方式での販売活動である以上、こうしたリスクは甘受せねばならないところだろう。


しかしあらためてパーツを眺めると、その種類の多さに我ながらあきれる。
椅子のパーツなので、いずれもそのほとんどが曲面加工、成形加工されているので、加工工程は煩雑で高い精度も要求されるものだ。
これらの集積で、椅子としての必須の要件(人体を支え、心地よくさせ、堅牢で壊れない、持ち運びにもラクチン etc、そして美しい)を満たすので、どれひとつとしていい加減に作るわけには行かない。
(写真はアームチェア「大和」のパーツのうちの1部)
明後日は「山の上ギャラリー」でのギャラリートークなるものに出席するのだが、このような経験は少なく何を話して良いやら困惑している。(有料での予約制にもかかわらず14名が申しが込んでいるという。恐らくそのほとんどはご一緒する前田純一さんのお客だろう思うが…)
椅子にまつわる話しということなのだが、上のような愚痴っぽいことは禁句。如何に楽しく快調に椅子工房を運営しているのか、夢のある話にせねば(そんな浮世離れした話し出来るかしらん)。
「山の上ギャラリー」のサイトが展示会の様子をupしているので、ご案内する(参照)。

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