工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

インテリア・オークションに見る日本のブランド力

日本初と言われるデザイン・オークション「コネクトオークション」というものが設立されたという。
運営会社を調べると、北欧家具のヴィンテージ家具を扱う「エルモ・ルイス」(ELMO-LEWIS.inc)という会社。(こちら
この会社のサイト、所蔵の物と思われるハンス・ウェグナー、フィン・ユール両氏のヴィンテージもののスライドショーが収められていて楽しめる)
デンマークの椅子事情に詳しい人にはよく知られたところのようだ。
オークションは昨年11月の起ちあげのようだが、サイトを拝見する限りではとても充実した内容と見た。
代表的には以下のようなラインナップ
・HANS J. WEGNER
・FINN JUHL
・POUL KJAERHOLM
・ARNE JACOBSEN(充実している)、
・GEORGE NELSON
・CHARLES & RAY EAMES(充実している)、
・BRUNO MATHSSON
・ALVAR AALTO
・PHILIPPE STARCK
・MIES VAN DER ROHE
・LUCIE RIEの器(ボクはこれを入札したかった。でもCup & Saucerが13万円ではね)
日本からは
・倉俣史朗の代表作「How High the Moon」(金網のあれだ)
・柳宗理の洋食器、Butterfly Stool、剣持勇のAcrylic Chair、ジョージ・ナカシマのスツール、
・河井寛次郎の器もある
まるで椅子を中心として、近代デザイン史を総覧するような内容。感動的ですらある。


興味と資力のある方はアプローチしてみたら如何だろうか。アフターセール期間ということで現在も2ndオークションとして開催されているようだ。
(Yahooオークションとはちと訳が違うかも知れないが)
恐らくはイギリス・ロンドンを中心として欧米ではこうしたヴィンテージもののオークションの歴史は旧く、社会的認知度も高く、現在も賑わっているように思う。
対し、日本においては古物商の市などは昔からあったが、公開されたオークションというスタイルの歴史というものはなかったようだ。
しかし一定の需要もあるようだし、こうしたインチリアの世界の上質なものの社会的価値を公正に評価し、定めるということは悪くない。
しかもサイトでは次のように日本のデザイナーのものも積極的に取り上げることで、世界基準の中にこれらを位置づけようという志向もあるようで頼もしい。

日本から世界へ日本が誇るデザインアイテムを紹介していきたいと思っております。柳宗理、剣持勇を始めとする天童木工によるヴィンテージ・アイテムはもちろん、黒崎輝男氏により世界デビューしたマーク・ニューソンのIDEEによるアイテムや、デザインアートという言葉がなかった時代からデザインをアートの領域で考えていた倉俣史朗アイテムも今後の中心として考えております。

今後も注目していこうと思う。
閑話休題
ドメインのレジストラ移管手続きに伴うURL変更問題でのアクセス切断の影響は甚大なるものの、昨日のアクセス解析によれば、嬉しいことに数値的にかなり戻りつつあるように思う。
週末金曜日は普段の5割り増しほどに伸張するもので、それを考えればまだまだではあるが、皆さまの捜索努力のおかげで、何とか運営して行けそうで嬉しく思う。
でも本件へのコメントにあったように、これまでのアーカイブがヒットする検索サイトからはたどり着けないという重大な問題の克服には、またあらたに数年の蓄積が必要となってくるのかも知れない。-_-#
画像下はここ数日のアクセス解析グラフ。
アクセス解析

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  • 以前E&Yと云う家具屋さんがSUPER LIVINGと云うオークションサイトを運営してましたが、2年程で頓挫しました。
    そのときもやっぱり北欧のデザインの椅子が中心でした。
    こちらはずっと続けてほしいですね。
    まあ、資金の問題で入札できそうなものはありませんが・・
    わたしが是非にと思うのはマーク・ニューソンの
    ロッキードって椅子なんですけど。
    出たら嬉しいです。

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