工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ソファと卓

ソファ&センターテーブル
先に「顧客から教えられること」として取り上げた家具について少し書いておこう。
既にWebサイト「木工家具の工房 悠」のGalleryに納めてある「ソファ 悠 3P」とほぼ同じデザインのもの。
背部クッションの高さを置かれる部屋の腰板の高さ(窓枠下)に合わせ、やや低くしたものとなった。
こうした設計変更というのも、ボクたちの受注制作システムならではの自由さだ。
カスタマーの住宅は在来軸組工法で建てられ、外壁も含め天然木がふんだんに使われた豪壮なもの。
納品翌日、立ち会えなかったご主人から「何か、以前からそこにあったかのような親しみの強いソファですね。想像以上に作りもデザインも気に入りましたよ、ありがとう‥‥」と、過分なお褒めの電話が入る。
実はこの「以前からそこにあったかのような」という形容は、納品時にボクたちも含め、立ち会ってくれた夫人、ギャラリー オーナー共通の思いでもあった。
これは無論、事前に納まる部屋を確認させていただき、デザイン、寸法などを調整させたことも部屋へのフィッティングに寄与していることは確かだが、やはりそれ以上に、堅実な住宅設計、本格的な工法での住まい作りと、ボクの家具つくりへの志向と制作における品質がうまく響き合い、奏でることができたと言い換えることもできるだろう。
これが5年、10年、30年と経過し、それぞれどのような変容を示すのかも興味深い。


ソファはWebサイトのものよりもSHを2cmほど低くした。
これは背の高さを抑えたことにもよるが、やはり掛け心地の追求からのもの。
わずかに2cmであるが微妙な変化をもたらす。
張りの方も、さらに改善させた。
前に置かれたセンターテーブルもWebサイト「木工家具の工房 悠」のGalleryに置かれたものから派生させたものだが、3Pの幅に合わせ、かなり大きなサイズのものとなった。
天板は無垢のブックマッチでの2枚剥ぎを枠に落とし込んだもの。
ブラックウォールナットの良質なものに典型的に見られる複雑な色調を帯状に見せる、とても良い木味のものだ。
近くこれらは、Webサイト「木工家具の工房 悠」の【納品事例】として整理しようと思う。
画像、壁左に掛かっている風景画(水彩)はここのご主人によるもの。
水彩画を学び始めて3作目というお話しであったが、その独特なアングル、切り取り方、大胆な構図、筆力はセンスを感じさせる。

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  • Galleryのソファはハイバックを意識して制作されたと思いますが
    個人的には今回の作品の方がバランス良く見えます。
    写真ではブックマッチのウォールナットが良く見えないのが
    残念でした。

  • >今回の作品の方がバランス良く見えます
    確かにそのようですね。
    >ブックマッチのウォールナットが良く見えない
    そう言えば、天板を意識した撮影はしていませんでしたね。
    またあらためてお邪魔した際にでも撮らせていただきましょう。
    400mmを越える45mm厚の板を割いたものでした。

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