座椅子に肘を
画像は座椅子、制作途上のスナップ。
以前、ソファなどとともに納品した際に撮影、紹介したものと同様のデザインだが、今回アームを付けてみた。
片方だけだが‥‥。
制作依頼された顧客に提案した設計案は、このようなアーム付きのものであったのだが、普段の居住生活においてはアームは邪魔になるということで外した、という経緯。
アームの有無というのは、実は大きな意味を持つ。
肘を支えてくれ、より安楽な姿勢を保持してくれる。
また座位置から立ち上がる際に、このような支えがあるのはありがたいもの。
腰の筋肉が落ちた高齢者は特にそう。
座椅子ともなれば、立ち上がり動作により困難が伴うもの。
なおあえて片アームというのは、あまり窮屈な感じを与えたくない、座るときのアプローチが楽であることなどか。
アームレスの良さは、座る位置へのアプローチがより楽であることが挙げられるからね。
個別の受注では顧客の要望を受け、左右のアームの有無を選択してもらうということでいけばよいだろう。
さて、これはまだ途上。
クッションはこれからだ。座と、背にクッションを置くのだが、快適な座り心地はここで決まる。
特に座椅子というジャンルの椅子の掛け心地追求というものは、なかなか難しいところがある。
多くの座椅子が腰を痛めてしまう姿勢を強いている。
もともと人の姿勢というものは立ち位置の姿勢が実は最も負担を掛けないのに対し、この座椅子の姿勢というものは実にヒトの本来のあるべき姿勢に反するもので、工房悠の座椅子はこのアポリアを克服していこうという試みだ(ちょっと、いやかなり? 大げさ、だな)
張り屋さんとのコンビネーションで望むべき掛け心地を獲得したいものだね。
なお、この椅子を含め、新旧の椅子群を「私の椅子展?」(横浜、山の上ギャラリー)に出展させていただきますので、お近くの方はぜひお出掛け下さい。
(ギャラリー・サイト)