講壇、あるいは説教壇(Pulpit)
教会で牧師が説教するための壇です。
牧師からの依頼で制作しました。
いくつもの意匠を提案させていただき、最終的に残ったのがこれです。
この意匠は必ずしも教会という特異な場における壇というものでもなく、一般的な講演台などにも用いられるデザインかもしれません。
構成と特徴
駆体は凸型の断面を持ち、上部のテーブルトップの部分は〈〉の形に傾斜させた枠が特徴的です。
この凸部分に合わせ、台輪も様式的と言えば良いのか、少しデコラティヴに構成しています。
駆体のボリュームと上部枠部位のボリュームの差があるため、これだけの台輪が必要とされたというところです。
そのため、これ自体、なかなかやっかいな作りではありました。
この講壇ですが、まずは何よりもマホガニーで制作して欲しいとの必須の条件が。
私がホンジョラス産の真正マホガニーを在庫してることを良く知る顧客でもある牧師からの依頼でした。
在庫する限りあるマホガニーの中から、最上品をふんだんに用いたものです。
いずれも矧ぎ無しの1枚板で構成しています。
教会の講壇を なんちゃってマホガニー(アフリカ産など、名称だけはマホガニーを僭称しているものの、その実 似て非なる材種)や、複数枚の矧ぎで構成するなどはもっての他ですから。